計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

2025年2月の積雪を振り返る

2025年03月07日 | 山形県の局地気象
 山形県内における1976-2024年の各2月の降雪量(月降雪量)を地点毎に「箱ひげ図」で比較しました。「×」は平均値、「○」は外れ値を表しています。各地点で平均値と中央値の間に大きな差は見られなかったものの、変動の幅が広いことが見て取れます。

 この箱ひげ図の上に、この冬の実況値(2025年2月)を「★」で重ねてみました。過去の変動の範囲内には収まるものの、多くの地点で平均水準(×)を上回り、多雪傾向が現れました。



 続いて、米沢市について、2024年12月1日~2025年3月2日までの市内アメダスの日最深積雪と市内スキー場の平均積雪との推移をグラフ化しました。

 積雪量のスケール自体は地点毎に異なるものの、増加・減少の動向は概ね一致しました。積雪量の増え方が「階段状」になっているのが印象的です。また、アメダスの積雪増加から1日遅れてスキー場の積雪も増加する傾向が見られます。これは情報更新のタイミングの違いによるものと思われます。



 そこで、アメダスとスキー場の積雪深を1日ずらして相関関係を調べてみました。この結果、両者の間には強い正の相関が見られました。


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山形県内の花粉飛散の傾向

2025年03月06日 | 山形県の局地気象
 山形県内の3地点(庄内・山形・米沢)における春シーズン(2~5月)を通しての花粉飛散量を調べました。花粉飛散量の観測値は、環境省花粉観測システム「はなこさん」のデータを使用しました。

 まずは、地点毎の春シーズン(2~5月)を通しての花粉飛散量を箱ひげ図に表してみました。ここで、「×」は平均値、「○」は外れ値です。年(シーズン)毎にバラつきがありますが、米沢>山形>庄内の傾向が見られます。



 続いて、この3地点(庄内・山形・米沢)における花粉飛散量と気象要素の相関関係も調べました。この結果、翌春のシーズンを通しての花粉飛散量は「10月中旬の平均気温・11月上旬の降水量」との間に弱い正の相関が見られました(庄内の降水量は除く)。







 一般的には「前年の夏の気温が影響する」と言われているので、「タイミングの遅れ」が気になる所です。久光製薬「アレグラFX」の公式HPより「花粉の飛散量や時期ってどうやって調べているの?」(2025.02.27 閲覧)によると「花粉の雄花は秋に大きく成長する」とのことでした。

 夏の気象要因が秋の成長に寄与するとも考えられますが、秋の「成長の時期」の気象要因もまた重要と言えそうです。ただ、相関が「いまいち弱い」ようにも感じるので、引き続き検討が必要です。


 さらに、花粉飛散量の風向別比率および時別比率の関係を調べました。ここでは春シーズン(2~5月)を通しての花粉飛散量に対する風向別・時別の積算値の比率を算出しています。この結果から、地点毎に「花粉が飛散しやすい風向」や「ピークとなる時間帯」が窺えます。


 庄内では南西や東南東の風向の比率が顕著です。また、米沢は北西寄り(北西~西北西)や南南東寄り(南東~南)、山形は南西寄り(西南西~南南西)や北寄り(北北西~北)の比率が大きい傾向が見られました。


 時間帯に目を向けると、庄内は朝から昼過ぎにかけて、山形は昼前から夕方にかけての時間に山が見られます。また、米沢は昼前から夜にかけての時間帯に山が二つ現れています。


 最後に、花粉飛散量の累積比率と時別気温の関係についても調べました。ここでは春シーズン(2~5月)を通しての気温毎(四捨五入で整数化)の積算値の比率を算出しています。花粉飛散の約半数は、山形・庄内で11℃以上、米沢で8℃以上の時に発生しているようです。
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体育の授業は「大嫌い」でした

2025年02月15日 | 気になるニュース
「体育大嫌い」エッセーに共感◆ヒャダインさん訴え、大学で教材に #令和の子(Yahoo!ニュース 時事通信)(2025年02月15日)

 体育教員向けの専門誌に掲載されたヒャダインさんのエッセーに関する話題です。ヒャダインさんのエッセーも然ることながら、この内容を掲載した専門誌の判断にも敬意を表します。

 私自身、小・中・高の体育の授業で何かを「学んだ」という記憶がほとんどありません。大抵の体育の授業は、基本的にクラスをチームに分けて練習試合を繰り返すような感じでした。

 幼少の頃の私は病弱で、学校を欠席することが多く、友達も少なく、もちろん勉強にも殆どついていけない有様でした。外で元気よく遊ぶこともままならず、内に篭ることが多い子供でした。当然、体を動かすスポーツの類は全くの不得手で、ルールも余り判らない状態でした。しかも、学校の授業でもまともな説明は無かったように記憶しています。それこそ「周囲の動き」を見て、見よう見まねで覚えていったものです。

 そんな調子で、体育音痴の私は、クラスの中でも「見せしめ」にされ、「馬鹿」にされ、「笑い者」にされ、半ばいじめられる・・・そんな苦行の時間でした。この苦しみを理解してくれる存在などいるはずもありません。

 大学に入って「体育」が選択制になった時、心の底から喜びを感じました。一方、実際には大学教養課程の体育は、受講した学友の話によると、小・中・高の「体育」とは別物とのことでした。話を聞いていると、「これなら受講しても良かったかな・・・」と思ったものです。

 確かに「体を動かして健康増進に努めること」には意義があると思います。また、「スポーツに親しむこと」は大切だと思います。しかし、私が経験してきた「体育の授業」は、これらの目的に合致したものではありませんでした。むしろ「弱い者いじめ」の契機となり、またそれを助長するものであったとさえ感じています。

 最後に、体育が苦手で苦しんでいるお子さんへ・・・

 もし今、君がこの記事を見ているならば、声を大にして言いたい。
 この苦しみには必ず「終わり」があります。
 体育の授業は「卒業」する日が必ず来ます。
 大人になれば「体育の成績」なんて関係ありません。
「学校」という狭い世界だけが、「世界の全て」ではありません。
 君が輝ける場所は、これから自分で見つけて行けば良いのです。

 こちらの過去記事も参考になるかも知れません。
 「夏休み」が終わる時期なので(2019年08月23日)
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2024年12月-2025年1月の冬を振り返る

2025年02月12日 | 山形県の局地気象
 山形県米沢市について、2024年12月1日~2025年2月10日までの市内アメダスの日最深積雪と市内スキー場の平均積雪との推移をグラフ化しました。積雪量のスケール自体は地点毎に異なるものの、増加・減少の動向は概ね一致しました(正の相関が見られます)。また、積雪量の増え方が「階段状」になっているのが印象的です。


 ここで細かいことを述べると、アメダスの積雪増加から1日遅れてスキー場の積雪も増加する傾向が見られます。観測の時間や方法が必ずしも統一されていないためと推察します。


 続いて、山形県内における1976-2024年の各1月の降雪量(月降雪量)を地点毎に「箱ひげ図」で比較しました。「×」は平均値、「○」は外れ値を表しています。各地点で平均値と中央値の間に大きな差は見られなかったものの、変動の幅が広いことが見て取れます。

 この箱ひげ図の上に、この冬の実況値を「★」で重ねてみました。この冬の12月は概ね四分位範囲の中に入りましたが、1月は平均値~第1四分位数を下回る傾向が見られました。上記の積雪深の推移を見ても、この冬は「短期間で集中的に積雪が増加する」ことが多いようです。




 さらに、上空の風の動向を探るため、ウィンドプロファイラの観測値を用いて、2025年1月の酒田(山形県)と高田(新潟県)の高層1~5kmの風配図を作成しました。

 下層では西北西寄り、上層では西南西寄りの風向が優勢でした。このことから、上層ではトラフの南東象限に位置する一方、下層では冬の季節風が流入する傾向が窺えます。


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山形県内の多雪年と少雪年(1月の降雪量を基に)

2025年02月10日 | 山形県の局地気象
 山形県内における1976-2024年の1月の降雪量(月降雪量)を地点毎に比較しました。箱ひげ図において、「×」は平均値で「○」は外れ値を表しています。各地点で平均値と中央値の間に大きな差は見られなかったものの、変動の幅が広いことが見て取れます。


 続いて、第3四分位数以上の地点が多い年を「多雪年」、第1四分位数以下の地点が多い年を「少雪年」とし、秋田の高層850hPa面(上空1400m付近)における風向と気温を比較しました。多雪年では西北西~北北西、少雪年では西南西~南南西の出現率が各10%増の傾向が見られました。また、多雪年では強い寒気の南下が顕著となることも判ります。

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今回の寒波の強さはどれほどレアだったのか

2025年02月08日 | 気象情報の現場から
 2005年2月5日~8日頃にかけて「立春寒波」に見舞われました。上空5000m付近(500hPa面)の気温はで-42℃近くと、非常に強いものでした。連日のように「最強寒波」などというワードを目にしました。とは言え、同じシーズンの中で毎度のように「最強寒波」を連呼されると、前回の寒波と今回の寒波とどっちがより「最強」なのか?と首をかしげることになります。

 そこで、秋田の高層気象観測(1991-2020年)の冬期間(12,1,2月)の500hPa面,850hPa面の出現気温を調べてみました。この結果、2月の500hPa面の出現気温を見ると、過去の「変動の範囲」は約-45~-15℃である一方、-31℃を中心に±4℃の範囲(四分位範囲)で全体の50%を占めました。つまり、「-35~-27℃」が主な(標準的な?)範囲の目安と言えそうです。

 ここで-40℃以下の気温の出現比率を調べた所、全体の約5%でした。これは単純計算で、過去30シーズンの中で1.5シーズン、15年に1回あるかないかの水準です。そう考えると、なかなかレアな寒波だったと言えそうです。




 冬の強い寒気を表現する際に「最強寒波」「この冬一番の寒波」「猛烈な寒波」など、強いフレーズを用いることは敢えて否定しません。しかしながら、過去の変動範囲を「ものさし」として示した上で「予想される寒気の度合いがどの位置に相当するか」を示した方が、より客観的に「寒気の強さ」が伝わるような気もします。
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2025年01月09日の大雪

2025年01月10日 | 山形県の局地気象
 この冬は日本海寒帯気団集束帯(JPCZ)が多いように感じております。そんな中、昨日(1/9)の山形県の内陸側・南部の米沢アメダスでは45cm/日の降雪を観測しました。

 米沢の12月1日~1月9日の日降雪量と日最深積雪の推移をグラフにしてみました。12月半ばにまとまった降雪が見られ、下旬から断続的に積雪が増加しているようです。さらに、1月9日の降雪で積雪が一気に増加したようです。



 この日の9時の数値予報図(地上)を見ると、日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)の南側では西寄りの風、北側では北寄りの風となっていました。その上空1500m付近では、-9℃前後の強い寒気も南下しました(図略)。ただし、気圧配置と風向からは一概に「C字型」とは言えないようです。



 そこで、この日の6~15時の山形県内の風の流れを基に「収束線」を解析しました。この結果、海上のJPCZに加えて、地形に伴う局地的な流れが「内陸部における収束線」を形成していた様子が窺えます。


 この他にも、未だ描かれていない収束線が見えてくるかも知れません。主に山から谷に向かう流れ同士が収束することが多いようです。一方、谷では冷気湖が形成されやすく、これが解消する際に発散場となることもあります。内陸部の局地風はなかなか複雑です。

 いずれにせよ、上空寒気の南下で大気の不安定性が増大した所に、内陸部の収束が加わって、雪雲の停滞や対流活発化につながった可能性が考えられます。
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2次元流れ解析 ‐物体周りの流れ‐

2024年12月28日 | 計算・局地気象分野
 久々に2次元流れのシミュレーションを試みました。今回は水平面内ぼ一様流場(inlet flow)の中に楕円形の物体(obstacle)を設置する状況を想定しています(従って、鉛直方向の重力は考慮しておりません)。

 物体の配置は、流れに対して「短径」「傾斜」「長径」の3通りを想定し、流れの速度も「1倍(基準)」「5倍」「10倍」の3段階で設定しています。また、各画像では流れの方向を矢印で表し(長さは統一)、流速の大きさは背景の色(凡例参照)で表しています。

 左側から入ってきた真っ直ぐな流れは、物体(楕円)の上下に分流し、その直ぐ下流側では流速が低下した「後流(wake)」が形成されます。流れが速くなるにつれて、後流内の渦が明瞭になる他、後流の領域が蛇行を始めます。また、後流の渦とその外側の流れとの間で「収束線」が明瞭になる傾向が窺えます。










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日本気象学会2024年度秋季大会(つくば)に行ってきました

2024年11月14日 | CAMJ参加記録
 11月12日(火)~15日(金)の日程で、つくば国際会議場を会場に「日本気象学会2024年度秋季大会」開催されています。私は大会2日目の「専門分科会2」で口頭発表に臨みました。

 11日(月)の昼頃に東京駅に到着した後、そのまま山手線に乗り換えて「有楽町」に向かいました。「有楽町」といえば、フランク永井さんの「有楽町で逢いましょう」が有名ですが、高層ビルが立ち並ぶ光景は、当時のムードとはかけ離れているようにも感じました。天にも昇るような高層ビルが密集し、地上では行き交う人の多さに目移りしました。


 そこから、再び東京駅に戻り、しばし丸の内駅前広場のベンチで休憩していたところ・・・突如、額に「ビタッ!」という嫌な感触が。思わず、過去の記憶がフラッシュバックしました。



 そっとティッシュで額を拭き取ると・・・はやり、黄緑色の粘性を持った液体の姿が・・・そうです。まさかの「人生2度目」の「鳥からの爆撃」を喰らいました。幸い、被弾個所は額とメガネのごく一部に限られ、スーツなど、衣服や荷物は難を逃れました。頭上では木の枝が広がり、葉が生い茂っていたので傘となって被害を軽減してくれたようです。

 それはそうと、被弾個所の洗浄のため、駅のトイレに駆け込んだのは言うまでもありません。これから学会発表の本番を控えているというのに、何とも不吉な予感が・・・。

 12日(火)につくば市に入り、会場の下見も兼ねて幾つか拝聴しておりました。本職の研究者や大学院生の皆さんのテーマは「気象現象のメカニズムや観測・データ解析の手法など」と言った基礎研究が中心でした。ハイレベルではありますが、なかなかに面白いものでした。

 

 そして13日(水)は、午前中の専門分科会2に参加しました。セッションテーマは「くらしと気象 ~気象予報士に期待されること~」で、10件の講演がありました。今回は200人を収容する会議室に、30~40人位の聴講と言った感じでしょうか。セッションは終始和やかな雰囲気で進み、有意義なディスカッションが交わされました。


 気象予報士の皆さんのテーマは「気象の知識や情報をどのように活用し役立てるか」また「気象に関する知識の普及(主に教育)」と言った実践的な利活用(応用研究)が中心でした。同じ「気象」を基軸としつつも、(研究者の皆さんとは)互いに異なる役割を担っており、相補的な関係にあると感じました。


 この中で私は「GSM地上を用いた新潟県内における降雪量ニューロ・モデルの開発(第2報)」と題して発表を行いました。要は「人工知能の理論を応用した地域気象の予測」の研究です。実際は「(純粋な)気象学」と言うよりも「情報処理」の研究と言った方が良いかも知れません。とは言え、今年のノーベル物理学賞は「AI」の研究者が受賞しましたね。


 最後に、8月の週末に偶然目にした「お寺」に掲示してあった言葉を御紹介します。


「一瞬のために どれだけ汗を流したか」。時期から察するに、おそらく「オリンピック」に関しての言葉だったのでしょう。しかし、私にとっては「学会発表に向かって準備する自らへの激励」にも受け取れました。

 学会発表において1件のテーマに割り当てられる時間は約10分です。その一方で、そのテーマを発表するための資料(予稿やスライドなど)の準備やプレゼンの練習には数週間から数か月を要します。また、そもそも研究において「何らかの結果」が出るまでには数年レベルを要します。

 目に見える約10分を有意義な時間にするために、数か月から数年の間に渡ってどれだけの労力を費やしたか・・・。まさに「一瞬のために どれだけ汗を流したか」。そんなことを考えていました。そして今、私の「秋のオリンピック」は終わりました。

Yes, I did it!
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生成AIを用いたお絵描き(2)

2024年11月02日 | 何気ない?日常
 前回の記事では「生成AIを用いたお絵描き」について述べました。今回は、雪山の中で白い猿が天然の温泉(露点風呂)を楽しんでいる様子を描いてみます。湯舟にはミカンが浮かんでおり、白猿は湯につかりながらお酒を楽しむ・・・と言うシチュエーションを目指します。

 まずは、前回「生成AIのお絵描き」と同様に「Ainova AI」を使用してみました。
【完全無料の画像・イラスト生成AIメーカー「Ainova AI」】※「写真風」を選択
https://generativeinfo365.com/無料の画像生成aiツール/

【入力プロンプト文】
 A white monkey is drinking alcohol while soaking in a hot spring. There are oranges floating in the hot spring.

 雪山はさておき(プロンプトに記載していないので)、肝心の「drinking alcohol」が上手く伝わっていないようですね。それにしても、この湯舟は「桶」ですよね?「猿が天然の露天風呂に入る」という状況がイメージできないなのかも知れません。

【入力プロンプト文】
On a snowy day, a white monkey is drinking hot alcohol while soaking in a hot spring. There are oranges floating in the hot spring.

 惜しい!肝心の「drinking alcohol」が反映されていませんね。「猿が酒を飲む」という状況はAIにとっても「想定外」ということでしょうか。それにしても、「お湯」なのに「湯気」が立たないのは気になります。

 そこで、新たに「ImageFX」も試してみました。これは、使用するためには「Googleアカウント」が必要となります。

【Google画像生成AI「ImageFX」 ※googleアカウントが必要】
https://aitestkitchen.withgoogle.com/ja/tools/image-fx

【入力プロンプト文】
On a snowy day , a white monkey is drinking hot alcohol while soaking in a hot spring . There are oranges floating in the hot spring .

 いきなり、それっぽい画像が生成されましたよ!。湯気のしっかり出ていますね。猿が手に持っているのは・・・木製のコップに赤ワインでしょうか。さすがに、「とっくりとおちょこ」は無理なのでしょうか。

【入力プロンプト文】
On a snowy day , a white monkey is drinking hot alcohol while soaking in a hot spring . There are oranges floating in the hot spring .

 こちらは、温泉で「ウイスキー」でしょうか。BGMに「ウイスキーはお好きでしょ♪」を合わせれば、CMになりそうですね。
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生成AIを用いたお絵描き

2024年10月20日 | 何気ない?日常
 最近は「生成AIを用いたお絵描き」にもトライしています。

 使い慣れるまでは、やはり戸惑います。しかし、「ニューラルネットワーク」の応用研究に関わる者としては、やはり「生成AI」は気になります。時代の流れは「AI」を活用する方向に動いているので、私も少しずつ触れるようにしています。とは言え、何かと話題に上る「ChatGPT」は未経験です。

 ちなみに、今回使用したのは、こちらのAIです。

【完全無料の画像・イラスト生成AIメーカー「Ainova AI」】
https://generativeinfo365.com/無料の画像生成aiツール/

 一般的に、無料の生成AIの多くは「多言語」に対応しているようです。しかし、実際に使ってみると、各国語で書かれたキーワードを一旦英語に自動翻訳した上で、その内容を基に作画しているようです。そこで、プロンプト文は英文で書きました。

 しかしながら、日頃から「英語でのコミュニケーション」の機会は無いので、英作文も怪しいものです。そこで、英文添削のAI(下記)も併用しました。とりあえず、書きたいイメージの内容を、そこそこ意味が通る程度の「ブロークン・イングリッシュ」で記載することができれば、後はAIが綺麗に直してくれます。これで英語の自学自習も捗りそうですね。

【UGUIS AI】
https://uguis.ai/correction

 それでは、入力プロンプト文と、それを基に生成された絵を掲載します。

【入力プロンプト文】
hot dog.


【入力プロンプト文】
The steam locomotive train named "Galaxy Express 999" is heading towards the stars through space.


【入力プロンプト文】
A massive Tyrannosaurus rex has emerged in a modern city and is rampaging. Overhead, dark storm clouds are spreading and thunder is rumbling. A tornado has lifted a Tyrannosaurus into the air.


【入力プロンプト文】
A woman in a business suit with bobbed hair and glasses stands in front of a huge screen displaying weather satellite images. She points to a part of the screen, faces the viewer, and speaks.


 ちょっと・・・微妙にイメージと違うようですね。人間の持っている「常識」や「先入観」、「暗黙の了解」という概念が、おそらくAIにはないので、そこから伝える必要があると感じています。

 私の場合は「異文化コミュニケーション」と言うよりも、「AIとのコミュニケーション」のために、「英語」を学ぶ必要性を痛感しています。
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天気予報のパラダイムシフト

2024年09月20日 | オピニオン・コメント
 かつて「予報官の勘と経験」を基に「将来の大気の状態」が描かれました。それが電子計算機の発達に伴って「数値予報」に代わり、人間から機械(数値予報)への「パラダイムシフト」が実現しました。今や「機械学習」が数値予報のプロダクトを学習しています。もしかすると、将来の天気予報は、数値予報から機械学習への「新たなパラダイムシフト」が起こるかもしれません。

 数値予報は「物理学の法則」を出発点に「演繹的に」将来の大気の状態を予測します。そして、機械学習は「既存のデータ」を基にして「帰納的に」将来の大気の状態を予測します。従って、必ずしも「一方が他方に勝る」ものではなく、性格の違う両者を「相補的」に使い分ける、と考えると良いでしょう。

 また、機械学習は予報のQTAT化を実現します。一方、物理学に基づく数値予報は、現象のメカニズム解明と言う点で重要な役割を担い続けるでしょう。そして、これらの予測結果を適切に解釈し、使いこなすことが「人間」の役割となるのです。

 さらに必要に応じて、自ら独自の「数理モデル」を構築することも必要になるでしょう。「数理モデル」の構築には4種類の表現を使い分けます。それは、言語・イメージ・数式・プログラミングです。まず、解析対象を「言語」や「イメージ」を通して理解し、これを「数式」を用いて定量的に表現します。続いて「数式」を基にアルゴリズムを確立し、「プログラミング」を通して実装します。

 特に数学やプログラミングでは、論理や処理のプロセスを一つ一つ「抜け漏れ無く」着実に積み上げることが必要です。そのためには、必要とされるプロセスを「先読み」することと、そのプロセス群を適切な順序で繋ぎ合わせる「段取り」のスキルが求められます。その意味では、この両者は親和性があります。
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2024年の夏は「前年よりは」マシだった

2024年09月18日 | 山形県の局地気象
 昨年に倣って、山形県および新潟県内の8地点における8月の日最高気温の推移(1976~2024年)を調べてみました。日最高気温は「猛暑日(赤)」「真夏日(橙)」「夏日(黄)」「夏日未満(青)」の4階級に分け、各々の出現回数を表示しています。

 今年(2024年)は「真夏日」の出現が顕著だった一方、昨年に比べると「猛暑日」の出現は大幅に減少しました。今年の夏は、「真夏日」の占める割合が大きいため、全体の傾向としては高温傾向となりました。しかし、昨年(2023年)のような「連日の猛暑日」とまでは行かなかったようです。昨年の夏が「明らかに異常」だったことが判ります。

 また、近年は「真夏日」と「猛暑日」の占める割合が次第に大きくなる傾向が見られます。




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角運動量と渦度を基にした「渦位」のイメージ

2024年09月06日 | お天気のあれこれ
 4年前の記事「角運動量保存の法則」(2020-08-26)で、「気が向いたらまたの機会に…」と記していた「渦位」について、今回は書いていきます。

 さて、気象の世界では「渦位」とは「絶対渦度と安定度の積」と表記されることが多いようです。しかし、それだけでは直感的なイメージがなかなか浮かび上がりません。

 そこで今回は、「渦位」とは「角運動量と(絶対)渦度の性質を合体した物理量」との観点からイメージを描いていこうと思います。まずは「角運動量」と「渦度」のイメージをそれぞれ再確認し、その後で「渦位」のイメージを組み立てていきます。

1.角運動量のイメージを再確認

 過去の記事「角運動量保存の法則」(2020-08-26)も併せて御参照下さい。


 回転半径と回転速度の積が一定になる原理を「角運動量保存の法則」と言います。

 いま、回転軸の周りを半径r[m]、角速度ω[rad/s]で円運動する質量m[kg]の質点を考えます。この時、質点mの速度v[m/s]はv=rωで表されます。

 ここで運動量は「(質量)×(速度)=mv=mrω」で定義されます。回転運動の場合は新たに、角運動量「(質量)×(半径)×(速度)=mrv=mrω2」という物理量を考えます。

 この角運動量が保存される「(角運動量)=(質量)×(半径)×(速度)=(一定)」というのが「角運動量保存の法則」です。


 例えば、円柱形の空気塊が回転している時に、周囲の上昇流に伴って空気塊が鉛直に引き延ばされると、その回転の勢いが増します。

 上の図では、左側の状態では回転半径が大きく、ゆっくりと回転しています。この空気塊が、何らかの理由で生じた上昇流によって、鉛直方向に引き延ばされると、右側のように細長くなってしまいます。

 つまり、容積は一定のまま、回転半径は小さくなります。先の「角運動量保存の法則」の考え方に基づけば、半径が小さくなる分、回転速度が増すことになります。


 空気塊を鉛直に引き延ばすような上昇流は、積乱雲による場合もあれば、日射による地表面の加熱の場合もあります。

 竜巻は「積乱雲に伴う活発な上昇流」によって発生するものです。この上昇流によって、空気塊は鉛直方向に引き延ばされることで、強い渦が形成されます。

 一方、つむじ風(塵旋風)は「地面が日射によって加熱されることで生じる上昇流」によって発生します。この上昇流によって、空気塊は鉛直方向に引き延ばされます。

 両者は一見すると形が似ていますが、上昇流の要因は異なります。


2.渦度のイメージを再確認

 渦度については、こちらの過去記事も併せて御参照下さい。
絶対渦度と相対渦度のイメージ(2018-01-18)
ベータ効果のイメージ(2018-01-19)


 流れ場の中に「羽根車」を置くと、羽根車はクルクルと回転しながら下流へ移動します。この回転の指標が「渦度」であり、回転軸上の「ベクトル量」として表されます。流れ場が水平面上にある場合、渦度ベクトルは鉛直方向に生じます。この渦度(鉛直成分)の大きさをζ、水平面上のベクトル場を(u,v)と表記すると、「ζ=(∂v/∂x)-(∂u/∂y)」の関係が成り立ちます。


 羽根車の回転と渦度の向きの関係は「右手の法則」で表すこともできます。右手の4本の指を回転の向きとすると、親指が渦度ベクトルの向きに対応します。正の渦度は「反時計回り」、負の渦度は「時計回り」の回転です。


 続いて、既に回転している羽根車(渦度ω)を「そっくりそのまま」別の回転状態にある回転台(渦度Ω)の上に乗せてみます。この時、羽根車の回転に伴う渦度は、回転台の上から見た場合と回転台の外から見た場合では、見え方が違ってきます。


 ここで、2人の観測者AとBに登場してもらいます。一緒に回転台に乗るAから見た羽根車の渦度は「ω」のままです。一方、回転台の外のBから見ると、渦度は「Ω+ω」となります。前者を「相対渦度」、後者を「絶対渦度」と言います。



 この「絶対渦度」と「相対渦度」の概念は、地球を取り巻く大気の流れに伴って生じる渦度を考える際に重要になります。「地球上にいる人」が「地球上で生じる渦度」を見た場合は「相対渦度」となる一方、「宇宙空間のある地点に固定された場所」から「地球上で生じる渦度」を見た場合は「絶対渦度」という事です。

 いま、自転する地球は「回転台」(渦度f=2Ω)に相当します。fの値は緯度φ°に応じて変化し、f=2Ωsinφです。


 さらに大気の流れに伴い、「ある地点」で別の渦度が生じると、これは「羽根車」(渦度ζ)に相当します。この時、羽根車の渦度は地球上のAから見ると「ζ」、宇宙空間のBから見ると「f+ζ」となります。


3.渦位のイメージを構築

 以上の内容を踏まえて、渦位のイメージを組み立てていきます。


 流れ場の中に「羽根車」を置くと、羽根車は回転しながら下流へ移動します。この回転の指標が「渦度」です。また「角運動量保存則」によれば、回転する円柱形の空気塊が鉛直に引き延ばされると、その回転の勢いが増します。これらの概念を一つにまとめると「渦位」のイメージが浮かび上がります。


 流体要素の「回転」と「伸縮」は表裏一体です。流れ場の面を水平面とすると、水平面の回転が変われば鉛直方向にも伸縮し、また鉛直方向に伸縮すれば水平面の回転も変わります。このように「互いのバランスを取るように」流体の挙動は形作られます。ここで、回転の度合いは「渦度」に相当し、伸縮の度合いは「角運動量」に相当します。

 ここで「空気塊の上端と下端を挟む平面が何なのか」によって、渦位を表現する式が変わります。例えば、浅水系の順圧大気であれば「等圧面」が考えられます。また、傾圧大気の場合は「等温位面」が多く用いられます。この上下の面の間隔が変化することで、流体要素が引き延ばされたり、縮められることで、回転の勢いも変化するわけです。


 ここからは、傾圧大気の場合を考えてみます。簡単のため、初期状態では(上図の上段のように)圏界面と等温位面は水平であると考えます。また、温位の分布については「下層で低く、上層で高い」ものとし、温位の鉛直傾度は対流圏より成層圏で大きいものとします。

 ここで、上下を等温位面で挟まれた空気塊の渦位を考えた場合、圏界面付近で渦位の正偏差を生じると、その付近では(上図の下段のように)圏界面が次第に垂れ下がります。これに伴って、等温位面にも変化が生じます。


 ここで、これまでのイメージを描き加えてみましょう。圏界面が垂れ下がった領域では、等温位面の間隔が広がるため、空気塊が鉛直に引き延ばされます。このため、正の回転が強まります。渦位の正偏差の成せる業ですね。

 また、対流圏上部の等温位面が一部、圏界面の上方に取り込まれるため、部分的に等温位面が盛り上がります。従って、この付近では周囲よりも温位が低くなります。この影響は下層にも及ぶため、下層で寒気ドームを形成します。


 今度は視点を変えて、等圧面と温度場の観点から見てみましょう。

 渦位の正偏差と言うことは「正の回転(低気圧性循環)」となるので、その西側では北風成分、東側では南風成分が卓越することになります。ここで、北半球の等圧面の高度分布を考えてみると「南側で高く、北側で低い」傾向があります。

 つまり、渦位の正偏差から見て、西側では北風成分に伴い「低高度の移流(高度が下がる)」、東側では南風成分に伴い「高高度の移流(高度が上がる)」を生じます。従って、西側では下降気流、東側では上昇気流の場の構造が浮かび上がります。

 さらに、北半球の等圧面の温度分布を考えてみると「南側で高く、北側で低い」傾向があります。つまり、渦位の正偏差から見て、西側では北風成分に伴い「寒気移流」、東側では南風成分に伴い「暖気移流」を生じます。


 以上をまとめると、渦位の正偏差の周囲では低気圧性循環が卓越し、その下層では寒気ドームが形成されます。また、西側では寒気移流の下降流場、東側では暖気移流の上昇流場が顕著になる構造が描けるのです。

 さて、「絶対渦度」は「非発散・断熱・摩擦無し」の条件で保存されるのに対し、「渦位」は「断熱・摩擦無し」の条件で保存されます。収束・発散があっても保存されるという点で、大気の流れを追跡するのに都合が良いという利点があります。

 対流圏中層(500hPa面)では、他の高度より収束・発散が小さいため「相対渦度」が用いられます。その一方で、対流圏界面付近では「渦位」が用いられます。

 低気圧の発達や上空の寒冷渦などの成因を考察する上で、圏界面付近の渦位の偏差を把握することも重要であることを述べて、この記事の締め括りとしましょう。
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速度ポテンシャルΦ と 流れ関数(流線関数)Ψ

2024年08月12日 | お天気のあれこれ
 大気の流れを表す指標には「速度ポテンシャルΦ」と「流れ関数(流線関数)Ψ」があります。

 大気は速度ポテンシャルΦの低い方から高い方に流れ、その極大・極小は収束・発散の中心を表します。また、流れの速度ベクトルの向きは、速度ポテンシャルの等値線(Φ=一定)に対して直角です。簡単な場を考えてみましょう。


 一様な西風と南風の2つの場合を考えてみます。速度ポテンシャルΦは、東西風(u成分)の場合は東西方向(x軸方向)に勾配を持つ一方、南北風(v成分)の場合は南北方向(y軸方向)に勾配を持ちます。

 西風の場合は東西位置x、x+δxにおける速度ポテンシャルΦ(x)、Φ(x+δx)と風のu成分の関係を差分で表現し、u>0(西風)となる条件を求めます。この結果「Φ(x+δx)>Φ(x)」となり、「(風下のΦ)>(風上のΦ)」となります。

 南風の場合は南北位置y、y+δyにおける速度ポテンシャルΦ(y)、Φ(y+δy)と風のv成分の関係を差分で表現し、v>0(南風)となる条件を求めます。この結果「Φ(y+δy)>Φ(y)」となり、「(風下のΦ)>(風上のΦ)」となります。


 こちらの図では、速度ポテンシャルΦが同心円状に分布する場を考え、その中心がΦの極大・極小になる場合を考えてみましょう。速度ポテンシャルΦの値が低い方から高い方に風は流れるので、中心が極小の場合は、中心から周囲に向かって風が流れます(発散)。一方、中心が極大の場合は、周囲から中心に向かって風が流れます(収束)


 続いて、大気は流れ関数(流線関数)Ψの高い方を右に見るように流れ、その極大・極小は高気圧性・低気圧性循環の中心を表します。また、流れの速度ベクトルの向きは、流れ関数(流線関数)の等値線(Ψ=一定,流線)に沿った(接線)の向きとなります。簡単な場を考えてみましょう。


 一様な西風と南風の2つの場合を考えてみます。流れ関数(流線関数)Ψは、東西風(u成分)の場合は南北方向(y軸方向)に勾配を持つ一方、南北風(v成分)の場合は東西方向(x軸方向)に勾配を持ちます。

 西風の場合は南北位置y、y+δyにおける流れ関数(流線関数)Ψ(y)、Ψ(y+δy)と風のu成分の関係を差分で表現し、u>0(西風)となる条件を求めます。この結果「Ψ(y)>Ψ(y+δy)」となり、「Ψが高い方を右手に見るように」流れを生じます。

 南風の場合は東西位置x、x+δxにおける流れ関数(流線関数)Ψ(x)、Ψ(x+δx)と風のv成分の関係を差分で表現し、v>0(南風)となる条件を求めます。この結果「Ψ(x+δx)>Ψ(x)」となり、「Ψが高い方を右手に見るように」流れを生じます。


 こちらの図では、流れ関数(流線関数)Ψが同心円状に分布する場を考え、その中心がΨの極大・極小になる場合を考えてみましょう。流れ関数(流線関数)Ψの値が高い方を右に見るように風は流れるので、中心が極小の場合は、反時計回りに風が流れます(低気圧性循環)。一方、中心が極大の場合は、時計回りに風が流れます(高気圧性循環)。

 最後にもう一点、速度ポテンシャルの等値線と流れ関数(流線関数)の等値線は直交します。
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