下の写真のように背炙り峠から村山市側を眺めると、いつも、ポコポコポコと三つの瘤(こぶ)のある山が見えます。ミツコブラクダとでも呼びたいような形です。勿論、ヒトコブラクダ(一瘤駱駝)やフタコブラクダ(二瘤駱駝)はいますが、三つの瘤がある駱駝はいません。それでも大変に特徴的な形の山です。このような形になる特別の理由があるかもしれません。
この山が入っている写真を説明するときに、いつも山の名前が分からなかったので困っていました。ところで、下の写真は前回投稿したものと同じですが、それに瘤の所に矢印をいれました。
これを村山市側から見た姿が下の写真です。国道13号線から林崎に入り、中沢の集落の入り口で左に曲がった時にほぼ正面にドーンと見えます。まるで大きな屏風が立ちはだかっているような圧迫感さえあります。こちらから見ても特徴的な山です。
長年、分からなかったのに、ひょんなことで名前を知りました。村山市立図書館で村山市関連の書籍を眺めていた時に、「村山市の地形 ふるさとの山・河・野」に目が留まりました。写真や図が多用されていますので、分かりやすく身近な場所について丁寧な説明があります。しかも、国土地理院の地形図やGooglEarthには出てこない低い山の名前も出ています。地元の方々から熱心に聞き込んだ結果であろうと思います。大変、貴重な資料となっています。私も畑沢の山について、このような段階までに調べたいものです。
さて、肝心のこの山の名前は、「岩神山」となっています。果たして読み方が「イワガミヤマ」なのか「イワガミサン」なのか「ガンジンザン」なのかは書かれていませんでしたが、一般常識的には「イワガミヤマ」と思われます。それにしても、「犬神家の一族」にも似た響きがあり、どこかミステリーじみています。今までは、それほどの印象もなかったのですが、平成25年ごろの「楢枯れ」で葉がまばらになって、木々の間から山肌が透けて見えます。下の写真のように岩が現れています。山腹の中位から上部が岩だらけの様です。今と異なり、昔は薪炭材として山から木が伐採されていましたので、山肌が常に見える状態だったのでしょう。その時、「岩神」と言いたいほどの怖さがあったものと思います。
岩神山の表層地質を「5万分の1都道府県土地分類基本調査(尾花沢)」で調べると、流紋岩質岩石となっていました。流紋岩とは火山で出てきたマグマが地表で固まったもので、ケイ酸質が多く含まれています。畑沢では大平山と立石山の上部を覆っています。畑沢で「立石石」と呼んでいるとても硬い石です。硬いがゆえに侵食されないで残って、急傾斜の山を形成しています。常盤地区で流紋岩が見られるのは畑沢だけで、近くでは五十沢地区南部からこの岩神山の一帯でも見られます。
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