日本気象学会・機関誌「天気」7月号が届きました。
7月号には私の「
新潟県中越地方における冬期間の気温と風の時刻依存性の検討」と題した短報が掲載されています(6月号に続いて、2号連続の掲載となりました)。
今回も、担当して下さった編集委員さん始め、査読者を務めて下さった皆さん、「天気」編集委員会の皆さんには大変お世話になりました。丁寧なアドバイスやコメントを通じて、データの解析の手法やその意味に至るまで、色々と教えて頂き、独学では得られない多くの学びを得ることが出来ました。
毎度のことながら、私にとって投稿~掲載に至るまでのプロセスは、
自分になかった知識や発想・視点を教えて頂ける、ある意味「
個別のレッスン」を受けられる、そんな
貴重な機会なのかもしれません。そして、今こうして印刷・製本されたページを見ると、とても感慨深いものがあります。
さて、私のフィールドは全国各地を対象とするような「
広域の気象」ではなく、対象範囲を限定した「
局地気象(局地予報)」です。局地予報を行うためには、その対象となる地域毎に異なる「
地域の気象の特徴」を知ることが大切となるのは言うまでもありません。
そして、地域の気象に関する様々な知見をただ「
断片的に」知るだけではなく「
理論的に」体系づけて、いわば物理学で言う所の「
統一理論」のようなもの(=
一つの理論から様々な局地気象の特性を説明できるようなもの)を構築したい、と思っています。例えば、山形県の冬の局地気象についての統一理論であったり、新潟県の局地気象に関する統一理論のようなものです。
あまたある気象学の専門書を開けば、それこそ日本全国・世界各地の局地気象に共通する「
普遍的な知見」が多く掲載されています。それらを基にして「
自分の周りの地域」について、
どのように応用・適用していくのか。その
自分なりの理論であったり、自分のオリジナル教科書のようなものを、自分の手で、自分の力で作り上げる・・・。
全国の気象予報士が、それぞれ自分の身の回りの地域の局地気象について、独自の理論を構築・発表するようになったら・・・きっと凄いことになるでしょうね。