尾花沢市民図書館には、お宝がザック・ザツクとありました。この図書館には以前から何かとお世話になっていました。特に6年前は、何か畑沢に関する資料がないかと何度も足を運んだ結果、数々の手がかりを得ることができました。
そして、この度、下の本を発見して、またもやお宝に恵まれました。
山形県大石田町出身の海藤忠男氏が平成10年7月12日に発行されました。表紙にありますように、昭和30年代の暮らしについて書かれています。その時代は私とも共通しています。書かれている内容は、次のとおりで、この中に204もの事柄が綴られています。
1 次年子の思い出
2 大浦バス停
3 草屋根の暮らし
4 学校生活
5 食べ物
6 唄と呼ばわり
7 遊び
8 雪の中の暮らし
次年子伝説
小平の七不思議
簡潔で的確な表現です。正確に記録することを目的にされている感じです。真面目なお人柄を想像できます。大変、中身が濃いものになっていて、よくもこれだけのものを記憶されているものと感心しました。例えば、「8 雪の中の暮らし」に「ドフラ(落とし穴)」というお話があります。畑沢のドフラと同じでした。次年子の子どもたちも、私と同じいたずらをやっていたようです。もう、これ以上、当時の生活を記録した本は出てこないでしょう。大事にすると同時に、なるべく多くの人たちに読んでいただきたいと思います。
この図書館のお宝は、これだけではありません。尾花沢市内の各地区で書かれた様々な本が、図書館の見えやすい書棚に置かれています。各地区の歴史保存会によるものや地元小・中学校の子どもたちが書いたものがあります。現在、読んでいる一部の本を紹介します。
「福原 むかしのお話」
尾花沢市福原地区の昔のことについて、福原中学校の生徒なども含めた地元の方々が書きました。その中で、幕末から明治にかけて、修験者の生活が激変する様子を中学生が調べました。江戸時代まで各村に修験者がいましたが、明治維新によって神道が国教になり、修験者は大きな影響を受けました。そのことを中学生が調べて書いたのですから驚きです。大変に貴重な内容です。
「宮沢 お宮とお寺、石塔」
宮沢地区のお寺とお宮が奇麗に写真付きで解説されています。この中で、興味深かったのは、江戸時代のある時期に他の地区には見られないほどの人数の修験者がいたことです。宮沢地区は他の地区とは異なる修験者の組織があった可能性があります。
「おやじの寝言」
牛房野地区での昔の生活が、軽妙に表現されています。子どもたちの牛房野川でのカジカ採り、学校での腕白ぶりなども笑いを誘います。