計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

なかなか「しぶとい」この冬型・・・

2011年01月21日 | 気象情報の現場から
 冬型の気圧配置が続くと雪が降り続くので、正直ウンザリしてしまいます。しかし、一口に「冬型の気圧配置が続く」とは言っても、天気図を見ていると等圧線の走向や上空の季節風の条件は常に同じであるわけではなく、その表情を微妙に変化させています。そして、これに呼応するかの如く、県内における降雪の動向も少しずつ変化しています。つまり、事例解析に必要なサンプルデータが次から次へと得られるチャンスに恵まれている、という事でもあります。

 そこで最近は、上空の季節風と新潟県内の局地的な降雪傾向との関連性について、実際の観測データの分析と熱流体方程式に基づいた数値実験の両面から解析を進めております。前者は「帰納的」な手法である一方、後者は「演繹的」な手法と言えるでしょう。アメダスデータを基にフリーハンドで流線解析や等値線解析を試みる一方、数値シミュレーションによる仮想実験も行っているのです。さらに、夜は学習塾で受験指導に明け暮れる・・・。

 2010年は学会発表や外部での講演を一切行わない結果に終わりましたので、2011年は(既に大学院での講演実績が1件できましたが)学会発表を1件は行いたいと思っています。現在の解析の成果をなんとか今年の学会発表に結び付けられるようにしたいと思っています。


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今度は「センター試験」寒波の襲来

2011年01月16日 | 気象情報の現場から
 冬型の気圧配置が強まって、今日が2日目となる大学入試センター試験にも開始時間の繰り下げ等の影響を与えました。最近の寒波の事例を局地レベルで見ていると、つくづく感じるのは・・・天気図上で「上空の強い寒気+冬型の気圧配置の強化」が予想されたとしても、それをもって即「雪が降る~大雪に見舞われる」と判断してはいけない、という事。冬型の気圧配置であれば、一般的には「上空の寒気+季節風進入⇒雪が降る」と考えるの妥当な所です。しかし・・・「そうは問屋を卸させない」メカニズムが働くようです。数値実験を繰り返した結果、その傾向が見えてきました。

 さて、去る13日には大学院(機械系)の教壇に立ってきました。今回の受講対象は主に、乱流や熱流体現象に関する数値シミュレーション解析を研究している大学院生の皆さんでした。機械工学と気象学と言うと、一見、関連性が無いようにも思われますが、熱と流れの物理現象と言う視点になってみると、どちらも同じ物理学の法則に立脚しているので、同じベースの上に成り立っていると言えるのです。かくいう私も元は機械工学の出身です。

 今回は、中学校の理科で学ぶ天気図のレベルから始め、その次に大気大循環と傾圧不安定、温帯低気圧に関する理論を一通り概観し、山越え気流を中心に局地気象の解析モデルの考え方を解説した後、これまで手掛けてきた数値実験の解析例を紹介していきました。最後は、気象庁における天気予報の流れと数値予報について概説し、実際の数値予報図などもを織り交ぜながら解説していきました。

 日頃から接している分野とは全く異なる領域のため、学生さんには難しかったかもしれませんが、それでも最後まで真剣に受講されていたのが印象に残っています。何はともあれ、大学院の講義も無事、終了しました・・・。

 塾の方でも、いよいよ本格的な(高校)受験シーズンです。早い人では既に、私立高校の推薦や専願で合格が内定している生徒さんも居りますが、多くの生徒さんは3月の公立高校入試に挑みます。私にとっては「正念場」が続きます。


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2011年・・・ニ(2)重丸(0)の良い(11)年になれ!!

2011年01月06日 | 気象情報の現場から
 新年の仕事始めを迎えた方も多いのではないでしょうか?

 さて、年賀状や新年の御挨拶等では「今年も良い年になりますよう・・・」というフレーズをよく見聴きしますが・・・ん?、ちょっと待て、今年「も」?・・・去年も、一昨年も、そんなに「良い年」だったと言えるだろうか?・・・と首を捻ってしまうのです。

 これはむしろ、今年「こそは」の方が適切ではないのか?・・・と感じています。今年こそは、私にとっても、弊社にとっても、そして日本にとっても、今度こそ良い年に、マシな年に、なってほしい!!そう願わずにはいられません。2011年と言うのは、きっと「二重丸の良い年」の筈です・・・。

 相変わらず、政治や経済については悲観的な予測が目立ちますが、状況は時々刻々と変化します。ネガティブな状態もあれば、ポジティブな状態もいずれ訪れます。そして、どんな未来予測にも「絶対」はありません

 そういえば、また寒波が押し寄せて来ています・・・今度は「小寒(しょうかん)寒波」と言ったところでしょうか?

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謹賀新年

2011年01月01日 | 何気ない?日常
 新年明けましておめでとうございます。

 この正月も私はフツーに仕事してます。そのせいか、紅白歌合戦を見ても、なかなか「年越し」の実感がありません。フツーのひと月が終わって次の月に代わるのと何ら変わりません。仕事しながらブログも書くし、数値シミュレーションの計算プログラムも走ってるし、もちろん年越し寒波の影響も注視しています。局地気象については、過去の観測結果とそれまでのシミュレーション結果を基に仮説を立て、さらに新しい条件を設定してシミュレーションを行うと・・・また思いもよらなかった発見があり、さらに仮説を修正する・・・そんな事の繰り返しです。

 そして、13日には大学院(機械系)の教壇に立つので、その講義の準備に追われているのです・・・もう、2週間無いんです(爆)!!旧年中は学術研究はあまり進んでいなかったので、今頃になって慌てているのです・・・。学生の皆さん、私のようにならないためにも、宿題は計画的に進めましょう!(←いかにも塾の講師らしいコメント)。かつては山形県の冬の気象が研究のメインテーマでしたが、今ではお隣、新潟県の冬の気象に強い関心を持っています。

 大雪と寒いのは正直言って「大嫌い」ですが、それらをもたらす局地気象の「力学的メカニズム」には非常に興味があります。やはり雪国に生まれ、これまでの人生の大半を雪国で過ごした気象予報士としての宿命なのかもしれません。例え降雪を人為的に制御することは不可能だとしても、せめて的確に予測できるようなノウハウを実現したい・・・。かつても今も、その想いは変わりません。

 2010年は社会を見回してみると、確かに明るい話題もありましたが、ネガティブな話題の方が多かったような気がします。これでもか、というほどネガティブな話題やら出来事が続くと、本当に日本全体がモヤモヤというか、ネガティブな空気に満ちているかのような感じにさえ思えてきます。

 しかし、うつむいていても何も始まらないし、進みません!しっかりと前を見据えて、一歩一歩、着実に歩んでいくしかない・・・私はそう思います。今年は私も着実に、かつ徹底的に「爆走」していきたいと思います。今までは準備の年、これからは快進撃の年!!

 今年は日本が、そして世界が明るく面白い、そしてエキサイティングな年となりますよう・・・。


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