わたしが平日の昼、ジェレマイア・オブライエンを見るために
フィッシャーマンズワーフに行ったという話をすると、
息子が「いいなあ、行きたかったなあ」というので、最後の週末、
二人で最後のサンフランシスコを楽しむため行って参りました。
サンフランシスコは半島にある街なので、東西北が海に面しています。
ピアが随所に残り、たとえばここはピア33。
観光地として有名なフィッシャーマンズワーフは、JOや
潜水艦パンパニトと同じピア39にあります。
さすがに週末なのでいつも車を停めているセーフウェイなどのある
モールのパーキングには長い列が出来ており、断念。
ピア33の近くの「利用者割引の効かない」パーキングに停めました。
息子はこちらで帽子を買いました。
ちょっとミュージシャン風に決めたつもりで悦にいってます。
ここにはヨットハーバーがあります。
サンフランシスコ湾でヨットというのはいかにも贅沢。
ここにヨットを繋留しているような暮らしはこの地方に住む
豊かな生活の典型で、人々の憧れるライフスタイルです。
かと思えば若くて五体満足なのにホームレスになる人もいて。
おまけに真っ昼間からお酒をかっくらって寝ています。
カモメはこの辺りでは非常に態度がでかくて(笑)
観光客の食べているものを後ろから狙ったりします。(目撃談)
数分歩くとピア39に到着しました。
ここから奥にあるのがいわゆるフィッシャーマンズワーフという名の
ただのモールで、サンフランシスコの観光地の一つとなっています。
日本にも進出しているのでご存知と思いますが、
映画「フォレスト・ガンプ」をテーマにした「ババ・ガンプ」もあります。
わたしたちは何となくお昼ごはんでも食べてぶらっとして、
お土産のTシャツでも買って帰るか、という感じでやってきたので、
まずはどこかに入ることにしました。
「ババ・ガンプは?」
「今は気分じゃないな~」
以前来たときに美味しかったシーフードの店は、前に長蛇の列。
他の店を探してみると、奥の二階に新しく日本料理店がありました。
案内のお姉さんは珍しく全員白人系で、キモノ風の上着を着ています。
シーフードといえばジャパニーズ、スシ。
ここはスシもあるけど石焼きステーキもあります、なお店で
アメリカ人にも人気の模様。
メニューは殆ど日本語がそのまま書いてあり、
インチキジャパニーズではないらしいことが分かりました。
わたしも息子も、写真に撮り損ないましたが、石焼ステーキを注文。
息子はチキン、わたしはスキャロップとエビです。
ガーリックのオイルを垂らして焼いた石の上に乗せ、
自分でジュージューして作ります。
このエビはわたしが人生でこれまで食べたエビのベストでした。
焼いてそのまますぐ食べるというのはこれほど美味しいものなんですね。
デザートも、抹茶のアイスやモチなど日本風です。
餅の天ぷらもありましたが、この日はデザートは頼みませんでした。
はっぴのお姉さんが案内してくれたのは窓際で、海の真ん前。
正面にはアルカトラズが見え、最高のロケーションです。
食事が来るのを待つ間前を行き交う船を見ているだけで楽しい。
この小さな船には客が乗っていましたが、何しろ揺れる揺れる。
良くひっくり返らないなと思うくらいの動揺で、
「これ絶対酔う人続出だと思う」
この日は風が強く、一層揺れが激しかったようです。
釣り船かな。
なぜか全ての船は皆が見ている前を横切ることになっていて、
海を見ている人に皆が手を振ったりしています。
カヌーの貸し出しもあるようです。
後ろの男性が客(ライフベストを着ているから)で、前が
インストラクターあるいは船頭だと思われます。
このカヌーが全く進まないので、この辺りの潮流の速さが良くわかりました。
3階建ての豪華観光船。
おそらくアルカトラズに行って帰って来るツァーではないかと思われます。
この海域を航行する小型の船の特徴は、船首が高く、
まるでアイロンのような形をしていること。
波が高くてもスピードが出せるデザインのようです。
なぜかファイアデパートメント、つまり消防署の
消火ノズル付きの船が、どう見ても消防署員ではない
普通の服を来た人たちを乗せて通りました。
消防署員とその家族のレクリエーションデーか、あるいは
いわゆる「オープンハウスデー」だったのかもしれません。
殆どトビウオ状態で海面を跳ねるように進んでいたボート。
これも観光船なのですが、ロケットフェリーという名の通り、
ものすごいスピードで進んでいました。
と思ったら、沿岸警備隊の船、キター。
気のせいか安定感がハンパではありません。
前にも説明しましたが、アメリカの沿岸警備隊の階級は
海軍のそれと全く同じです。
さて、船も面白いですが、行き交う人々を見るのもまた楽し。
この二人はおそらくヨーロッパからの観光客だと思うのですが、
男性のTシャツに注目。
「スピードレーサー」
タツノコプロが昔「マッハGoGoGo」という題で放映していたアニメです。
このシャツは、1997年にリメイクされた「スピードレーサーX」のもの。
同じ時期に1967年当時の白黒アニメも発売されました。
アメリカで放映されたのも殆ど同じ時期で、そのときのタイトルは
「スピードレーサー」だったとか。
2008年にはウォシャウスキー監督の実写映画が撮られていますが、
このときに同じ東洋人だからとうっかり採用した韓国人俳優のピ(別名1円芸人)
が、撮影の際に「日本人の役をしたくない」という理由で自分の役を
韓国人レーサー(笑)に書き換えることを強要したため「法則」が発動して
日本では勿論のこと、世界でもヒットしませんでした。
目を引いていたブロッコリーヘアの白人男性。
家族の肖像。
右はインド人家族。
左は白人の夫婦に養子二人。
アメリカでは子供に恵まれなかった夫婦が簡単に養子を取ることができ、
そういう家族の姿が至る所で見られます。
なぜ養子だと分かるかというと、親が白人であるのに対し、
養子の人種が違っているからです。
実際のところ白人の養子というのは滅多に「出物」がなく、
しかも大変「お高い」のだとか。
というわけで、だいたいは韓国人か中国人の子供になります。
「セックス&シティ」の登場人物の一人も、不妊に悩んだあげく
中国人らしい女の子を養子に迎えていましたね。
左の夫婦は、姉妹になるなら同じ人種にしようと決めたか、
あるいは最初から姉妹ごと養子にしたのかもしれません。
ヒスパニック系の大家族。
一般的なアメリカ人家族。
イスラム系家族。
お母さんは戒律を守って髪の毛を隠しています。
娘たちは髪を隠すなんてかっこわるい、といったところでしょうか。
彼女らはおそらくアメリカ生まれなのでしょう。
インド人の団体。
中国人の団体ももちろんいます。
女性があか抜けているのでおそらく台湾か香港人でしょう。
愛し合う男と女。
愛し合う男と男。
入り口のところまで帰ってきたら、人に触れずには歩けないくらい
観光客が一杯になっていました。
カニの形をしたモニュメント。
ストリートミュージシャンも、ここで演奏するにはオーディションが必要。
なのでここでやっている人は大抵プロです。
このおじさんはカントリーシンガーで、カラオケに合わせて
バンジョーの弾き語りをしていました。
CDもたくさん出しているようで、上手でした。
このあと我々は都心のユニオンスクエアに車を停め、
息子の新学期用に靴を買いに行ったのですが、
途中、車の窓からこんな人を見ました。
ラジカセを横においていますが、どうもオペラ歌手のようでした。
というわけで、実にサンフランシスコらしい一日でした。
最後に思い残すこと無くこの街を堪能した気がします。
この日フィッシャーマンズワーフのお土産に息子が選んだTシャツ(笑)