ひろしま美術館で開催中の『ピカソ展〜青の時代を超えて』を見に行きました。
ピカソ展は以前に東京で「幻のジャクリーヌコレクション」を見に行ったのですが、今回は全く違った内容の展覧会でした。
以下HPとチラシの案内文より。
【転載開始】
誰もが知る天才画家パブロ・ピカソ(1881-1973)。彼の作品は時代ごとに様々に変容し、91年の生涯を通して10万点近くの作品を残したことで知られています。20代前半の若きピカソは、青色の絵の具を用いて人生の悲哀や葛藤をメランコリックに描きだし、この数年間は「青の時代」と呼ばれました。その後ピカソは、彼の原点とされるこの「青の時代」を超えて、実験的なキュビスムの探究、さらに円熟期から晩年へと生涯を通じて様々な試みを行っています。
本展覧会は、国内でも屈指のピカソ・コレクションを誇るポーラ美術館とひろしま美術館の共同企画展です。二館の珠玉のピカソ・コレクションに、それぞれの時代を彩る国内外の貴重な作品群を加えた約70点の作品で、ピカソの幅広い創作活動を紹介します。また本展では、両館がこれまで欧米の美術館の協力を得て深めてきた最新の科学技術を用いた調査や研究を通して、ピカソの制作のプロセスに焦点を当て、20 世紀の巨匠が遺した創造の軌跡に迫ります。
【転載終了】
今回一部を除いて写真撮影可能だったので、写真も載せてみます。
ピカソの20代に始まる「青の時代」。それは本人によれば親友の死をきっかけにしたものと言われているそうですがその時代、「青」という色を通してピカソが「貧困」「孤独」「悲しみ」そして「母性」といった人々の内面を描き出すことに注力していたことがうかがえます。ピカソが当時影響を受けていた、バルセロナの画家、サンティアゴ・ルシニョとラモン・カザスという2人の作品も同時に展示されていることによって、ピカソの絵がどのように変化していったかもうかがい知ることができました。
「青の時代」から「バラ色の時代」、そして「キュビズム」に至る変化。
その間に制作された、数々の版画、彫刻、パステル、などなど。
そして今回、X線撮影によって明らかになった、完成した絵の下に描かれていた別の絵。
天才、巨匠と言われたピカソも若き日、困窮の中で、カンヴァスを再利用しながら何点もの作品を模索しながら描いていた様子も知ることができます。
ピカソが長い人生の中で出会う女たちや多くの画家たちから影響を受けながら、そして2つの世界大戦の中を生き抜いて、命の危険が及ぶ中でも決して制作を止めなかったこと。
日記のように絵を描いたと言われるピカソでも、当然そこには人間ピカソとしての幸福と苦悩があり、それをそのまま作品へエネルギーとして注ぎ込み続けたこと。
だからこそその作品が多くの人々の心を打つのかもしれないなあと改めて思います。
ひろしま美術館、ポーラ美術館、バルセロナ・ピカソ美術館はじめ、国内外の重要作品約70点を集めた展覧会。
とっても見応えがありました。
音楽も絵画も、自分の内面を見つめてそこから何かを創り出すもの。
ピカソの情熱に触れたことで私ももっともっと作品を作りたいと改めて思いました。
ますます精進します!!
図録もとっても良かったです。
ひろしま美術館で買いそびれてレクト広島で買いました。
『ピカソ展ー青の時代を超えて』はひろしま美術館にて5月28日まで。
会期中にもう一回行きたいと思っています。
皆さまもぜひ!!