国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

秒読み体制に入った米国の衰弱:準備万端の日中両国、準備なしの韓国

2009年09月01日 | 韓国・北朝鮮
鳩山新首相の掲げる政策はアメリカの反発を招いている。しかし、鳩山氏の政策は決して反米ではなく、米国の衰退という事態に対応するものであると思われる。鳩山政権の誕生は、米国の衰弱(具体的にはドルの下落・米国債の下落・米国株の下落のトリプル安)がもはや秒読み段階に入っていることを示しているのだろう。場合によっては、鳩山政権が米国の衰弱の引き金を引くことになるかもしれない。 中国と韓国は鳩山政権の誕生を歓迎している。従来の米国の属国体制では不可能だった日中両国の接近が可能となることは確実だ。ただ、これは中央日報の言う「福沢諭吉が1885年に主張した脱亜入欧との確実な決別宣言」というのは過ちだろう。鳩山政権が目指しているのは新たな大東亜共栄圏の建設であり、日本を中心とする東アジア秩序の再建設に他ならないのだ。日本とASEANは既に緊密な関係にあることから考えて、新たな大東亜共栄圏建設のポイントとなるのは日中の接近であり、韓国はその視野の中心からから外れている。韓国のマスコミは鳩山政権樹立を歓迎しているようだが、日中両大国が緊密化することは、実際には韓国にとって利益よりも危険の方が大きいと思われる。 日本や中国が米国の衰退に対して準備を十分に行っているのと比べると、韓国は明らかに準備不足である。韓国は依然として在韓米軍の駐留を前提とした安全保障プランしか持っていない。また、韓国は経済的にも、科学技術面でも、日本と中国の両大国に対抗するという国家戦略を変更する構えを見せていない。最近の衛星打ち上げはそのような国家戦略の象徴とも言える。しかし、米国が衰退し中国が強大化する近未来の東アジアで、韓国が生き延びる道は、かつてのソ連に対するフィンランドのように、中国の属国になる以外にないと思われる。その様な国家戦略の方針転換を行わないまま、韓国は脳天気に日本の変化を喜び、時間が過ぎるにまかせている。あるいは、鳩山政権の「在日外国人への地方参政権付与」政策は、韓国を油断させるための策略なのかもしれない。 . . . 本文を読む
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