「指揮者の長所」を余すところ無く引き出したマーラー同日対決! 都響第1番「巨人」 vs. N響第9番
これほど素晴らしい「マーラー演奏」を1日に2回聴ける時がやって来るとは、私高本は想像もしていなかった。演奏家の皆様には感謝するばかりである!
上原彩子ピアノ + インバル + 都響:ベートーヴェン ピアノ協奏曲第2番
インバル + 都響:マーラー交響曲第1番「巨人」
プレヴィン + N響:マーラー交響曲第9番
の順に1日で聴いたが
群を抜いて素晴らしかったのは、ベートーヴェン ピアノ協奏曲第2番であり、原動力は『上原彩子のベートーヴェン造形力』の卓越した構想と感性とリズム感を武器とした技巧!
であったことを冒頭に述べて置く。
ベートーヴェンの「跳ねるリズム感」がこれほど表現できているのは、グルダ、ゼルキン くらしか思い浮かばないほど!
である。曲がトランペットもティンパニもクラリネットも使用していない小規模な曲なので、終演後のブラヴォーは(多かったのだが)マーラー「巨人」の「ブラヴォーの嵐」状態には至らなかったが。
上原彩子 には、「ベートーヴェンピアノ協奏曲全曲」「ベートーヴェンピアノソナタ全曲」を演奏と録音の両方で大いに期待したい!
これから30年の「ピアノ協奏曲界」を(ロシア物だけでなく)牽引してくれる超大型ピアニストであることを確認した演奏会となったことに感謝する。