国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

次期米国大統領に選ばれるのは誰か?

2008年02月15日 | 米国
田中宇氏は2月12日の記事「米大統領選の焦点はテロ戦争の継続可否」で、ヒラリー候補=米英一極主義者、オバマ候補=多極主義者という明解な分析を提示している。911以後の米国国内での闘争が民主党大統領候補者選を舞台に繰り広げられているという内容である。ヒラリー候補の外交政策はクリントン政権時代の延長線上にあるという想定はもっともなものだ。 私は、米国の次期大統領はオバマ氏に内定しているのではないかと想像している。根拠は、オバマ氏の外交顧問にキッシンジャーと並ぶ国際政治専門家であるズビグニュー・ブレジンスキー氏が就任していることである。ブレジンスキー氏が負け馬に乗るとは思えないのだ。対抗馬のヒラリーが健闘しているのは、大統領選を盛り上げるという役割、あるいはヒラリーを支援する米英一極主義者のあぶり出しなどの理由が考えられるだろう。 田中宇氏はオバマはケネディの再来ではないかと主張している。しかし、私はオバマはカーター政権の再来ではないかと想像している。カーター政権の前任は不人気な共和党のニクソン・フォード政権であり、その外交政策はキッシンジャーが主導していた。ニクソンはベトナム戦争での敗北、ドルと金の交換停止を通じて米国の国力を大きく低下させ世界を多極化させた人物である。現在のブッシュ政権がイラク戦争での敗北やドルの下落を通じて米国の国力を大きく低下させていること、ブッシュ政権の外交政策にキッシンジャーが深く関与していること、ブッシュ政権の不人気を考えると、ブッシュ大統領はニクソン政権の再来という性格を持つ。それならば、次の政権はブレジンスキーが外交顧問に就任しているオバマになるのが自然だと思われる。 カーター大統領は元州知事で中央政界にはほとんど縁のない人物であった。オバマ氏も上院議員に当選して日が浅く、目立った政治的業績を残していない点で類似している。クリントン政権時代から現在まで一貫して中央政界に関与してきたヒラリーとは対照的である。 なお、ブッシュ政権の不人気、ブッシュ政権が8年間続いたことから考えて、共和党候補が次期大統領に選ばれる可能性は低いのではないかと想像する。 . . . 本文を読む
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