◎月の女神から不死のドリンク
月の女神と言えば、日本ではセーラームーン。アリアドネーは、ギリシア神話に登場するクレタ王ミノスの娘。アリアドネーとは、きわめて純潔な女性の意。これは神の娘であることを意味し、月の女神であり、冥界の支配者であることも暗示する。
さて同じ時代の建築家ダイダロスは、クレタ島に舞踏場を建設した(ホメーロスによる)。これは、実は二重螺旋の地下迷宮のことであった。
アテーナイは、九年ごとに七人の少女と七人の少年をミノタウロスの生贄としてクレタに差し出すことになっていた。テセウスはこの七人の一人としてクレタにやってきた。
アリアドネーはテセウスに恋をし、彼と共に迷宮に入ることになった。アリアドネーは設計者ダイダロスの助言を受けて、迷宮(ラビュリントス)に入って、迷宮の最奥でミノタウロスを倒し、首尾よく地上に戻ることができた。ミノタウロスは、実はアリアドネーの半兄弟にして、牛身人頭の怪物であったことは、ゲーマーならずとも皆ご存じのことだろう。
地下迷宮は、ダンス場でもあったから二重螺旋の地下迷宮を最奥まで行って戻って来るとは、中心から出て中心に還ってくる輪舞としても表現される。
地下迷宮とは黄泉の国であり、イザナギノ命の黄泉の国探訪で、黄泉の国の醜女軍から攻撃されるのと同じモチーフ。
西洋庭園などの迷宮好きは、この辺を承知していた人物がいたことを感じさせられる。
円舞輪舞と言えばスーフィだが、スーフィは禅と同様に文字の教えでなく以心伝心であるのが面白い。
月の女神あるいは冥界の女神には、蜂蜜あるいはアンブロシアが捧げられる。アンブロシアはネクターあるいはソーマであり不死の飲み物エリクシール。
インドでは、これをおしっこの形で与えようというのをウッタンカ仙人が拒んだ故事がある。