本屋にて
客「すいません」
店員「はい何でしょう」
客「本を探しているのですが」
店員「どのような本ですか」
客「人生に疲れていまして……(沈黙)」
店員「啓蒙本ですか?」
客「いえ、そういう本ではなくて……(沈黙)」
店員「(沈黙)」
客「あの、ホグワーツ城の……」
店員「ああ、ハリー・ポッターですか」
客「いいえ、そうではなく
て、あの、調べる事が、あいうえお順になっていて……」
店員「辞書ですか」
客「まあ、辞書のような物なんですけど……例えば唱えると欲しいものが即座に手元に現れるような……魔法の呪文が書かれているような本はありますか」
店員「ございますよ」
客「えっ、あるの」
店員「ございます。ただし、販売価格は十兆円になります。しかも現金のみのご提供になります」
客「ちょっと見せてもらうことはできますか」
店員「できますが、無料ではございません。五兆円。現金でいただきます」
客「やっぱり魔法ってあるんですね。でもお金が無いと魔法はつかえないのですね。少年ジャンプ買って帰ります」
店員「お買い上げありがとうございます」
美容院にて
客「予約してないけどカットできますか」
店員「はい大丈夫です。本当は大丈夫じゃあないけれど、大丈夫です」
客「本当に大丈夫ですか」
店員「はい微妙なところで大丈夫です」
客「微妙って何?」
店員「私は現在、猛烈な便意と闘っておりますが大丈夫です」
客「トイレしている間、待ちますから行ってください」
店員「いえ、私、トイレに一度行くと永久に出てこないところから、通称アマテラス・オオミノカミと呼ばれております。お客様の髪をカットした後、存分にこもらせていただきます」
客「そう、大丈夫かい。わるいね」
店員「いえ、とんでもございません。そうと決まれば早速切ってしまいましょう。角刈りでいいですか」
店員「いや角刈りはいやです。襟足と前髪と横をそろえてください。あと、すいてもらえますか」
店員「かしこまりました。しかし、私の便意メーターが現在上り調子です。そのオーダーですと右半分だけ短くなってゲームオーバーの可能性がございます。ですのでここは男らしくすっぱり角刈りでどうでしょう」
客「角刈りはだめだって。じゃあ、半分だけカットできるのなら、襟足と前髪だけ切ってよ」
店員「それも難しい状況になってまいりました。前髪の半分だけそろえるのはどうでしょう」
客「半分はだめだって。そんなに差し迫ってきたの」
店員「はい。差し迫っております。どうでしょう。私便器に座りますので、お客様、私の前、膝と膝の間に座ってもらって……」
客「きばりながらカットする気かい。そんなのいやだよ」
店員「何、大丈夫です。私はアマテラス・オオミノカミです。すぐには出やしませんよ。どうぞ、どうぞこちらへ」
客の手を強引に引きながらトイレに店員は向かった。
中古ショップにてジャンク扱いのZОー3ギターを見つけたのが運のつき。
格安でぞうさんギターを手に入れた。
スイッチは壊れているがアンプに繋ぐと音は出る。
購入後、その足で楽器屋さんに修理に出す。
ひと月かかって、修理が完了した。
ギタースタンドをもう一つ用意した。
複数のギタースタンドは部屋の床を占領する。
ギタースタンドをやめて、壁に吊るすのもありかも。
そう考えつつある。
新入り(割烹料理店にて)
新入り「今日からお世話になります遠藤です」
先輩「君が新人の遠藤君か。ちょっと聞くが、包丁を握った経験はあるのかい」
新入り「いえありません。まず料理をしたことはありません。僕、甲殻類アレルギーと生魚アレルギーで刺身とかも苦手なんです。でも割烹料理店で骨をうずめるつもりでがんばります」
先輩「甲殻類アレルギーってどの程度のアレルギーなんだ。カニとかエビとか触っても大丈夫なのか」
新入り「あ、そういう病気的な感じのアレルギーではありません。エビの間接の感じとか、カニの甲羅のざらっとした感触が何となくいやだなというレベルのアレルギーです。生魚は生臭いにおいがイヤだなというレベルのものです」
先輩「割烹料理なめてるのか。その情報、聞きたくなかった。だまって修行してくれないかな」
新入り「かしこまりました」
先輩「料理人のいろははまず手洗いから。手を洗ってきてもらおう」
新入り「はい分かりました。では一緒に来てもらってもいいですか」
先輩「何で?」
新入り「手を洗うんでしょう」
先輩「俺の手じゃない」
新入り「では誰の手ですか」
先輩「お前のだよ」
新入り「右手だけですか」
先輩「両手だよ。お前やっぱりなめてるだろ」
新入り「なめるんですか」
先輩「なめないよ!取りあえず手をよく洗って皿洗いからやってもらう」
新入り「はい分かりました」
一時間後
先輩「どうだ。洗い終わったか」
新入り「まだです」
先輩「お前、洗い物の皿がぜんぜん減ってないじゃないか。どういうことだ」
新入り「はい、ひたすら一枚の同じ皿を洗っておりました」
先輩「同じ皿を一時間洗っていたのか」
新入り「はい。まだ洗い終わっていません」
先輩「お前やっぱりなめてるだろう」
新人「お皿なんかなめていませんよ」