令和3年4月21日(水)、久しぶりに畑沢の某沢へ出かけました。平成26年から畑沢の取材を続けたために、かつて頻繁に出かけた場所が疎遠になっていました。それまでは、春先にその沢に落ちてきた枯れ枝や落ち葉を片付けていたのに、全くやらない状態が続いたので、沢が荒れてしまいました。沢が荒れたのは、そのことだけではないのですが、もしも小まめに手入れしていれば、少しはましな状態を保っていたでしょう。そんな自責の念を抱きながら作業を始めたのですが、根っからの「道草精神」が働き始めます。懐かしい綺麗な水、可憐な花が誘惑しました。
崖の途中で、砂岩の割れ目から水が湧いています。何段にも流れ落ちる様は、いつ見ても見とれてしまいます。幼友達の顔が浮かんできます。小学校低学年の「良い子」たちが集まって、様々な沢の奥へと出かけ、それぞれの湧き水の味を堪能しました。何とも贅沢な遊びです。
最初に水辺で花が咲くのは、ショウジョウバカマ(猩々袴)で、少し遅れてキクザキイチゲ(菊咲一華)が咲きます。色はかなり個性的で、全く白い場合もありますが、これは濃い目の紫です。
これは草本類ではなくて潅木ですが、水辺には欠かせないものです。アブラチャンと呼ばれ、畑沢ではオオバクロモジ(大葉黒文字)とともに、クスノキ(楠)科に属しています。私はこの枝でカンジキを作ってきました。木で花が咲くのは早い方です。
次はだれもが知っているミズバショウ(水芭蕉)です。元々、畑沢にも自生していたのですが、園芸業者などが乱獲(かつ盗掘でもあります。)して、はやい時代に絶滅しています。写真の水芭蕉は、知人が実生した小さな株を兄が植え付けました。やはり水芭蕉の適地だったようで、元気に成長しています。
次の写真に水辺は写っていませんが、水辺です。説明しないと分かりません。拙い腕です。縦に長く伸びているのは、杉の倒木です。沢の斜面の杉が雪でへし折られました。これらを片付けるが私の仕事でした。その脇で三つ葉葵のような葉を拡げているのは、エンレイソウです。「延齢草」と書くのだそうですが、ネットで調べないと分かりませんでした。文字を見た限りでは、長命になりそうです。形もこの世のものとも思えない「有難さ」がありそうです。観葉植物にもなりそうです。でも肝心の花は、真ん中に小さく咲いているだけです。染色体の研究で多用された時代があったような気もしますが、記憶が曖昧です。
次の写真にも「水辺」が写っていません。正直に言いますと、水辺からは10mは離れています。写真の右上に見える木の辺りに千鳥川があります。群生して見事だったので、仲間入りしました。これも菊咲一華です。この写真にはトリックがあります。人が隠されています。ソフト「ペイント」で画像処理しました。一つだけヒントがありますので探して下さい。