詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

修学旅行の夢

2019年06月01日 | 犯罪

ぼくの夢はいつもカラーで
音が聞こえたり匂いや触感さえもある
時には空からの墜落感や
性的な満足感さえも

時には
泣き叫んだり
蹴りを入れたり
目一杯殴りつけたり

昨夜修学旅行の夢をみた
好きだった娘が
行かないというので
もうどうでもいいなとぼんやりしていた

バスが次々と発車してゆくので
行き先を確かめずに乗車したら
なんと!
琵琶湖一周のバスなんだとか

「北海道行きのバスはないのか?」と
誰彼となく聞いて回る
北海道から京都へと修学旅行に来たはずなのに
みんな気違いを見る目で
くすくす ざわざわ・・

また危なく
ガラスを殴りつけて
壁やベットのフレームで
指を骨折するとこだった

古い詩

2019年06月01日 | 犯罪
   三月

大好きな三月が遠ざかってゆく
「三月がいちばん好きな季節」と
君がつぶやいたから
故郷が三月の水底に

溶け始めた雪の間からきらりきらきら
光の素足が行きかい
川面がまた今年も顔をのぞかせる頃になると
「福寿草を採りに行こう」と父が呟く

残雪でまだらになった丘を
いくつもいくつも越え
風の橋をいくつも渡り

ああ 今年もやっぱりだ
同じ川のほとりから
頭をのぞかせている福寿草の蕾たち

「みて!」と
従姉妹の君が指差す先の森には
まるで絨毯みたいな片栗の群落が
風の中でひっそりとワルツの練習中



   匂い

どっちもこっちも
満開の桜の咲く丘を歩いてゆくと

右足になんだか変な感触
鼻を擦りつけてくんくんといってるのは誰だ!
「変態野郎?」なのか

「誰だお前は!」と振り向いたら
赤い毛糸の帽子を被ったまん丸眼のお婆さんと
散歩中のえらい多毛の小型コリー犬

「コリーだったのか!」と
逃げるようにあたふたと歩き出す
一昨日のまんまの
かなり臭う靴下に顔をしかめながら


   まんまる

まんまるは子供たちの笑顔そのもの
変わることのない太陽
生き死にを左右する月や星々の巡り
雨上がりの虹がそっと丘から架かる頃には

まんまるい空から
墜落してきたばかりみたいでいて
まるで雨の滴みたいにきらきらした
子供たちの笑顔が坂を降りてくる

学校帰りの小学生たちに道を聞いたら
それをメモするぼくの手帳を覗き込んで
「その字の書き順違うよ!」と
わいわいがやがや

「そんなら正しい書き順を書いてくれる?」と聞く
ぼくの手帳に どの子も
てんで出鱈目な書き順の子供たち

ぼくは苦笑いしながら
「学校で先生にもう一度聞いてみた方がいいよ」と
のたまって大笑いする

見上げる夕空には
行き場を失った
はぐれ雲があちこち行ったり来たり