-畑沢通信-

 尾花沢市「畑沢」地区について、情報の発信と収集を行います。思い出話、現況、自然、歴史、行事、今後の希望等々です。

今年最後の背炙り峠 絶景が広がっていました

2021-12-01 09:35:11 | 自然

 令和3年12月1日(水)から背炙り峠越えの県道29号線が通行禁止になります。通行できる最後の日、11月30日に峠を越えて畑沢へ行ってきました。山形から出発して、直ぐに期待感が生じました。国道13号線を通行している間中に霧が立ち込めていたからです。

「峠の道で雲海が見られるかも」

 13号線から峠に向かう県道を昇っているうちに、霧が薄くなってきます。益々、気分は高揚します。中沢地区のビューポイントから眺めたのが次の写真です。やはり雲海がありました。しかし、中沢地区の切りは薄くなっています。午前中であっても既に10時です。

 遥か向こうには、朝日山系が真っ白い屏風を拡げていました。これを見たかったのです。これを見ると本格的な冬を感じることができます。もう大朝日には登れません。などと格好をつけても、雪があるなしに関係になくもうこの体力では甚だ困難です。右の黒っぽい山は葉山ですが、手前の岩神山が邪魔して全景は見えません。

 

 先ほどの写真では見にくいので、朝日山系のさらに左に見えた飯豊山系を拡大しました。この場所からは100km近くも離れていますので、画像は不鮮明です。空気が澄んでいる早い時間帯ならば、もっと鮮明に撮れるかもしれません。より厳しい冬を感じさせる絵になるはずです。

 

 峠に向かう道は、大方、雪はありませんが、日陰になつている時間が長い路面には雪が残り、さらに凍っています。踏むとパリパリと乾いた破壊音がしました。山の上の方はかなり冷えたようです。

 

 峠に着いて振り返ると、甑岳が見下ろしています。山腹には雪が積もっています。

 

 村山市方面の雲海が岩神山の向こうに見えます。

 峠まで来ると、葉山の全景を見ることができます。山頂部分が真っ白です。標高1,462m、一見して登り易い様にも見えますが、一般的には中級の困難度でしょうか。それでも私には既に困難極まる山になってきました。でも、これほどに美しいと登りたくなります。

 

 枯れたヨモギにカマキリの卵がありました。カマキリはその年の積雪量を予測してその上に産卵するなどという説を聞いたことがあります。もっともらしい御説ですが、降雪量がどんなに少なくともヨモギは雪の重みで倒れ、カマキリの卵塊は雪に埋もれます。この御説が正しければ、雪国にカマキリがいないはずです。畑沢のカマキリは雪に負けません。

 

 峠には大きな石仏のような工作物が置かれています。大分、前からの物ですが、いつも不思議に思っています。「通行止め」の看板があります。通行止めは上り口で行うものだと思います。峠では役に立ちません。工作物の上部にクレーで吊り下げる鉄製のフックが付いています。さすがに人力では無理です。これほどに大きいと大きなクレーンが必要です。それだけ費用が必要になります。峠の謎です。

 

 頭上で小鳥のさえずりが聞こえます。初冬の山では、しばしば小鳥の群れと出会います。シジュウカラなどのカラ類だそうです。この時のカラはヤマガラです。群れと言うにはほど遠く、3匹だけでした。止まっている木はミズキです。ヤマガラはこの木の実が好きなようで、口にくわえています。飛び立ったら撮影を止めようとしたのですが、一向に立ち去ろうとしません。私が痺れを切らしてしまいました。

 

 峠を降りる途中、最上町の禿岳が見えました。ハッキリ・クッキリ。日本海からの季節風は、鳥海山系で大量に雪を搾り取られ、さらに神室山系でも雪をせがまれて、奥羽山脈の禿岳に運ばれる雪はぐっと少なくなっています。まだ白さが足りません。この山が真っ白になると真冬の厳しさを感じます。

 

 畑沢での作業を終えて、再び峠に戻ったのは午後4時少し前です。夕日を見たかったのですが、まだ日が高いようでした。しかし、稜線上に雲が広がって、中途半端な光線です。残念、今年は峠の「美しい夕焼け」は、とうとう撮れずじまいでした。

 山形県のホームページによると、峠の道路閉鎖は来年の5月31日までだそうです。実にまるまる半年間です。12月の閉鎖は降雪が本格化する時期なので納得できます。しかし、通行が開始される6月1日は、とうに積雪期を過ぎた初夏です。五十沢から畑沢へ越えてくる峠の道は4月中に通行可能です。昔でも背炙り峠は春のゴールデンウィークには峠を通ることができました。峠の通行を待ち遠しく思っていました。今は昔よりも冷涼化したのでしょうか。こんなことを何年も繰り返すことが不思議でなりません。6月から開始する工事に繋げようとしか見えません。

 今年はコロナ関連での予算確保のためと思われる事情で夏季の工事がなかったので、峠の通行が確保されました。来年は再び夏季の長期通行止めが行われるのでしょうか。安全確保のための工事は必要です。真っ先にやってほしい峠の工事もあります。それを通行も確保しながら工事を進める方法があります。そろそろ目を覚ましてほしいものです。何のための道路かに目覚めてください。


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