夏は終わらない。
日差しは容赦なく鬼吉を襲う。このまま倒れるのではないだろうかと思いながら鬼吉は歩く。
「鬼が鬼退治とは…」
鬼吉は目に入った汗の痛みを感じながらこれまでのいきさつを考えていた。
鬼吉は木の上で昼寝をしていた。体を横にするのにちょうどいい枝振りを見つけた鬼吉は喜々として体を預けた。春の日差しは麗らかで、風が気持ちよい。うとうとしていると幹を駆け上がる生き物の気配を感じた。
「おい、鬼吉」
うっすらと目を開けた鬼吉が声の主を確認する。鬼吉がササと呼ぶ三毛猫の友達が深刻そうな瞳でのぞいてた。
「どうした」
鬼吉は枝を握って体を起こす。ササはすがるような声で鳴いた。
「あんた亡くなった魂は救えないのかい」
鬼吉は目をぱちくりしながらササに問う。
「俺には救えない。俺にはな…」
「その言い方は、魂を救う方法自体は知っているのか?」
「知ってはいるが、その前にいったい何があったのかを聞かせろ」
ササは安心したのか、なめた前足でしきりに顔をあらう。
日差しは容赦なく鬼吉を襲う。このまま倒れるのではないだろうかと思いながら鬼吉は歩く。
「鬼が鬼退治とは…」
鬼吉は目に入った汗の痛みを感じながらこれまでのいきさつを考えていた。
鬼吉は木の上で昼寝をしていた。体を横にするのにちょうどいい枝振りを見つけた鬼吉は喜々として体を預けた。春の日差しは麗らかで、風が気持ちよい。うとうとしていると幹を駆け上がる生き物の気配を感じた。
「おい、鬼吉」
うっすらと目を開けた鬼吉が声の主を確認する。鬼吉がササと呼ぶ三毛猫の友達が深刻そうな瞳でのぞいてた。
「どうした」
鬼吉は枝を握って体を起こす。ササはすがるような声で鳴いた。
「あんた亡くなった魂は救えないのかい」
鬼吉は目をぱちくりしながらササに問う。
「俺には救えない。俺にはな…」
「その言い方は、魂を救う方法自体は知っているのか?」
「知ってはいるが、その前にいったい何があったのかを聞かせろ」
ササは安心したのか、なめた前足でしきりに顔をあらう。