国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

ロシアを敵に回す余裕がなくなった米国

2009年09月18日 | 米国
永らく米露両国の間の対立の焦点であった東欧・ポーランドとチェコへのミサイル防衛(MD)網関連施設配備計画が中止となった。この背景には、米国が弱体化してもはやロシアを敵に回す余裕が無くなったことが挙げられる。また、米国が苦労しているアフガン占領問題で、ロシア・中央アジア上空経由の輸送を確保したいという狙いもあるだろう。この事件は、世界が米国一極体制から多極体制へと転換する大きな転換点の一つになると思われる。 東欧のポーランド・チェコは国民感情の面で共に反ドイツ・反ロシアの傾向が強い。両国は米国との同盟関係を支えにしてきたが、それが弱体化することで外交的に大きな打撃を受けるだろう。しかし、独仏連合とロシアの関係が良好である以上、東欧諸国もその輪に加わる以外に選択枝はないだろう。 また、米露関係の改善は、日露関係の改善に繋がる可能性がある。鳩山政権で北方領土問題が解決される可能性が高くなってきた様に思われる。 . . . 本文を読む
コメント (8)