令和3年2月14日、約一か月ぶりに畑沢へ行きました。今冬は寒暖が両極端です。2月10日から次第に天気が好転し始め、14日はそのピークを迎えて気温は10度近くまでに上昇しました。そんな日は畑沢へ行くのも旅行にでも行くように浮かれた気分になります。
尾花沢から古殿を通って車段(車壇)方向へ向かう途中で、正面方向にスキーで滑りたくなるような山の斜面が見えました。樹木が伐採されてゲレンデのように輝いています。もう高齢者ですから、何所へでも出かけてスキーをする訳ではないのですが、つい「良い子時代」の発想が浮かびます。スキーで滑る代わりに写真に納めることにしました。ん!、向こうに面白そうなものが見えます。
近づいて眺めていると、見覚えのある顔がありますし、山スキーらしき物がスノーモービルに積まれています。私と同じような何かを感じました。確かにその中のお一人は知り合いでした。そして猟師です。今、全国各地で獣害に立ち向かうことができる数少ない頼もしい方々です。一昨年、畑沢で7頭も駆除して下さった方々でもありました。今年も畑沢での活躍をお願いしましたところ、思いがけない返事が返ってきました。
「今日も畑沢へ行ってみたが、道路の両脇が高い壁になっていて、スノーモービルを下ろせないので、猟をすることができない」
大雪が邪魔だったようです。
荒町を過ぎるころになってから、写真を撮る気になりました。いつもとどおりの反応の鈍さです。道路の両側には雪の壁がドカーンと居座っています。
荒町を過ぎて松母へ向かう途中の朧気川です。川面が春の陽を浴びているような輝きです。その向こうには細野の集落がうっすら見えます。そして、魅力的なスキー場のような景色も見えます。わらび園だと思います。
畑沢では、持参した山スキーで実家近くを散策しました。山スキーは約5年ぶりかもしれません。手入れが悪いので、ストックの革ストラップが切れていました。購入してから40年近くにもなります。登山靴はさらに古いものです。
小さな沢を進むと、雪原に多数の足跡がありました。ノウサギ、キツネは分かり易いのですが、もう一種類の足跡もあります。直ぐには分からなかったのですが、沢の小川を覆う雪の切れ目から出ている土色に汚れた筋を見て気付きました。イノシシかな?さっきお会いした猟師が教えてくれたアドバイスを思い出しました。
「イノシシはミミズを求めて泥を掻きまわすので、ぬかる雪の所では泥が雪面に泥の色を付ける。イノシシの存在を知ることができる」
そうか、こいつはイノシシか。
さらに進むと、確たる証拠が残っていました。足跡にくっきりとイノシシらしさが現れています。同じ偶蹄類のカモシカとも区別できます。
別の沢にも行ってみました。この時は太陽が顔を出してのどかな雰囲気で、極、普通の山でさえも美しく見えましたので、記念撮影です。
今冬は結構な積雪です。千鳥川にかけられている農道の橋にはずっしりと雪が載っています。
小さな千鳥川が雪で完全に覆われてしまった箇所もあります。雪の斜面には、土が降水で侵食されたような筋が見えます。普通の冬には見られない光景です。積雪に何回かの雨が降りましたので、その影響だと思われます。
遠く背中炙り峠の方向です。途中に上畑沢の集落があります。昨年、ここで「村の楯」跡が見つかりました。しかし、その他にも楯を作りたくなる山が沢山あります。下畑沢では楯跡が二つありましたので、上畑沢に二つあっても何ら可笑しな話でもありません。雪が解けたら確かめます。
ところで雪面がデコボコしています。降雨のせいでしょう。
畑沢の南にも行って大平山、立石山、甑岳を記念撮影。
畑沢を引き上げて、村山市内の国道1号線を南下しています。林崎付近だと思います。右折すると林崎駅があったはずです。我が良い子のころ、畑沢から五十沢、湯舟沢温泉と徒歩で山を越えて、林崎駅で汽車に乗って楯岡へ行ったことがありました。尾花沢を周るりもかなりの近道でした。
夕方の太陽光線なので、赤っぽくなるのは当然ですが、気温が高かったので、春の日差しそのものです。
数日後、地名と駅名の誤りに気付きました。林崎でなくて袖崎が正しい地名です。林崎駅ではなくて袖崎駅が正しい駅名です。高校時代に毎日、袖崎駅を蒸気機関車に乗って通過していたのに、間違ってしまいました。私は時々「林崎」と「袖崎」がこんがらがってしまいます。