◎宗派を超えた対座冥想用テキスト
「冥想道手帳 MEDITATION WAY MEMO/ダンティス・ダイジ」は、3部分に分かれ、理解篇、修行篇、経文篇となっている。これまでに公開したのは、理解篇のすべて。
修行篇は、各種冥想法の説明であって、公刊された「ニルヴァーナのプロセスとテクニック」や「アメジスト・タブレット・プロローグ」に記載された各種冥想法が簡単に書かれている。
この冥想道手帳は、ダンテス・ダイジが高弟と対座冥想を中心とした修行を進めるためのいわば書下ろしテキスト。「ニルヴァーナのプロセスとテクニック」が数年後に出るが、それ以前の弟子たちの修行のよりどころになっていたものだと思われるが、見仏見神見性していた弟子もおり、そうでない弟子もいて、弟子でない単なる知人もいた中で、見仏見神見性を前提とした冥想道手帳は、衝撃的であった。いやむしろ、何を書いているかわからなかったところが三分の二くらいあったというべきか。
何を書いているかわからない理由は、ダンテス・ダイジがそもそも猛烈な読書家でもあり、私のこの注釈でもわかるとおり、彼独特のテクニカル・タームが理解できないと全く意味がつかめないからである。たとえば代表的なテクニカル・タームは宇宙意識であり、それがニルヴァーナを意味すると確信し、さらに冥想のステップについてある程度のイメージがないとわかりにくいのだろうと思う。
一言で「宗派なき冥想」とか、「あらゆる宗派共通の冥想ステップ・冥想理論」と言っても、それを説明するのは容易ではなかったのがわかる。それは、彼の最初期の「超宗派的冥想」を読んでも、普通の大学生が、冥想の意味と広がりの全容をつかめるものではなかったが、この「冥想道手帳」によって時間も空間も自分も現象も死も生も越えたものは、どうも理解できないことが多いということから始まる人が多かったのではないかと思う。
冥想道手帳の成立は、1978年で、既に45年を経過しているが、内容は今なお新しく、経年劣化などしていない。究極から来る本というものはそういうものだと思う。
経文篇は、実際に冥想実習で用いる経文・マントラが多数掲載されている。
経文篇には、以下のようなものが含まれている。
開経偈
三法印
七仏通戒偈
魔訶般若波羅蜜多心経(般若心経)
久遠いのちの歌 谷口雅春(生長の家)
白隠和尚坐禅和讃
興禅大燈国師遺誡
観世音菩薩普門品偈
これらに、オリジナル・マントラが何種類か追加されている。
当時ダンテス・ダイジは、ほとんど古神道は説かなかったが、大本宣伝歌が経文篇の最後の方に入っているのは、目を引く。
まことに宗派は気にしていないが、各宗派を肯定している。各宗派を肯定していると言うのは簡単だが、意味をとらえるのは容易なことでない。この冥想道手帳の【コース選定】や【冥想五大の道】がわかるようになって一人前なのだろうと思う。