時々雑録

ペース落ちてます。ぼちぼちと更新するので、気が向いたらどうぞ。
いちおう、音声学のことが中心のはず。

実用化が待ち遠しい

2012年03月07日 | ことば
きのう、Wired.comをのぞいたら、Japanese Speechを見出しに含む記事がありました。

New Video Shows Japanese Speech-Jamming Gun in Action


日本のお二人の研究者が開発した、Speech Jammerと命名されたこの装置、文字通り「しゃべりを妨害する(邪魔する!)」ためのもので、記事がリンクするYou Tubeビデオによると「ずっとしゃべり続ける不愉快な人間を話せない状態にする」のが目的。この技術はどもりの人たちの治療用に既に実用されているもので、話したことを録音して、タイミングを遅らせて本人に向かって返してやると、通常どもりの人たちは話しやすくなるのだけれど、その症状がない人は逆にどもってしまう。「しゅ、しゅ...」と、どもって立ち止まったところで、周りの白い目に気づいてもらいましょう、という意図らしいです。直接、物理的な力を加えたりしないので、身体的な害はなく、でも、離れたところからでも効果あり。

Wired.comだけじゃなくてFoxも記事にしたので、見つけて面白がっている米国人もいるようで、You Tubeのビデオも見つけました。「これスゴイだろ?」と紹介しているだけですが、かなり下品な英語を(たぶんわざと)使ってて面白かった。

Wired.comの記事では、悪用されることも心配していましたが、真剣な目的で実用化されるような気はしません。開発者の原論文(Wired.comの記事にリンクあり)は読んでませんが、自分が生成している音声をモニターする認知過程の研究の一環で、ちょっとした遊び心で試作したもので、ヘリウムボイスになる缶みたいに、おふざけ用のパーティーグッズというところに落ち着くのではないかと。でも実は個人的に、これ、欲しいかも。今はまだプロトタイプ。早く実用化して。。。

追記:日本語版、原論文を見たところ、開発者さんたちは...本気らしいです。失礼しました。