国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

21世紀の米国のオフショアバランシング戦略:8月2日に米国発世界大恐慌開始、米軍が世界から引き上げか?

2011年07月24日 | 米国
ミアシャイマーに引き続いてオフショアバランシングを主張するクリストファー・レインの著作が邦訳される。訳者は地政学者の奥山真司氏。早速アマゾンで予約した。これらの論者は表向きはユーラシア大陸に米国が関与し続けることを主張している様だ。しかし、彼らのホンネは事実上の孤立主義への回帰ではないかと私は想像している。それによって米国支配階層が目指すのは、国際金融資本から国政を取り戻すことであろう。世界覇権国米国の内戦で漸く決着が付き、国際金融資本が勢力を失い滅亡しようとしているのだ。 米国がこれまでのユーラシア大陸への軍隊駐留による直接関与政策を見直さざるを得ないのは、米国の経済的困難が原因である。世界の2割強の経済力で世界の5割の軍事費を支出するという現状はどう考えても継続不可能である。そして、近未来の米国が大幅な経済成長を達成できる見込みは皆無である以上、米国は経済力に見合ったサイズまで軍備を縮小する必要がある。米国の経済力は軍事力に支えられてきた面が大きいので、軍事力を失った米国は大幅な経済的収縮を覚悟せねばならない。その結果、事実上米国は太平洋や大西洋を越えて軍事力をユーラシア大陸に投射する能力を失うと想像される。米国は20世紀初頭の南北米国大陸に限局した地域大国の地位に逆戻りするのだ。 . . . 本文を読む
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