ブーンブーンと機械音が聞こえていた。
何となくベランダから見てみると、お隣のご主人が電動草刈機で庭の草を刈っていた。
お隣は、ガーデニングにまったく興味がないようで、
花も野菜も、人が手をかけて植えたものはいっさいない。
ただただ雑草が生えているだけだ。
でも、その雑草を割とこまめに刈っているので、
鬱陶しいとか荒れ果てたとかいう感じはない。
ただ、どうしても、寂しくて癒しにかける。
その中で、たんぽぽが、唯一の彩りだ。
緑の中で、風に揺れる鮮やかな黄色が目を楽しませていた。
それが、電動草刈機の刃で容赦なく倒されている。
どうせ、花も野菜も育てているわけではないのだから、
たんぽぽくらい咲いていても、
邪魔でもなんでもないだろうと思うのだけれど。
ままごと遊びをしたり、花の首飾りを作るこどもたちもいない今、
たんぽぽは邪魔な雑草に過ぎないのだろう。
やはり、刈り倒したくなるんでしょうね。
でも、地面に倒れた黄色い花を見ると、なんだか可哀想。
見た目は菊の花とたいして変わらないのにね・・・
たんぽぽを 雑草と知る 草刈日
珊瑚