故郷の柿はもうすっかり色づいた頃かな。
今日のお色目は、秋の味覚第2番目、柿色。
前回の栗色も、色々でしたが、お馬さんの好きな方には、栗毛もありましたね。 馬場で栗毛の駒がかけるのを双眼鏡で追って見る興奮を楽しむ方も居られる事でしょう。
さて柿色に戻りましょう。
柿色も、色目や濃淡で種類があり、柿色と称して、茶系のもの、朱系のものがあります。
柿渋で着色した茶系の柿色とは古くからのものでしょう。
近世の柿色は、熟した柿の実の色でオレンジ色に近い照柿(てりがき)を言います。 しかし、熟さない薄く黄みを帯びた色も、柿色と称するので、色見本などでどっちと確認するか、薄柿色と区別が必要。 近衛柿も赤味の少ない柿色。
東洋原産の柿は、フランスやドイツでは、そのままカキ(kaki)と言う色名だそうです。英語では、パーシモンが色名です。
陶磁器の柿右衛門の赤絵は柿の色を目指したものと言われます。
歌舞伎の舞台の定式幕(じょうしきまく)の萌黄、柿、黒の三色の中の、茶色の部分が、柿色で柿渋染めからきている茶。
歌舞伎と言えば、団十郎の「暫」の素襖(すおう)。団十郎茶として有名であるが、これも茶系の柿色のひとつ。
食欲の秋には、果実の柿の色の方を思い浮かべる。
どうも、歌舞伎もいいが、胃の腑を満たす柿の方が先のようで。