先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

エベレストも登山ラッシュで死亡多発!

2019年05月28日 23時48分58秒 | 日記

BBCによると、写真のように登山者ラッシュで、世界最高峰エヴェレストで今季、登山者の死亡事故が多発している。富士山も登山者が増えているとかでごみ捨てなどが深刻になっているし、挙句の果て、5合目までに鉄道を作る話まで飛び出している。両方とも同じような、観光ブームによるものか?

 


Image showing queue of climbers toward summitImage copyrightAFP/ PROJECT POSSIBLEImage captionエヴェレスト山頂付近で発生した長蛇の列

エヴェレスト登山での死者数は、過去20年間、年平均6人ほどで推移してきた。ところが、今年はすでに少なくとも10人が死亡または行方不明となっている。

ネパール政府は今季、過去最多の381件のエヴェレスト登山許可証を発行した。約600人の登山者が山頂を目指したとみられている。

死亡事故多発の原因として、以下の4点が考えられる。

(1)好期を逃した

エヴェレスト登山者の多くは、5月初めからネパール・ヒマラヤ地方のベースキャンプに集まり出す。

今年はサイクロン「ファニ」の通過後に天候が悪化。ネパールの山岳当局は、最低でも2日間はすべての登山を中止するよう指示を出した。

エヴェレスト山頂付近には登山者の安全のためロープが張られているが、悪天候の影響で、そのロープの修理が終わったのは5月中旬だった。

修理の終了後、最初に良い気象条件が揃ったのは5月19~20日。しかし、この日に山頂を目指した登山隊はわずかで、大多数の登山隊は次に好天に恵まれた同22~24日に山頂にアタックした。Presentational white space

(2)「交通整理」する人がいなかった

今季、山頂付近が最も混雑したのは5月23日だった。この日だけで250人以上が山頂を目指したとされる。

山頂近くでは大渋滞が発生。登山者たちは何時間も待つはめになった。登りだけでなく下りも同様だった。

待っている間に体力を消耗し、酸素ボンベの酸素は減少。これが登山者たちを危険な状態に追い込んだ。

エヴェレスト登山に関するネパールの規則では、登山隊には政府職員などの連絡官が付き添い、現地でさまざまな調整に当たることになっている。

今季は59人が連絡官に任命されたが、実際に最後まで登山隊に付き添ったのは5人だけだったとされる。ベースキャンプで数日過ごしただけで帰宅する人が多く、中には最初から現地に姿を見せない連絡官もいたという。

もし、これら連絡官の多くが現地に入っていれば、5月19~20日に山頂を目指すよう登山隊に働きかけ、同22~24日の混雑を緩和することができたと指摘されている。Presentational white space

(3)経験の浅い登山者が増加

山岳専門家たちによると、経験の浅い登山者がエヴェレストを目指すケースが増えているという。

そうした登山者からなる登山隊の多くは、シェルパ(山岳ガイド)を1人しか連れていないと、山岳当局者は指摘する。

「今回のように危険に直面した時、シェルパ1人では十分な支援はできない。シェルパも自分自身の身を守るからだ」

エヴェレスト登頂から無事に下山した登山者たちは、酸素ボンベの酸素が切れそうになって苦労している登山者を複数目撃したと話す。

「山頂に登り、帰国して自慢しようと考えている新世代の登山者たちは、エヴェレスト登山と(標高が世界第5位の)マカルー登山の違いさえわかっていない。個人の寄せ集めで作られた登山隊に適当に加わり、登山用具を共用しながら個人として山頂を目指す。『独立している』という言葉の意味を理解していないし、リスクを評価できるだけの経験もない」と、経験豊富な登山家で著述家のアラン・アーネット氏は話す。

ベテラン登山家たちは以前から、6000メートル級以上の山を登った経験があるなど、一定の基準をクリアした人しかエヴェレスト登山を許可しないようにすべきだと、ネパール政府に提案している。Presentational white space

(4)未熟なガイドが増加

登山者をエヴェレスト山頂へと案内するガイド業者間の競争が最近、激しさを増している。

新規参入業者には、低料金で客を取ろうとするとことも少なくない。そのため、古くからあるガイド業者も値下げせざるを得ない状況が生じている。

「その結果、経験が浅くて、今回のような危険に直面したときに正しい指示を出せない人たちをガイドとして雇う業者が出てきている」と、ネパールの山岳ガイド連盟の幹部は指摘する。BBCに

B

一方、業者側からは、来年がネパールへの観光客を200万人にする「ヴィジット・ネパール・イヤー」となっていることから、もっと多くの登山者を受け入れる使命があるという声が上がっている。