平成29年12月31日、今年も残り僅かになりました。ふと、振り返って考えると、今年にお約束していたのに、まだ約束を果たしていないことがありました。それは5月14日に背中炙り峠の楯についての発見を報告することです。この日、楯跡と城跡の専門家が背中炙り峠の楯に同行して下さいました。その時に、私だけでは気づかなかったものが沢山、見つかりました。同行して下さった方々のお陰です。
一番、大きい発見は新しい大きな堀切が見つかったことです。まったく想定しなかった場所でした。それもそのはず、畑沢側からの攻撃に対する防御を意図したものでした。実は5月14日にカメラを持参しませんでした。あらためて6月に調査しましたが、下の写真のとおり樹々が青々と葉を茂らせてしまいました。地形が見えなくなっていました。現場の写真としては落第です。
これでは何の写真かが分かりませんので、模式図を造りました。どうですか、イメージできるかと思います。図の左側が曲輪という平坦に均(なら)された場所で、堀切に接した縁には高さ1mの土塁があります。それから堀切を越えた右側が自然な山の地形です。今は大木に覆われてしまい、この様な地形を見ることは不可能です。しかし、昔は樹々を総て切り倒して、敵が斜面を登りにくくしていたはずです。
発見はこれだけではありませんで、もっと沢山の発見がありました。しかし、今年が間もなく終わりますので、取り合えず急いで今年の宿題を片付けました。読者の方々はどの場所なのかが全く見当つかないものと思います。それは年が明けましてからの宿題といたします。