第1回(05月27日)では、1羽のオスのツバメが巣を作り、メスにアピールするまでの展開
第2回(05月31日)では、2羽のツバメが「つがい」となって、共同生活を営む様子
第3回(06月07日)では、ツバメが抱卵を始めた(と思われる)様子
第4回(06月14日)では、ツバメが抱卵を続けている(と思われる)様子
第5回(06月21日)では、引き続き、ツバメが抱卵を続けている(と思われる)様子
第6回(06月28日)では、ようやく卵から雛が孵り、ツバメが幼雛に餌を与える様子
第7回(07月05日)では、ツバメの雛が顔を出す様子
をご紹介しました。
7月8日(月)
この日の朝、出勤してツバメの巣を見ると、巣の周りは静まり返っていました。雛たちもそろそろ毛が生え揃ってきた頃です。もう少し賑やかになるかと思っていたのですが・・・
そういえば、親ツバメが餌付けに来る様子もありません。お腹を空かせた雛が首を伸ばす様子も見られません。全く声がありません。巣をよく見ると、少し形が崩れているような・・・
・・・その時、1羽のツバメの声がしました。チュピ・・・チュピ・・・
そして、久しぶりに仕切りの角に止まりました。それにしてもおかしい・・・いつもなら真っ先に巣に立ち寄って雛たちに餌を与える筈なのに・・・
ツバメさんは鳴きました。
チュピチュピチュピチュピ・・・チュピチュピチュピチュピ、ジ~~~
これは周囲の雄への警戒や雌への求愛の鳴き方のようです。周囲に他のツバメの姿は無かったので、どこかにいるであろう「雌への求愛行動」と思われます。
その時、全てを悟りました。私の知らない間に巣が外敵に襲われたのでしょう。残された雄のツバメはもう一度パートナーを見つけて、一からやり直そうとしているのかも知れません。
ツバメは1年に2回繁殖するとも言われています。まだ、チャンスが残されているということでしょうか。しかし、つがいになってから雛が孵るまで約1か月・・・もし、再び雛が孵るとしても、その時は真夏の日射しが照り付けることでしょう。
7月9日(火)
この日も、巣の周りは静かでした。
ふと、ツバメの声が聞こえました。ピィッ!・・・ピィッ!・・・ピィッ!・・・危険を伝える鳴き声の様です。
1羽のツバメが辺りをグルグルと飛び回り、その後一瞬ですが大きな黒い鳥・カラスが巣に接近してきました。
カラスが去って暫くすると、チュピ・・・チュピ・・・と声がして、仕切りの角を見ると1羽のツバメさんが止まっていました。
チュピチュピチュピチュピ・・・チュピチュピチュピチュピ、ジ~~~
大声で鳴いた後、次なるパートナーを求めて、梅雨空に飛び立って行きました。
7月10日(水)
この日の朝も、空になったツバメの巣がひっそりと残されていました。
そして、ツバメの飛ぶ姿を見ることもありませんでした。いつもの仕切りの角に止まることもありませんでした。
7月12日(金)
あれからも姿は見えないものの、時々ツバメの声がします。まだ、この辺りをグルグル回っているようです。あとは、残された壁の巣をどうするか・・・それが悩み所です。
今頃はどこかで新たなパートナーを見つけ、新たな場所でやり直しているのかも知れません。
生まれたからと言って、必ずしも大人に成長できるとは限らない中で、しっかりと生き延びて繁殖するまでに至っただけでも、あのツバメさんは凄い強運の持ち主です。
今度こそ、雛の巣立たせることができますように・・・