先端技術とその周辺

ITなどの先端技術サーベイとそれを支える諸問題について思う事をつづっています。

よく悪口を言う人ほど「不幸になる」

2020年08月16日 08時36分11秒 | 日記

「悪口を言う人」の心理

アメリカの心理学者であるレオン・フェスティンガーの言葉にもあるように、人間はついつい他人と自分を比較してしまう生き物です。

とくに日本人の場合、集団での和を乱さないためにも、他人の顔色をうかがう、他人の行動や言葉に目を光らせ、自分と比べるなどの傾向が強いと言えます。

コロナウイルスの流行に伴ってあらわれた「自粛警察」と呼ばれる人たちも、自分は自粛のルールを守っているのに、それを守ろうとしない奴がいるという怒りが行動の元になっている。つまり、「他人と比較してしまう心理」が原因にあるわけです。

人間は、他人と自分を比べたときに自分が優れていると「優越感」を抱きます。その逆に、自分が劣っていると感じたときに「劣等感」を抱きます。

劣等感は強烈なネガティブ感情なので、それを何とか払拭したいという衝動にかられる。それを、悪口や誹謗中傷という形で発露したくなるのです。

悪口や誹謗中傷を言うことで、相手をおとしめることができます。自分対相手との比較において、相手を引きずり下ろすことによって、自分の価値を相対的に高めることができる。それによって、内なる劣等感を緩和しようという心理が働いてしまうのです。

最近「自己肯定感」という言葉をよく耳にしますが、自己肯定感が低い人ほど自分に自信が持てません。そういう人は、自分対相手との比較において、自分が劣っていると感じやすい傾向があります。だから、実は自己肯定感の低い人ほど悪口を言う傾向にあるのです。

自己肯定感が高い人は、自分の考えや行動に自信を持てます。他人にとやかく言われても、その考えや行動はゆらぎません。相手と自分をいちいち比較することもなければ、悪口を言うこともないのです。

ここまで理解できると、もしあなたの周りに悪口好きな人がいたとしても、「自己肯定感が低いとっても残念な人」なんだなと上手に聞き流すことができるはずです。

悪口は「依存症」である

一方で、悪口が好きな人はなぜそれをやめられないか? それは「悪口は依存症である」と考えると、非常に腑に落ちます。

誰かの悪口を言うと、やる気や快楽に関与するホルモン「ドーパミン」が放出されます。ドーパミンが出ると楽しい気分になります。だから、悪口を言うことは基本的に楽しいことなのです。

しかし、ドーパミンはよくばりな脳内物質でもあり、一度放出されると「より大きな刺激」を求めるようになります。つまり、悪口の回数を増やしたり、より過激な悪口を言わないと、新たにドーパミンが出ず、楽しい気分になれなくなってしまうのです。

結果、悪口を言うことが癖になって、なかなかそれを改善しづらい状態に陥ります。悪口を言えば言うほど深みにはまってしまう。これはアルコール依存症や、薬物依存症と同じ原理です。かくして「悪口は依存症」と言っても、遜色ないのです。

多くの人は、悪口は「ストレス発散になる」と思っているでしょうが、実際は逆です。悪口はストレスを増やします。最悪の場合、脳を傷つけ、寿命を縮める危険性もあります。

東フィンランド大学の研究によると、世間や他人に対する皮肉・批判度の高い人は認知症のリスクが3倍、死亡率が1.4倍も高い結果となりました。批判的な傾向が高ければ高いほど、死亡率は高まる傾向にあったそうです。

また、悪口を言うと、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されます。コルチゾールというのは、ストレスを感じたときに放出されるホルモン。先ほどドーパミンが放出されると言ったので快楽を得ていると思いきや、悪口を言っているときは同時にストレスも感じているのです。

心理学の法則で「返報性の法則」というのがあります。人は誰かに親切にされたとき、「その親切をお返ししないといけない」という気持ちが湧き上がる心理です。

 

「好意の返報性」を上手に使うと、あなたの信頼度を高め、人間関係を深めることが可能です。しかし、残念なことに世の中の多くの人は、「悪意の返報性」を使っています。

ネガティブな感情に対しては、人はネガティブな感情を返したくなるものです。「倍返しだ!」とやり返してしまうのが、正に「悪意の返報性」。そして人に悪口を言うと、やはり「悪意の返報性」で悪いものが帰ってくるのです。

「本人がいないから悪口を言っても大丈夫」と思っていても、あなたは「よく悪口を言う人」と周りにネガティブな印象を植え付けてしまいます。いつ自分に矛先が向かうかわからないので、周りの人たちは悪口を言う人を心から信頼しないでしょう。

悪口から卒業する唯一の方法

健康を害し、信頼を失う悪口をやめるにはどうしたらいいでしょうか? いちばんの近道は「自分を褒める」ことです。悪口を言う人は、自己肯定感が低い人。つまり、自己肯定感が高まれば、悪口は自然と減っていきます。

気に入らない相手をおとしめるのではなく、自分を高めることによって、相手と自分のギャップを埋めればいいのです。自分のささいな成功を独り言でいいので、褒めてみる。褒めるのが無理なら、ネガティブをポジティブに置き換えるだけでもいいでしょう。

例えば、同期入社のAくんが自分より先に昇進した場合。「たいした能力もないのに、先に昇進しやがって!」(ネガティブ)と言いたいところを「俺も頑張って、すぐに追いつくぞ」(ポジティブ)と言い換えたり。

自分の中でポジティブな言動を積み上げることで、自己肯定感が高まり、怒りや嫉妬、不充足感が満たされ、ネガティブな感情を抑えることができます。結果、悪口や誹謗中傷から卒業できるわけです。


SaaS企業、自治体・中小企業のDXで成長

2020年08月14日 08時43分47秒 | 日記
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日経によると『SaaS企業、自治体・中小企業のDXで成長 クラウド経由 業務ソフト安く早く』と目の付け所の良いソフトハウス、着実に成果を上げているという。会計ソフトのFreee 時価総額が2600億円にもなっているというから驚き。長く、無料(Free)で使える経理ソフトを提供していたが、着実に成果を上げていたのか!

 

従来は対面だった営業もオンラインに移行した(ベルフェイスのオンライン営業)

従来は対面だった営業もオンラインに移行した(ベルフェイスのオンライン営業)

ソフトウエアをクラウド経由で提供する「SaaS」企業が、新型コロナウイルス感染拡大の中で成長している。文書などのデジタル化を迫られる自治体や中小企業を支援する新興企業が各地で顧客数を伸ばす。大企業向け事業を続けてきたシステム大手を横目に、機動力を生かし法人向けIT(情報技術)サービスの世界で存在感を増す。

■7月の売上高5倍に

行政手続きの効率化サービスのグラファー(東京・渋谷)には3月以降、自治体からの問い合わせがやまない。同社は住民票の請求などの手続きをスマートフォンで可能にするソフトを提供する。横浜市は5月、グラファーと組み新型コロナ関連の融資に必要な申請をオンライン化した。

グラファーの石井大地最高経営責任者(CEO)は「クラウドなら自治体ごとの作り込みが不要で、素早く導入できる」と話す。企業向けには融資を受ける際などに使う登記簿謄本や印鑑証明書をスマホから取り寄せるサービスを提供し、1万6千社が利用した。7月の売上高は前年同月比で5倍以上という。

■SaaS 「ソフトウエア・アズ・ア・サービス」の略で、サースと呼ばれる。従来の大企業向けシステムは顧客ごとに作り込み、導入や大規模な更新に時間がかかることが多い。一方、SaaS利用には大規模システムは不要で、ネット経由でソフトの機能を使う。月や年ごとに定額を支払うサブスクリプション型のため、会計、営業など領域を絞り初期費用を抑え、自治体や中小企業でも導入しやすいのが特徴だ。

 

 

■コロナ下の「非接触」追い風

近年は専門分野の人材不足や非効率さが残る部門の効率化の手段として急速に普及していた。ベンチャーキャピタル(VC)、BEENEXT(シンガポール)の前田紘典マネージングパートナーは「人手不足の日本こそSaaS企業が生まれる土壌がある」と話す。

そこにコロナ下でデジタル技術で事業を変革するデジタルトランスフォーメーション(DX)の波が広がり、SaaSには追い風となる。クラウド会計のフリーの佐々木大輔CEOは「遠隔で働ける環境づくりへの投資が進む」と語る。

同社のソフトは銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取得し、人工知能(AI)が項目を自動で仕訳する。領収書をスマホで撮影するだけで遠隔で経理作業ができる。中小企業や個人事業主が使い、有料契約する事業所は6月末に22万4千と1年で4割増えた。

企業が「非接触」シフトを進める中、営業や会議のオンライン化を支えるのもSaaSだ。

営業システムを提供するベルフェイス(東京・渋谷)のサービスでは携帯電話で会話しながら、パソコン画面で商談ができる。優れた営業担当者の商談風景の社内での共有、会話データの検索も可能だ。有料の契約数は7月までに累計2千社に達した。

米国では電子署名のドキュサインなど代表的な企業の顧客数が伸びる。ビデオ会議のズーム・ビデオ・コミュニケーションズの1日当たりの会議参加者はのべ3億人に増えた。ズームのセキュリティー面の懸念に対しては、暗号化などの変更をサービス提供側が柔軟にできる強みが生きた。

■株式市場、VCも期待

投資家もSaaS企業の成長に期待を寄せる。サブスクモデルが基本で、サービスが解約されない限り一定収入が見込める。開発費や販促費への投資が先行する間は赤字が膨らむが、粗利率は高く中長期の収益が見通しやすい。

国内で時価総額が大きいSaaS関連6社(フリー、ラクス、マネーフォワード、インフォマートSansanサイボウズ)の7日時点の合計の時価総額は19年末比で22%増えた。米国ではセールスフォース・ドットコムの株価が6日に上場来高値を更新し、時価総額は1800億ドル(約19兆2千億円)を超えた。ズームやドキュサインも最高値圏にある。

VCも投資拡大に動く。ワン・キャピタル(東京・港)とBEENEXTはそれぞれ日本企業に特化した50億円ファンドを立ち上げた。ワン・キャピタルの浅田慎二代表は「SaaS企業は業績が予測しやすく、相対的に不況時に強い」と説く。人事、営業などホワイトカラーの生産性の低さが指摘された日本には拡大の余地があるとみる。

 

 

 

■新興勢、大手の間隙突く
 米調査会社ガートナーによると、20年の世界のSaaS市場は1046億ドル(約11兆円)ある。先行する米国では、従業員数1千人以上の大企業で1人あたり10以上のSaaSを利用しているとの調査もある。セールスフォースなど米国企業が世界市場をけん引してきた。
 富士キメラ総研(東京・中央)の予測では国内市場は23年度に約8200億円と19年度から45%増える。パッケージ型ソフトに匹敵する規模だ。
 パッケージソフトの売り切りモデルを脱した米アドビのような老舗の大胆な転換の成功例もある。同社は13年にSaaSに一本化を宣言して以降、業績が伸び株価は13年末の7倍だ。独SAPも近年はSaaSシフトを進める。
 一方、日本ではNECや富士通などシステム大手の動きは鈍い。大手は顧客から一手に開発を担い、要望に合わせた高額な業務用ソフトを作り込む「ご用聞き」が基本だった。中小企業相手のSaaSはすぐに収益化が難しい面もある。新興勢は領域を絞り込み、大手の間隙を突いて市場を切り開いている。

中国 ハイテクで存在感 シェア首位12品目、日本抜く

2020年08月13日 12時19分15秒 | 日記

日経によると、『中国 ハイテクで存在感 シェア首位12品目、日本抜く』。最近の中国を見ると、中華思想一辺倒で、世界各国とフリクションばかし起こしている。同じアジア人が頑張っているという思いにはなれない。

以下、日経の記事:::::::::::::

内需をテコに、世界のハイテク市場で一段と存在感を高めている。日本経済新聞社がまとめた2019年「主要商品・サービスシェア調査」で、中国は電子部材など前年より2品目多い12品目でトップシェアを獲得した。日本を逆転し、国・地域別で2位になった。米中対立の逆風下でも中国企業は価格競争力を生かして、25品目でシェア首位の米国勢を追っている。(詳細を13日付日経産業新聞に)

 

 

 

 

イブニングスクープ

翌日の朝刊に掲載するホットな独自ニュースやコラムを平日の午後6時ごろに配信します。

調査対象は74品目。このうち中国勢は、スマートフォン向けの中小型液晶パネルと電気自動車などにも使うリチウムイオン電池向け絶縁体で、いずれも日本企業から首位を奪った。中小型液晶で京東方科技集団(BOE)がジャパンディスプレイを、スマホや電気自動車に搭載されるリチウムイオン電池の性能を決める絶縁体では上海エナジーが旭化成をそれぞれ上回った。

パソコンではレノボ・グループがシェア24.2%と18年比1.2ポイント伸ばして、18年に同率首位だった米HPを超えた。

米政府が事実上の禁輸措置などをとった華為技術(ファーウェイ)も勢いを保った。スマホのシェアを17.6%と2.9ポイント伸ばし、初めて米アップルを抜いて韓国サムスン電子に次ぐ2位についた。米調査会社IDCの最新統計では、ファーウェイのシェアは2020年4~6月期に20.0%と前年同期比2.3ポイント増えて四半期ベースで初の首位に躍り出た。

5年前のスマホ市場はサムスン電子とアップルで39%の世界シェアを握り、ファーウェイは5%台にすぎなかった。19年はファーウェイと小米(シャオミ)、OPPO(オッポ)の中国3社で計35%を占め、主役は交代しつつある。

携帯電話の基地局でも、首位のファーウェイは19年にシェアを5ポイント近く伸ばして世界出荷額の3分の1を押さえた。高速通信規格「5G」投資で新興国開拓にも走り、米国などの強い警戒感につながっている。

長引く米中対立がファーウェイの逆風になった品目もある。通信機器のルーターでは、世界シェア64.7%で首位の米シスコシステムズが2位のファーウェイとの差を5ポイントほど広げた。

米国勢はサーバーやクラウドサービスなどIT(情報技術)関連の主要インフラで首位を堅持。仮想現実(VR)ヘッドセットもフェイスブックがシェアを伸ばして31.4%と、ソニーを抑えて首位に立った。

20年の見通しを各調査会社に聞いたところ、中国企業は自国の公共投資や新興国市場を取り込み、ファーウェイの携帯基地局などトップ企業のシェアは維持されるとの予測が目立つ。

ハイテク以外でも、新型コロナウイルスの流行が世界経済に打撃を与える中で中国勢が生産回復を急ぎ、シェアを上げる動きが出ている。

粗鋼生産量のシェアでは19年に2位の宝武鋼鉄集団が買収効果で5.1%と、首位の欧州アルセロール・ミタルを0.1ポイント差まで急追。世界鉄鋼協会によると、20年1~6月は世界64カ国・地域別の粗鋼生産量(速報値)で主要国では中国のみ増えた。

ただ、先行きには不透明感がある。20年は米国による中国ハイテク企業に対する封じ込めが続き、スマホや監視カメラなどで欧米の採用見送りが広がる可能性がある。21年にかけて、ハイテク分野の部品調達が厳しくなり、中国勢に逆風が強まるとの見方もある。

世界の主要商品・サービスシェア調査は各調査機関の推計を基に、18年と19年のシェアを算出して比較した。

▼調査対象の74品目 ▽音楽ソフト・配信▽ネット広告▽スマートフォン用OS▽スマートフォン▽携帯通信インフラ(基地局)▽VRヘッドセット▽スマートスピーカー▽自動車▽自動二輪▽中大型トラック▽造船▽ベアリング▽発電用大型タービン▽建設機械▽粗鋼▽液晶用ガラス▽リチウムイオン電池向け絶縁体▽偏光板▽風力発電機▽太陽光パネル▽ビール▽炭酸飲料▽たばこ▽紙おむつ▽化粧品▽衣料品▽腕時計▽スポーツ衣料品▽即席めん▽ケチャップ▽コーヒー▽茶▽医療用医薬品▽一般用医薬品▽がん治療薬▽バイオ医薬品▽後発医薬品▽医療機器総合▽画像診断機器▽循環器機器▽大型液晶パネル▽中小型液晶パネル▽有機ELパネル▽HDD▽DRAM▽NAND型フラッシュメモリー▽CMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサー▽携帯用リチウムイオン電池▽マイコン▽パソコン▽ルーター▽サーバー▽半導体製造装置▽クラウドサービス▽タブレット端末▽スマートウオッチ▽デジタルカメラ▽薄型テレビ▽インクジェットプリンター▽A3レーザー複写機・複合機▽監視カメラ▽洗濯機▽冷蔵庫▽家庭用エアコン▽セキュリティー対策ソフト▽原油輸送量▽コンテナ船▽人材派遣▽航空連合▽M&A▽国際カードブランド▽株式引き受け▽社債引き受け▽シンジケートローン
(データは2019年。人材派遣のみ18年)

世界シェア首位、日本勢7品目に減少 成長の波乗れず

2020年08月13日 12時14分19秒 | 日記

 

日経によると、主要製品・サービス74品目中、日本は7品目で韓国と並んで総合3位という。韓国の2.5倍の人口がいて、ノーベル賞受賞者も0体20数名というのに日本は一体どうしたのだろうか?経済界を見ても、政治の世界を見ても、高度成長期に育った人間が組織の動向をにぎっている。これを早急に変えないと、日本はさらに遅れた30年を過ごして、2050年からやっとこのことに気が付いて、50年かけて、復活するしかないのでは?しかし、2100年というと、地球の海洋の温度が4.8度上昇して、、まさしくノアの箱舟状態になっていて、技術や化学を考える余裕がなくなっている。

以下、日経の記事:::::::::::::::::::::::::::::::

日本経済新聞社が実施した2019年の主要商品・サービスシェア調査では74品目中8品目で首位が交代した。そのうち日本勢は4品目でトップの座を譲った。日本企業が首位だったのは7品目で、韓国と同数の3位に後退。画像センサーなどを除くと縮小傾向の市場が目立ち、成長分野における存在感が一段と薄くなっている。

旭化成はリチウムイオン電池向け絶縁体で2位に後退した

旭化成はリチウムイオン電池向け絶縁体で2位に後退した

日本勢が後退した背景には中国勢の躍進があった。中小型液晶パネルでは、18年まで4年連続の首位だったジャパンディスプレイ(JDI)が中国最大手の京東方科技集団(BOE)に抜かれた。JDIは米アップルのスマートフォン「iPhone」に液晶パネルを供給してきたが、iPhoneで有機ELパネルの採用が拡大し、逆風となった。BOEや3位の中国・天馬微電子は政府の補助金も受け、中国のスマホ向けなどで攻勢をかけた。

■電池部材、旭化成が2位に後退

リチウムイオン電池の主要部材である絶縁体では、18年に首位だった旭化成が中国・上海エナジーに抜かれて2位に、東レも韓国SKアイイーテクノロジーを下回り、3位から4位に後退した。

絶縁体は19年の世界出荷量で21%増えた。上海エナジーは中国自動車メーカーの電気自動車(EV)や上海に工場がある米テスラのEV向けにシェアを拡大。米中対立で中国企業が自国調達を高める流れもあったようだ。

 

 

発電用大型タービンでは、18年に首位になった三菱日立パワーシステムズ(MHPS)が再び米ゼネラル・エレクトリック(GE)に抜かれ、独シーメンスに次ぐ3位。電力部門の不振などで18年に3位だったGEが欧米などで新製品をテコに首位に返り咲いた。

■CMOSセンサー、ソニーが過半握る

日本勢がトップシェアを拡大して底力をみせたのが、CMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサーなどの分野だ。

 

ソニーはCMOSセンサーで車載向けなどスマホ以外の用途を広げている

ソニーはCMOSセンサーで車載向けなどスマホ以外の用途を広げている

光を電気信号に変えて映像化するCMOSセンサーではソニーがシェアを伸ばし、市場の過半を握った。スマホで2つ以上のカメラを搭載する多眼化が進み、市場は18年比23%増と成長基調が続いた。最近は得意とする高価格帯スマホの売れ行きが鈍っており、ソニーは自動運転などに使う車載向けセンサーでも事業拡大をめざしている。

液晶や有機ELパネルの基幹部品である偏光板では、住友化学グループが2割を超すシェアで首位を維持した。韓国や台湾、中国のパネルメーカーと偏りなく取引し、車載用に強いサンリッツ(富山県入善町)のグループ化なども寄与した。

自動二輪はホンダが全体の3分の1以上のシェアを確保し、2位のヒーロー・モトコープ(インド)と差を広げた。ヤマハ発動機も3位を堅持。ただ、上位5社のうち3社はヒーローを含めインド企業が占めている。

デジタルカメラでは上位5社を日本勢が独占したものの、出荷台数は22%減った。

日本企業が首位だった7品目のうち、CMOSセンサーと偏光板を除く5品目(携帯用リチウムイオン電池、マイコン、自動二輪、デジタルカメラ、A3レーザー複写機・複合機)の市場は19年にマイナス成長だった。国の支援も受けて成長分野を取りに動く中国や韓国の企業に比べて勢いに欠ける格好だ。

 

【調査対象の74品目】
 ▽音楽ソフト・配信▽ネット広告▽スマートフォン用OS▽スマートフォン▽携帯通信インフラ(基地局)▽VRヘッドセット▽スマートスピーカー▽自動車▽自動二輪▽中大型トラック▽造船▽ベアリング▽発電用大型タービン▽建設機械▽粗鋼▽液晶用ガラス▽リチウムイオン電池向け絶縁体▽偏光板▽風力発電機▽太陽光パネル▽ビール▽炭酸飲料▽たばこ▽紙おむつ▽化粧品▽衣料品▽腕時計▽スポーツ衣料品▽即席めん▽ケチャップ▽コーヒー▽茶▽医療用医薬品▽一般用医薬品▽がん治療薬▽バイオ医薬品▽後発医薬品▽医療機器総合▽画像診断機器▽循環器機器▽大型液晶パネル▽中小型液晶パネル▽有機ELパネル▽HDD▽DRAM▽NAND型フラッシュメモリー▽CMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサー▽携帯用リチウムイオン電池▽マイコン▽パソコン▽ルーター▽サーバー▽半導体製造装置▽クラウドサービス▽タブレット端末▽スマートウオッチ▽デジタルカメラ▽薄型テレビ▽インクジェットプリンター▽A3レーザー複写機・複合機▽監視カメラ▽洗濯機▽冷蔵庫▽家庭用エアコン▽セキュリティー対策ソフト▽原油輸送量▽コンテナ船▽人材派遣▽航空連合▽M&A▽国際カードブランド▽株式引き受け▽社債引き受け▽シンジケートローン
(データは2019年。人材派遣のみ18年)

ドイツで進む「新しいクルマ」のあり方 企業も市民も行政も価値観を変えた

2020年08月12日 20時32分57秒 | 日記

 

ニューズウィークが、ドイツの自動車会社が次々とカーシェアリング、クルマと人、公共交通システムと人とをつなげる革新的なソーシャル・アプリを介したいろいろなモビリティ・サービス事業を充実し始めているという。然も、単独ではなく、競争相手である自動車会社が共同でMaas事業を展開しているという。クルマを製造し販売するだけの産業の限界を認識し、デジタル・サービスを組み合わせた都市型モビリティ・エコシステムを創出することが自動車産業の生き残れる道だというわけか? MaaSはドイツで生まれたアイデアにせよ、日本の自動車会社は相変わらず、ガソリンエンジンの宣伝しか行っていない。トヨタだけが、一時期MaaSで、新しい概念を宣伝していたが、相変わらず、車単体の宣伝。多くの人は車には勝手ほどの興味は示していない。いささか日本の自動車産業、心配になる。それこそ、数十年前は日本のICT、世界の最先端を行っていた時期があったが、今は、後進国のトップを言っているという感じ。日本の自動車会社、パラダイムシフトしてもらいたいもの。

BMWとダイムラーは合弁会社を設立し、5つのモビリティ・サービスを

2019年2月、2つの大手ライバルであるBMWとダイムラーは、それぞれの都市型モビリティ・サービス事業を5つのサービスに統合する合弁会社を設立し、10億ユーロ(約1,246億円)の投資を実行した。

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019年2月、BMWグループとダイムラーAGのモビリティサービスの統合を発表するベルリンでのプレスイベント。BMW AG取締役会会長のHarald Krüger氏(左)と、ダイムラーAG取締役会会長でメルセデス・ベンツ自動車の責任者であるDieter Zetsche氏(右) (C)Daimler AG

この5つの事業内容を紹介しよう。第1は、AからB地点に移動するためのさまざまなオプションをユーザーに提供し、地元の交通機関のチケットを予約して直接支払い、カーシェアリングからレンタル自転車などを複数組み合わせて移動オプションを提供するREACH NOW(マルチモーダル)である。

第2は、電気自動車のドライバーにむけた充電サービス、CHARGE NOW(充電)である。このサービスを通じて、ドイツ国内および海外の公共の充電スタンド(25か国に100,000を超える充電ポイントがある)を簡単に見つけ、使用し支払うことができる。

第3は、スマホをタップするだけで、顧客はタクシー、プライベート・ドライバー、または最新のeスクーターなどをオファーできるFREE NOW(タクシーやライドシェア配車)である。これは、ヨーロッパとラテンアメリカで2,100万人以上の顧客と25万人以上のドライバーとつながっている。市内の交通量の削減に重要な貢献をしているサービスであるFREE NOWは、ベルリンでは、Uberを超えてタクシーやライド配車の定番となっている。

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FREE NOW(タクシー配車)のスマホ画面。出発地点から目的地までの距離、時間、料金が表示される


第4は、駐車場や路傍での駐車を簡素化した革新的なデジタル・パーキングサービスであるPARK NOW(駐車場予約)である。このサービスは、顧客に最適なパーキング・ソリューションを提供する。駐車スペースを一目で見つけ、予約し、駐車時間を指定し、チケットなしで駐車場に出入りし、キャッスレスで駐車料金を支払うことができる。

第5は、スマートフォンを使って、いつでもどこでも、自由に街中のカーシェアリング・サービスにアクセスでき、31の都市で20,000台のクルマが配置され、合計400万人を超える顧客がいるSHARE NOW(カーシェアリング)である。カーシェアリングは、車両の利用率を高めることができるため、都市の車両総数を減らすことができる。メルセデス・ベンツやBMW、ミニ・クーパーなど、ユーザーが望むクルマが選択できるのも魅力となっていて、市場のカバー範囲が拡大している。

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SHARE NOWのスマホ画面。自分のいる場所の近くに多くのクルマが見つかる

ドイツで進む「新しいクルマ」のあり方 企業も市民も行政も価値観を変え

ドイツで進む「新しいクルマ」のあり方 企業も市民も行政も価値観を変えた

ベルリンのタクシーはメルセデス・ベンツとトヨタ・プリウスに二分される。ベンツのお膝元でも、プリウスの評価は高い。写真はトヨタ・プリウス。車体にはFREE NOWのロゴがある

<ベルリンでは、数年前からMaaS(サービスとしてのモビリティ)の可能性を実感できるサービスが次々と登場している......>

ドイツには226のカーシェアリング・プロバイダーがある

人が移動する手段や、社会の交通システムと情報コミュニケーションとを最適化するのがモビリティ・マネージメントである。これは「サービスとしてのモビリティ(Mobility as a Service: MaaS)」としても知られ、より個人化された移動サービスの基盤でもある。世界中でMaaSの市場に勢いが生まれた背景には、ライドシェアリング、配車サービス、バイクやスクーターを含むカーシェアリング・サービスなど、革新的なモビリティ・サービスプロバイダーの急成長がある。

特にカーシェアリングや自動運転車をオンデマンドで手軽に利用できれば、自家用車を所有することの経済的デメリットは顕著となる。MaaSへのシフトは、シームレスに複数の交通チェーンをスマホ・アプリに統合することで、移動のすべての区間で予約とキャッシュレス支払いを一括管理できる利点がある。

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ここベルリンでは、数年前からMaaSの可能性を実感できるサービスが次々と登場している。クルマと人、公共交通システムと人とをつなげる革新的なソーシャル・アプリを介したサービスが次々に生まれ、都市のモビリティに大きな変化が到来している。内燃エンジンから電気自動車への急速なシフトも、環境負荷に配慮した次世代のクルマ社会の顕著な動向である。

中でも、自動車大国ドイツの各都市では、クルマを所有せず、クルマを複数の人と共有するカーシェアリング市場が急拡大してきた。ドイツ・カーシェアリング協会の調査によれば、現在、ドイツには226のカーシェアリング・プロバイダーがあり、国内840か所でクルマの共有(シェア)が実施されている。ドイツ国内で229万人の顧客が登録されていて、利用されるクルマは25,400台を数える。パンデミックによるロックダウンで一時サービスが休止状態に追い込まれたが、今は市内の移動や近場の旅行などのニーズに対応し復活している。

今やクルマはスマホのアクセサリーか?

ベルリンはオーガニックやビオ(Bio)食品、エコ・ビジネスなど、ライフ・イノベーション産業の中心地でもあり、循環型持続社会への取り組みは、ドイツの基幹産業である自動車産業にも劇的な変化を促してきた。この変化の主要な要因は、クルマと人を直接つなげるスマホ・アプリの威力である。個人のモビリティ・マネージメントの大半は、情報のモビリティとなり、今やクルマはスマホのアクセサリーとさえなっている。人々の新たな情報器官となったスマホは、実体経済の仲介役としてさまざまなビジネスをもたらしてきた。スマホというソーシャル・インフラこそ、既存産業のすき間に様々なビジネスを生み出すプラットフォームである。

ドイツの自動車産業界が、相次いでカーシェアリングを軸にした新ビジネスに参入した背景には、未来の自動車産業の課題が反映されている。単にクルマを個人に販売するだけでなく、クルマが社会全体の中でどう存在すべきなのか?そのひとつの答えが、カーシェアリングによるモビリティ社会の再構築なのだ。


ダイムラーのCEOであるディーター・ゼッツェ氏とBMWのCEOであるハラルド・クルーガー氏は、クルマを製造し販売するだけの産業の限界を認識し、デジタル・サービスを組み合わせた都市型モビリティ・エコシステムを創出するために、大手2社だけでなく、スタートアップとの連携を強化しようと考えてきた。ドイツの自動車メーカーは、お互い競い合うだけではなく、共にUberやグーグル、そしてテスラに挑むことを決意したのだ。合弁会社の拠点は、もちろんベルリンである。

今や世界各地に拡張しているドイツのカーシェアリング・ビジネス

ドイツの自動車メーカー大手にとって、モビリティ関連の新興企業によってもたらされた脅威は、彼らの100年前のライバルよりはるかに大きな影響を与えている。BMWとダイムラーによるジョイント・ベンチャーは、世界に約6,000万人いる彼らの顧客に向けたモビリティ・エコシステムをめざすものだ。

ドイツの主力自動車会社が世界に先がけて始めたカーシェアリング・ビジネスは、ドイツ国内にとどまらず、今や世界各地に拡張している。中でも、BMWが最初に市場参入し、現在ダイムラーとの合弁会社として運営されているSHARE NOWは、ここベルリンでは多くの支持を得ている。「フリー・フローティング・カーシェアリング」と呼ぶこのサービスは、クルマが街中のどこにでもあることを意味している。市内のどこにいても、半径200メートル以内にクルマが見つかる、というのが謳い文句で、事実、急にクルマが必要になれば、専用のスマホ・アプリで周辺のクルマを探し、スマホのアプリがクルマのキーになり、面倒な手続き不要でクルマをシェアできる。

駐車スペースも地下駐車場や専用駐車ゾーン以外なら、市内どこでも停められる。これは、SHARE NOWがベルリン市と包括的な駐車料金支払い契約を結んでいるからだ。SHARE NOWは、そのスマホ・アプリの使い勝手の良さもさることながら、1キロメートルにつき0.19ユーロ(約24円)の料金で短時間でも長時間でも乗り捨てできる。2時間で13.99ユーロ(約1,744円)、一日シェアしても24.99ユーロ(約3,116円)である。駐車代、燃料代、保険料などの諸経費も、利用料金に含まれており、その利便性が市場拡大を支えている。


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SHARE NOWで一番コンパクトなクルマ「スマート」
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企業も市民も行政も"クルマ"の価値観を変えた

ベルリン市の人口は377万人、そこに1,200台のクルマが点在しているだけで、多くの人々のクルマ利用のニーズを満たしている。実際ベルリンの街を歩いていると、このSHARE NOWのクルマによく遭遇する。従来の所有するクルマではなく、皆とシェアするクルマというパラダイム・シフトを実現するのは、簡単なことではなかったはずだ。

ベルリン市はこの新たなクルマのコンセプトを、環境問題解決や都市交通網の最適化に貢献すると判断した。道路交通法を抜本的に変え、これらの新規ビジネスの参入障壁を取り除き、かつ都市環境問題の解決に取り組むという、企業、市民、行政のそれぞれが価値共有(シェアリング・バリュー)に成功した事例となったのである。

同時に、既存の自動車産業とユーザー・コミュニティが直接つながることで、異業種とのコラボレーションも生まれている。今やクルマは、道路の上にあるだけでなく、インターネット(スマホ)の中に存在している。クルマを所有する人が減少する中、特に若者たちのクルマ離れは世界の先進国で顕著となっている。クルマが所有するだけの選択肢に留まっていたなら、若者たちはクルマの免許すら取得しないかもしれない。

しかし、クルマをシェアする時代が到来したことで、若者たちはクルマの免許を取得しようとする。カーシェアリング・ビジネスへの参入によって、クルマが売れなくなるのではという懸念も産業界にあった。ドイツの自動車産業界は、カーシェアリングを敵にするのではなく、未来のクルマ社会の味方にしたのだ。この懸命な選択は評価されるべきだろう。今やクルマも、ソーシャル(社交する)メディアであるからだ。