アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

特攻隊生き残りのいた時代

2023-05-27 06:21:26 | 時代にFace it

◎意識の極限状態を通過する

 

最近再放送された『NHK 土曜ドラマ 山田太一シリーズ 男たちの旅路』では、鶴田浩二扮する吉岡晋太郎は特攻隊の生き残りを演じている。自分のことを死にぞこないと自嘲し悔恨しつつ、死んで行った仲間の思いを無意識に背負って生きている。そんな彼らが、全共闘世代の若者と軋轢しているドラマ。

 

本当の特攻隊上がりの俳優と言えば、西村晃であって、彼を見る時はいつも刮目して見たものだ。彼は徳島航空隊の特攻隊員として配属され、出撃機不良で基地に引き返し、その後終戦を迎えた。生き残った特攻隊の友人は、裏千家15代家元の千玄室だけだったという。

 

意識の極限状態を通過するというのは、そのような状態を言うのであって、明日死ぬとわかった者の精神状態も一つのそれなのだろう。冥想修行者の悟る悟らないはそこを問う。

 

特攻隊というのは、集団で意識の極限状態にさらされるものであって、そういう状況を『凡夫の耳も菊の年』などと言う。これからもそういう状況はあるのだろう。

 

昨夜、関東で緊急地震速報が鳴って震度5弱から3程度揺れたが、鳴っている瞬間もまたプチ意識の極限状況と言えなくもない。

 

男たちの旅路に出てくる若者役は、全共闘世代。1950年生まれは、全共闘世代の最後の方で、1970年安保闘争は最後の大きな運動だったのだろう。1950年生のダンテス・ダイジは当時二十歳であって、そのような左翼のうねりの強い時代にあって、求道を貫けたことは、彼はわれわれの世代とは、ほんの数年しか違わないが、もの凄いことだと思う。

 

1970年11月25日の三島由紀夫の自決は、右への揺り返しを狙ったものだろうが、影響力は小さく、線香花火のようにはかなく終わった。さらにその後右翼勢力がここまで弱体化することは、出口王仁三郎も“こんにゃく”と予言している。

 

ソ連が崩壊し、独覇米国も弱体化した今、右も左も決定打となりえないことは、歴史が学んだ。今問われるのは、万人が本当の自分に真剣に向き合えるかどうかだけである。

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