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墓参りの後、長野県阿智村にある「満州開拓平和記念館」に行くつもりだった。高速で引き返せば、恵那山トンネルを抜ければ阿智村。
あっという間の距離だが、Mさんが、下道で旧中山道の名残が残る馬籠宿やら、妻籠宿などの山越えの道も良いぞと教えてもらった。
時間はたっぷりあるので、古道ドライブであった。
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ハイキングしながら、この古宿場巡りをしている人が多いのにちょいと驚いた・・・・やってみたいが、ここは沖縄より遠いぜ!
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旧中山道を時々またぎながら、谷あいの舗装道路は進む・・・・石畳が部分残されたり、復元されたりと、ウィキにあった「石畳の敷かれた坂に沿う宿場で、馬籠峠を越えた信州側の妻籠宿(長野県木曽郡)とともに人気があり、多くの観光客が訪れる。石畳の両側にお土産物屋がならび、商いをしていない一般の家でも当時の屋号を表札のほかにかけるなど、史蹟の保全と現在の生活とを共存させている。ほぼ中間地点に、旧本陣であった藤村記念館(島崎藤村生家跡)がある。」という、昔を忍べる良き場所であった。
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景色を楽しみながら、1時間半ほどで、阿智村、記念館についた。僕は、2度目の記念館である。
群馬に駅馬開拓団という満州開拓の団があった。
現在前橋市にあたる村から、農家の次男三男そして女子をつれて、満州開拓へ・入植の地は吉林省磐石県駅馬。
昭和20年には、すでに国民を見捨て、守る兵隊の居なくなった地から、日本への逃避が始まった。
入植者579名・その内102名死亡・未帰還29名・命からがら日本の土を踏んだもの448名であった。生存率はかなり高い。読みやすく、この団についてかなりのページが割いてあるので、興味のある方は角川文庫(今は絶版かもしれないが、ネットで見つければすぐ手に入る)「墓標なき八万の死者」ってのを読んでほしい。
この団の団長であった者の末裔が僕の女房なわけだ。おじいさんが団長の清水圭太郎であった。
そんな縁で、女房はどうしてもここに来たいと思っていたようである。女房は1日で2つの念願成就であった。
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加速度をつけ入植者が増えていったのがわかる。
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そして、ここ、長野県は突出して出て行った人が多く、帰らなかった人もそれだけ多い。
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あるいて2分ほどか?長岳寺という武田ゆかりの寺がある。
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こんなくだりだ。
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そして、ここは、残留孤児を帰還させる、そして再び戦争を起こさず日中友好をと、奔走した先代住職山本慈昭氏の寺でもある。
「望郷の鐘」という映画がブレイクしたが、その主人公である。
遺骨収集であれ、残留孤児の問題であれ、最初に民間が動き、苦労を重ねてやっと国が動く・・・21世紀になっても全く変わらない姿だ。
こんな映画だった・・・クリック!
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女房は鐘をついた・・・・
記念館でまたもや思ったのだが、開拓の苦労そして、敗戦濃厚になって守るべき軍隊はさっさと逃げた満州からの惨状を嘗め尽くした帰還。多くの同胞の死・自決など、そこかしこに表現されている。おそらく、この国でもっとも纏まって、立派な満州開拓に関する記念館だ。
だがしかし、満州開拓は明確に(行った貧しい農民たちが意図しなかったかもしれないが)侵略である。沖縄の米軍基地のごとく、現地の農民をだまし・あるいは強制的に土地を収奪し成り立った行為だ。(そうせず、五族協和の理想の元現地の人達とある意味力を合わせ開拓した団もあったことは知っているが、極めて少数だ)
極めて自らの悲惨を語り表現するなら、同じ量の現地で行った侵略・略奪・それが生んだ悲劇を語るべきだ。表現するべきだ。
そこが、まったく、この記念館には足りない。それなくして、「平和記念館」足るだろうか?
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すぐそばに清流・阿智川の流れがある・・・石はほとんど御影石で、石英長石分の多い白が引き立つ。
釣り人がヤマメを追っていた。道具持ってくればなぁ・・・と、思った次第。
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土の成分も白い石の成分が混じるのかなぁ‥つくしは妙に色白だった。
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記念館から10分ほど。昼神温泉郷ってのがある。ネットで、一番安い旅館(ホテル?)を取った。
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サービス・料金・部屋・・・満足だったなぁ。
運転の疲れで、7時のゆうはんを食べたら、体はヘロヘロだった。
夕飯前に風呂には入ったので、たぶん8時前には爆睡だったようだ・・・
この「昼神温泉郷」はあの笠木さんとの「大望年会」の時からお気に入り。
さびれた感が全くなく、阿智川沿いの遊歩道もいいし、朝には広場で朝市もやってるのだ・・・(ついに「へぼ」購入!)
その朝市で女房はいろいろこうて、最後には手作りの「お獅子」を何故か購入・・・
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晴天の2日間・・・高速道路からのアルプスの眺めは、素晴らしい!すべて見えないのだろが、3つのアルプスがあるんだろう?
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常念岳がそびえていたぜ。