国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

日中露印の四大国が支配する21世紀の東アジアシステム

2009年09月26日 | 中国
ニュースサイト「theTrumpet.com」で、コラムニストのRobert Morley氏は、日本・中国・ロシアの三カ国は大々的な軍事同盟に今まさに釘付けになっている、と述べている。北方領土問題が解決されれば、日本とロシアの間には外交的対立の芽はなくなり、中国の脅威に対抗する同盟関係(非公式なものかもしれないが)が成立するだろう。一方、中国とロシア、中国と日本の間には対立の芽が存在するため、これをどう解決してゆくかが問題となる。21世紀の日本は、東アジア共同体を通じて中国をコントロールしようと試みつつ、ロシアやインドと軍事的に協力して中国を封じ込める路線を採るのではないかと私は想像する。 EUがキリスト教・民主主義・人権尊重という共通の価値観を有するのに対して、アジアは宗教を採ってみても神道・仏教の日本、道教の中国、ヒンズーのインド、イスラムのインドネシア、東方正教会のロシアとばらばらである。また、経済的格差も非常に大きい。EU型の共同体をつくるのは無理だろう。ただ、宗教がバラバラで経済的格差も大きいが成功しているASEANがある。日本はASEANをお手本にした東アジア共同体を目指してゆくべきだろう。 現在、イランの核問題はP5+ドイツによって取り扱われているし、北朝鮮の核問題は当事国の南北朝鮮に加えてP5+日本で取り扱われている。ユーラシア大陸西部と東部の安全保障システムは既にできあがっているのだ。米国撤退後の東アジアでは、安全保障問題は日中露三カ国、あるいはそれにインドを加えた日中露印の四カ国の協議で全て決定されることになるだろう。これは、EUが英仏独の三大国、あるいは英仏独伊の四大国に事実上支配されているのと類似したシステムである。 . . . 本文を読む
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