wikipediaによると、ハコネサンショウウオ属は国内でも1912年以降、次々と新種が増加したようです。
2012年 キタオウシュウハコネサンショウウオ(北奥州の箱根山椒魚の意味)
2013年 ツクバハコネサンショウウオ (筑波 〃 )
シコクハコネサンショウウオ (四国 〃 )
2014年 タダミハコネサンショウウオ (只見 〃 )
バンダイハコネサンショウウオ (磐梯 〃 )
ハコネサンショウウオ1種だけでも私は特定できないのに、さらに5種も増えたのでは調べる意欲さえなくなります。しかもwikipediaの説明には、特徴として「脊椎数、尾の長さ、頭幅、背面の縦縞がどうのこうの」と書いてあります。脊椎数を数えるには解剖して見る必要があり、尾の長さと頭幅は測定しなければなりません。完全なるホールドアップです。私は「畑沢のハコネサンショウウオの仲間」で済ませるしかないと思っていたのですが、インターネットで勉強していると、大きな手掛かりが見つかりました。
独立行政法人国立科学博物館・分子生物多様性研究資料センター・特定非常勤研究員の吉川夏彦氏が研究代表者として平成29年6月27日付けで報告しているのが見つかりました。研究課題名は「有尾両生類における種分化と種間干渉:種の形成とその維持機構の解明に向けて」で、ミトコンドリアDNAおよびマイクロサテライトなどによる遺伝子解析だそうですが、私にはその研究手法が全く見当がつきません。それよりも注目したのは、その論文の中に示されている地図でした。東北南部を中心としたハコネサンショウウオ属の分布が示してあります。山形県もしっかりと入っています。我が故郷、畑沢のおおよその位置も分かります。詳しくはそのページを御覧ください。
しかしそれをそのまま載せることが出来ませんので、自分なりの解釈で生息分布を決め、大雑把な作図をしました。
この図では、山形県にはハコネサンショウウオ(箱根山椒魚)は生息しておらず、蔵王山系以北の奥羽山脈と奥羽山脈から北西に鳥海山まで伸びる山系にはキタオウシュウハコネサンショウウオ(北奥州箱根山椒魚)が、それ以外の地域にはバンダイハコネサンショウウオ(磐梯箱根山椒魚)が生息しているようです。山形県にはサンショウウオ科が黒山椒魚、東北山椒魚、北奥州箱根山椒魚、磐梯箱根山椒魚の少なくとも4種いることになります。そして畑沢には北奥州箱根山椒魚が生息している可能性があります。
以上を持ちまして、「畑沢のサンショウウオ」シリーズを一旦、終了します。再開は来春にサンショウウオ属の調査をしてからになります。
2020年も最終日になりました。来年は政府及び国民の適切な対応で新型コロナが退治され、またコロナをきっかけにして世界の人々に真贋を判断できる能力が培われるようになることを希望します。もう変な指導者はこりごりです。