朝霞駐屯地にK1佐を訪ねて訪問したのはちょうど渡米の2日前。
その後アメリカでの体験をご報告している間に
すっかり間が空いてしまいましたが、最後のご報告となります。
陸自広報館である通称「りっくんランド」の見学も、あとは
10式戦車だけとなりました。
ご存知のようにヒトマル、10式戦車は2009年(2010年ではない)に
制式となった日本国陸上自衛隊の誇る最新国産主力戦車です。
砲塔の左右側面にある部隊章。
富士山の意匠ですが、これは自衛隊富士学校の10式戦車隊の
部隊章ではないかと推測されます。
このように他の戦車などと並べてあるわけですが、
なぜか10式だけが柵で囲われ、近づけないようになっています。
なぜでしょうか。
「いつでも稼働できるようにじゃないでしょうか」
K1佐のお答えです。
そして見よこの銘板を。
注目すべきは2点。
まず、これが
「防衛庁」技術研究本部
の所有であるということ、そして
「戦車1号車」
となっていることです。
開発を担当したのは神奈川県相模市にある防衛省の技研ですが、
このときはまだ防衛「庁」だったんですね。
試作車両として公開されたのはwikiによると2号車だったそうなので、
ここにあるのは正真正銘最初の10式試作型であったことになります。
後ろ姿。
「新作でもなければ戦車を導入するときに式典はしない」
とK1佐はおっしゃっていましたが、10式導入に当たってはやはり
機甲科部マーキングに最後の筆入れをする
「入魂の儀式」
とテープカットが、機甲科部長によって行われています。
この試作第1号は、そのときに試作3号車や量産車と共に
報道陣に公開されました。
だがしかし(笑)この試作第1号車は実質第一号ではないのであった。
砲塔などの研究用に「第0号車」なるものが存在したそうです。
こちらは10式ではなく、隣の74式の後部。
丸みのある砲塔が実に親しみを感じさせる(個人差あり)シェイプです。
この日、当資料館見学車は平日の昼間であったこともあり
我々のいた時間にせいぜい7人というところだったのですが、
一人でやってきて見て回っているおじいちゃんがいました。
わたしたちが外の見学を終え、中に入ろうとすると、おじいちゃんは
制服姿のK1佐を呼び止めて自分のカメラを渡し、10式戦車の前で記念撮影。
おじいちゃんモデル立ちでポーズ決めてます。
10式の向かいにはヒューイや榴弾砲、自走砲が。
これらの装備群はこの日行かなかった二階部分から
見下ろすことも出来るそうなのですが、次に来たときには
ぜひその部分にも立ち寄ってみたいものです。
館内に戻ったわたしたちは、何となくそこで放映されている
観閲式のビデオを3人で眺めました。
「わたしは防大のとき観閲行進に参加しましたが、防大は
全ての部隊の一番最初に入場するんですよ」
とK1佐。
整列したら「鼻も掻けない」ので、大変辛いそうです。
凛々しい表情でそんなことは意にも介していないように見えましたが、
やっぱり中の人はそのような感想を持つのね。
何か安心しました。
そこでわたしは、K1佐がもう案内は一通りすんだのだけど
自分からとっととそこを去ることができず何となくどうしよう、
と思っておられるらしい空気を読んで、
「わたしたちはギフトショップに行きますのでここで」
といい、お礼と挨拶をし、3人で写真を撮って別れました。
さて、待ちかね、ギフトショップに突撃~。
いきなり目立っていた陸自くまモン。
迷彩服がよく似合うぜくまモン。
手提げがついているところを見るとこれはカバン?
うわー初めて見たよ迷彩パウンドケーキ。
陸上自衛隊以外のどこで売ることができるか、って感じの
ピンポイントなパウンドケーキ。
緑は抹茶、茶色はチョコレート、グレーは胡麻?
この取り合わせは味のコンビネーションとしても悪くないのではないか。
しかし、いかに自衛隊の売店であっても実験的過ぎて
売れるかどうかに不安があったため、入荷は少ししかしてません。
わたしも買わなかったしな。
護衛艦きりしまと合体したキューピー、
護衛艦「きゅぴしま」
のみならず、陸自キューピーもあるぞ。
迷彩服に迷彩メイク(クラシエ使用)をした本格派。
というわたしがここで買った記念品はこれ。
すみません、陸自基地に来て潜水艦キューピーを買ってしまうのだった。
「きゅぴしま」に続いて二代目海自キューピーは
潜水艦「きゅぴしお」。
なにやら後ろにスクリューを思わせるものが・・。
わたしはこれをデジカメのストラップにつけることにしました。
糧食についても新たに知ることになった今回の訪問。
なんと、
「色ごはんをおかずに白飯を食べる」
という究極の炭水化物重視が戦闘糧食の基本だったのですが、
さすがに売店で売られている一般向けはそんなものではなく、
ちゃんとおかず+ご飯という真っ当な組み合わせとなっております。
いかなるときにも場所でも食べられるように、レンゲと
紙ナプキンもセットされておりますので非常食に最適かも。
執務室を去るとき、K1佐は前もって用意してくれていたらしく、
前任地のオで始まってマで終わる県の地本の萌えキャラグッズを
袋につめてたくさん下さいました。
これは、お年玉などをいれたりするようなぽち袋状の封筒。
何に使おうかな(困惑)
マウスパッドとハンカチ。
これはどちらもアメリカに持ってきました(笑)
パッキングをしているときに何となく近くにあったので何も考えず
トランクに入れたのですが、ちゃんと使ってます。
「とある○×のナニナニ」
というのは何がオリジナルなんでしょうか。
とある地本の自衛帳。
息子が全く意味が分からず悩んでいたので、自由帳のパロディだと教えると
「自由帳ってなに?」
そこまでわからなければもう理解は諦めてくれ。
彼女らは岡山地本のイメキャラですから、
陸自=吉備桃恵
海自=瀬戸水匍
空自=備前愛梨
という、地名と匍匐前進の匍などを盛り込んだ名前です。
陸海空の制服に加え迷彩戦闘服、フライングスーツ、そして
何とマニアックなことに海自は潜水スーツ?
ちなみにこの萌えキャラの選定にはK1佐がふかーくかかわっています(爆)
執務室から外に向かうとき、K1佐は別の部署に立ち寄りました。
そこには広報の制作した各種パンフレットや音楽隊のCDなどが
見本としておかれているコーナーがあったのですが、K1佐は
そこにいた責任者のような自衛官と一緒に、興味を引きそうな
広報資料やCDを見繕ってどんどん袋に入れてくれました。
上はお好きな方ならたまらない、「ARMY」。
陸自はなんとこんなところでさりげなくARMYを主張していたのか。
と思いきや、じつはこれ
Active(アクティブ)
Reliance(頼りになる)
Morale(士気)
Yearning (あこがれ、切望)
です。アーミーじゃありません、てか。
内容は各駐屯地の活動(災害派遣含む)記録、式典などの報告、
イベントやコンサート、写真展の様子など。
宮城県石巻市の中学生が防衛省を訪れ、震災のときの活動に対し
自分たちの合唱で感謝を表わしたというできごとや、
八尾で行われた不発弾処理に対して市長から感謝状が出された、
などという嬉しい報告もあったりします。
10式戦車を開発した企業によるトークショーがイベントで大人気、
などという記事もありました。
このときなぜか2枚頂いてしまった東部方面音楽隊のCD。
《収録曲》
1. 行進曲「絆」~復興応援行進曲~ / 大沢宏直
2. 「竜虎相克」~川中島の戦い~ / 田中賢
3. バレエ組曲「火の鳥」1919年版 / I.F.ストラヴィンスキー
4. 「The Wave」~ソロ・マリンバと吹奏楽のための小協奏曲~
/安倍圭子・和田薫
ですが、「火の鳥」は勿論「竜虎相克」というのがかっこよす。
2枚あっても仕方がないので、どなたか聴いてみたい!という方、
先着1名の方にプレゼントします。
ご希望の方はコメント欄でお申し込み下さい。
ここにもあった、サンダーバードと自衛隊のコラボポスター。
一枚の画面に
自衛官募集
サンダーバードのブルーレイコレクターズBOX
自衛官の雇用
と盛りだくさんです。
サンダーバードに対抗して、自衛隊からはピクルス王子三態。
組み合わせがシュールです。
さて。
王様のブランチの姫・橋野さんが誰なのか、わたしは
はっきりいって全く知らないので言及を避けますが、
このシリーズで何度も槍玉にあげてきた民主党のレンホー議員。
これについて、わたしはぜひ「生の感想」を聞いてみたいと思い、
K1佐にあえて話題を振ってみました。
あまり多くはおっしゃいませんでしたが、わたしが
「結局仕分けの有料化が決まって・・がっくりされたんじゃないですか」
と訊ねると、
「はあ。散々はしゃいであれはいったいなんだったんだ、と・・・」
やはりそれが中の人の心の叫びだったんですか。
そう思ってこの写真に添えられた説明を見ると
「蓮舫議員も
店内で
楽しんで
いました。」
この後に「あれはなんだったんだ」がつくわけですねわかります。
ところで今年も富士総合火力演習、総火演の季節となりました。
2014年度の入場券当選倍率は24倍だったといいます。
このときたまたま話題に出たので
「総火演、去年申し込んだんですがかすりもしませんでした」
というと、
「ああ~、あれは倍率が高くて難しいみたいですね」
と他人事のようにおっしゃったので、たとえば偉い人権限で
チケットがもらえるなどと言うことはないと悟りました。
「青少年同伴で申し込んだら当選しやすいってことだったんですが」
などといかにも残念そうに行きたいオーラを醸し出して
奇跡が起こるのを待つことにしましたが、どうなりますことやら。
というわけで朝霞駐屯値訪問記終了です。
お世話になったK1佐に敬礼!