計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

第9回日本気象予報士会研究成果発表会に向けて

2017年01月29日 | CAMJ参加記録
 来たる2月25日には「第9回日本気象予報士会研究成果発表会」が横浜で開催されます。今回は私も「計算・局地気象分野」と「経済・金融気象分野」の2件のテーマをエントリーしております。

 当初は「全体の応募件数(時間配分)により、発表は1件のみ」となる可能性もありましたが、結局は「2件とも」採択されるに至りました。現在は発表準備の真っ最中です。

 今回発表予定のテーマはこちらの2件です。

(1) 山形県内の冬季降水域および気温分布に関するニューロ・モデルの独自開発
(2) 降水日数を指標とする天候デリバティブのプレミアム算定の試み




 現在、この他にも通常業務として「メディア向けの天気予報」やこの時期特有の「降雪量および最低気温の予報」、さらに突然スタートした「共同研究」等に振り回されながらも、何とか進めています。

 さらには3月9日には一般向けの講演を控えており、この冬は例年に無い状況に陥っています。
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等圧線から風向きを読む

2017年01月24日 | お天気のあれこれ

 例えば、次のように平行な等圧線があり、下の方が気圧が高く、上に行くにつれて気圧が低くなるような場合の風向きを考えてみましょう。


 とりあえず、空気は気圧の高い方から低い方に向かって移動するわけですから、気圧の高い方から低い方に向かって等圧線と直角に矢印を引きましょう。


 さらに、北半球の場合は、進行方向の右手向きコリオリの力が働きます。また、地上付近では摩擦の力も働きますので、先ほどの矢印を少し右手向きに傾けましょう。どれくらい傾けるかは一概に言えませんが、とりあえず45°くらい傾けます。


 ここで、気圧の差に伴う力(気圧傾度力)、コリオリの力摩擦力、そして風の向きにはこのような関係があります。


 続いて、このように高気圧低気圧の中心を、等圧線が渦状に取り巻く場合を考えてみましょう。


 とりあえず、気圧の高い方から低い方に向かって等圧線と直角に矢印を引きましょう。


 さらに、先ほどの矢印を少し(45°くらい)右手向きに傾けましょう。高気圧の中心からは時計回りに風が吹き出して行く一方、低気圧の中心に向かって反時計回りに風が吹き込んでいます。


 それでは、前線を伴う低気圧(温帯低気圧)を取り巻く風の流れを読み解いて行きましょう。


 とりあえず、気圧の高い方から低い方に向かって等圧線と直角に矢印を引きましょう。


 さらに、先ほどの矢印を少し(45°くらい)右手向きに傾けましょう。


南からの暖気北からの寒気がぶつかり合い、前線が形成される様子が浮かび上がってきます。

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