国際情勢の分析と予測

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李明博政権の起死回生の一手:韓国軍戦闘部隊のイラク大規模派遣による、在韓米軍撤退阻止

2008年02月17日 | 韓国・北朝鮮
韓国の柳宗夏元外務部長官は戦時作戦統制権移管=米軍撤退という認識を示している。そして、韓国の安全保障には米軍の駐留が必要であると主張している。しかし、米軍は盧武鉉政権との間で合意した戦時作戦統制権移管をそのまま実行する意志を変えていない。韓国はこの絶体絶命の危機を乗り越えることができるのだろうか?「米国主導の計画、例えば大量破壊兵器の拡散防止やテロの根絶、貧困対策などには、パートナーとして協力していくべきだ」という発言がヒントになる。 韓国が今取りうる有効な手段は一つしかないと思う。それは、韓国軍戦闘部隊のイラク派遣である。在韓米軍に匹敵する三万人規模の大規模派遣が必要だろう。ベトナム戦争で韓国がベトナムに軍を派遣して米国に恩を売ったことがその後の米軍駐留維持に繋がっていることを考えれば、李明博新政権が韓国軍派遣を考えるのは当然とも言える。韓国支配階層の子弟は海外留学や無理なダイエットなどで徴兵を回避するものが多いことから痛みは少ない。4月の総選挙で与党ハンナラ党が勝利した後に韓国軍戦闘部隊のイラク派遣が検討されることになるのではないかと私は想像する。 ただ、ベトナム戦争当時とは異なり韓国は少子化が進んでおり、一般の韓国人(特に学生やその親)の反発はかなり強くなると想像される。大規模なデモが行われ、大統合民主新党の地盤である全羅道では光州事件の再発もありうるだろう。その強い反発を力で押さえ込むことができれば、米軍が韓国を評価して在韓米軍撤退の方針を撤回するかもしれない。力で押さえ込むことに失敗すれば李明博政権は崩壊し、大統合民主新党が再び政権を握ることになるだろう。 米国大統領選挙の行方も韓国に関係してくる。オバマ候補の外交顧問であるブレジンスキー氏が国家安全保障担当大統領補佐官に就任していたカーター政権は在韓米軍撤退の方針を打ち出したことがあり、韓国にとっては鬼門だろう。マケイン候補もブッシュ政権の延長線で在韓米軍撤退に賛成と思われる。韓国にとって一番都合の良いのは、米英一極主義であろうと想像されるヒラリーになるのではないだろうか。 . . . 本文を読む
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