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バーキン片手に靖國神社

映画「勝利への潜行」 後半

2017-01-09 | 映画

本日冒頭画像ですが、ある事情があって、丸一日費やしてしまいました。

バックの潜水艦内をかなり細かく書き込んだ画像を製作し、
あとはアボット艦長の左側の潜望鏡を描けば出来上がり、
というところで、なんの前触れもなくペインターがクラッシュし、
一瞬にして何時間かかけた絵が消えてしまったのです。 

前回同じようなことが起こって「戦火の馬」のために描いた大作が
消えた時には、PCが古くて調子が悪かったせいだと思っていたので、
まさか真新しいPCでダウンロードしたばかりのソフトがクラッシュするなんて
予測もせず、セーブもしていませんでした。 

 

調べてみると、コーレルペインターには「得てして起こりうる事故」で、
(”秋になると落ち葉が落ちるようにペインターが落ちるのは自然なこと”
という名言さえあり) しかもこのシステムは自動セーブ機能がないので、
何人もの人々がこの不条理に泣かされていることを知りました。

 

脱力感と無念の涙にまみれながらも、自然の摂理なら仕方ない、
と0から作画し直したのが冒頭画像です。

2回目というのは手順が慣れているのでできるのも早いのですが、
何しろ気力がかなり削がれ、やる気が30%くらいになってしまい、
したがってバックの描き込みも前作の30%くらいの手抜きです。

実は、この作画中にも”秋の落ち葉のように”ペインターは落ちたのですが、
(しかも3回)さすがのわたしもこまめにセーブしておいたので、
大きなロスもなく、なんとか最後までたどり着いた次第です。

 

消えてしまったバージョンより背景を手抜きして人物中心の構図なので、
いっそのことセピアの思い出写真風にしてみました。

1945年6月9日というのは、この映画によると、作戦決行された日です。

 

さて、前半のエントリを自分で読み返してみて気がついたことがあります。 

水中処分員のウェスが、出撃前に「フリッパー」と「スリッパー」をかけて

「へい、シンデレラ、お前の魔法のスリッパーだぜ」

とフリッパー(足ヒレ)を仲間に投げつけられていたシーンは、実は

「ウェスはこのあと潜行に間に合わず、海に取り残される」 

つまり、彼がこのあと、シンデレラのように、時間が来れば魔法が解けてしまう
運命にあることを予感させる伏線だったことです。

 

あと、前回魚雷発射のアメリカ海軍の掛け声をご紹介しましたが、
裏コメで教えていただいたところによると、自衛隊の戦後の潜水艦隊は、
掃海艇として継続していた水上艦と違って一旦歴史が途切れ、
アメリカから供与された潜水艦でリスタートしたという関係で、
掛け声は例えば1番発射筒であれば

「1番管、ファイアー!」

なんだそうです。
これってアメリカ式の「Fire One!」そのままですよね。

もちろん水上艦では帝国海軍時代からの掛け声

「1番管用意。撃てぃ(テー)」

となるわけですが、水上艦の人たちはこれでないと力が入らないので、
潜水艦の「ファイアー」、あれは違うだろ、と内心思っているそうです。
(一部情報です)

 

さて、続きと参りましょう。
自艦と60名の部下を死に追いやった艦長のアボット(レーガン)。

副長のランドンは、ウェスを見捨てた件でも艦長を許していません。
こんな艦長の下にはいられない、と副長から艦長にしてくれるよう
上に頼みに行きますが、彼が艦長として乗るはずだった「シーレイ」は
なんとアボットが艦長、ランドンは又しても副長になる予定である、
と聞かされ、ショックを受けます。

しかも、アボットは彼を「艦長として不適任だ」と上に報告していました。

 

病院に文句を言うために押しかけていったランドン副長に
艦長は、

「君は緊急時に非情な命令を下すことができない。
だから艦長にはなれない」

その時、18歳の水兵フレディが目覚めたと言う知らせが。

彼はウェスの件で艦長に反発していましたが、その後
艦内で頭を打ってずっと意識不明となり、入院していたのです。

「仲間は・・・帰ってきますか」

「ああ・・皆君に会いに来る」

ついつい嘘をついてしまうアボット艦長。
フレディは艦長に自分の暴言を謝罪します。

「私の誤解でした。艦長は私を助けてくれた」

ランドンもフレディも、所詮艦長の命令を人間的な感情に基づくものだとして、
責めたり感謝したりしている、と知り、アボットは複雑な気持ちになります。

艦長の判断は部下が思っているような贖罪とか、
ましてや個人的好悪などとは無関係であるはずなのに・・・。

今日は楽しい公聴会。

公聴委員はアボット艦長に

「レーダーも探知機も故障したあと、命令にない行動をとって
日本の商船を見つけ独断で追跡したわけ」

を問いただします。

「 日本海への安全な航路を見つけることは作戦上重要です。
艦のダメージは作戦に支障ないと判断しました」

部屋の隅で怖い顔をしてメモを取っている副長のランドン。

「君は反対したそうだが、 艦長の命令は義務の無視あるいは放棄だったと思うか」

聴聞委員に意見を聞かれますが、彼は言明を避けます。

 

結局アボット艦長は不問に処されました。
潜水艦隊司令の意見によると、

「積極性や英雄的行為は無謀や命令無視と紙一重だからおk」

日本だとそれより艦長と副長が死ななかったことを問題にしそうですが。 

日本海出撃への命令発令と激励が行われ、アボット艦長は
「シーレイ」艦長として出席することになりました。

海軍の錨マークがついたカップに、黒人のボーイが注ぐコーヒーを
楽しみながら皆が歓談していると、ニミッツ提督がご入来。

冒頭のニミッツは本物ですが、劇中のニミッツ(昨日の冒頭画像に描いた人)
は、セルマー・ジャクソンという無声時代の俳優が演じます。

この人は晩年のニミッツに似ていて、2年後の映画「ザ・ギャラント・アワー」
でもニミッツ提督役で出演しています。

作戦はヘルキャッツ隊が3グループに分かれて日本海に侵入し、
対馬海峡で児童疎開の船を通商船を攻撃し輸送物資を断つというもの。

ちなみに字幕では「H・P・B」のグループとなっていますが、
英語では「ヘップキャッツ・ポールキャッツ、ボブキャッツ」と言っています。

ここでニミッツ提督からのありがたい一言。

「勝利を得るには物資を止めることだ。
諸君は日本国民に日本海ですら米海軍のものだと示せ」

生きて帰れないかもしれない任務。
恋人たち(ナンシーとレーガン)の最後の語らいですが、この時にレーガンが言う、

「戦後は武器を納入する仕事について、機雷を買い占め、
月の人間(The man in the moon )に売る」

の意味がいまいちわかりません。
月面に現れる顔(マンインザムーン)は「雨の海」「晴れの海」
が目、「雲の海」が口に見えることから、

「海軍相手に商売をする」

と言っているのでしょうか。 
これに対しブレア中尉は

「月には水はないわ。いつも一人で見ていたからよく知ってるの」

 

さて、出撃したものの、まだ乗員と馴染がないところに持ってきて、
副長のランドンが、艦長抜きで「スターフィッシュ」の沈没について
皆に説明したり、微妙に反抗的な態度を取り続けたりで雰囲気悪し。

ちなみにこのカップも錨マーク入り。
肉厚で大きくて、このカップ欲しいなあー。

対馬海峡付近、機雷のうようよする海中を進んでいく「シーレイ」。
機雷ケーブルに引っかかった艦体を艦長はうまく操作して切り抜け、
これで乗員の心をがっちり掴みました(たぶん)

しかしこの大海も敵の海、この海原も敵の陣。(by空の神兵)
すぐさま敵の駆逐艦が出現。 

(細かいことですが、日本の船が現れるシーンには一瞬音楽が
東洋調に変わります。相変わらず日本というより中国風ですが)

鎮座してやり過ごすも、容赦なく爆弾が投下され・・

えと、これたぶん実写だと思うんですが、魚雷を落としているのは
日本軍の駆逐艦でよろしいんでしょうかね。

駆逐艦の攻撃を逃れ、機雷原の下を航行して潜んでいた「シーレイ」は
日本の輸送船を見つけ容赦無く沈めにかかります。

魚雷発射がどんなスイッチで行われるのかこれを見て知りました。

ところで今更ですが、この作戦は、「オペレーション・バーニー」と言い、
作戦に参加した戦隊は「ヘルキャッツ」といいました。

「海軍のヘルキャッツ」はあだ名ではなく実際の作戦部隊名だったのです。

日本の輸送船はこの作戦で大打撃を受けました。
記録によると、米海軍の被害、潜水艦1隻沈没に対し、 
日本側は 

沈没   潜水艦1 特設敷設艦1 商船・輸送船 26以上

損傷   海防艦 1

というものです。



魚雷が当たり、「バンザイ!」と歓声をあげる魚雷発射係。
あのなあ、お前ら(略)

「シーレイ」のモデルは、ピアースズ・ポールキャッツ隊の
「スケート」(ガンギエイ)であろうかと思われます。

この作戦による「スケート」の攻撃で、
「謙譲丸」「陽山丸」「瑞興丸」などが沈没しました。

 

このシーンで魚雷戦を見ていると、「ファイア9」「ファイア10」
と発令するなり司令はスルスルと潜望鏡を下げてしまいます。 
その後、時計を見て、爆発音が時間通りにしなければ「ミス」と判断。

このころの潜水艦戦は随分アナログなものだなと思いました。



魚雷を外した駆逐艦が真上にやってきて今度はこちらが攻撃を受けることに。
爆発の衝撃で頭を打ったりして、けが人続出しながらもなんとか切り抜けます。

 

戦い済んで日が暮れて、戦果を和気藹々と話し合う士官たち。

「サンドフィッシュからの連絡がまだない」

とも言っております。
実際にこの作戦で戦没したのは「ボーンフィッシュ」でした。

 

そのとき防御網をくぐり抜けようとしてネットをスクリューに絡ませてしまいます。
脱出はできましたが、ネットをはずさねば艦は動けません。

そこで指揮官先頭、なんと艦長自らが船外に出て、
スクリューに絡まったネットを外すことになりました。

 

ネットを外せたのはいいものの、なぜかそれを自分の体に絡めてしまい(笑)
アボットがもがいているうちに、案の定敵の駆逐艦に発見されてしまいます。

「わたしは動けないから潜航しろ!」

叫ぶ艦長。

「ノー、サー!」

言い張る副長。
ランドンはここにきて初めて

「一人の命と艦と81名の命を天秤にかける」 

辛い選択を迫られたのです。
アボット艦長本人に諭され、潜航を命じたランドン副長は、
泣きながら潜水服の命綱を切り、駆逐艦との戦いに身を投じていくのでした。

見事駆逐艦を撃破し、艦長が生きている可能性を求めて
探査を命じる副長ですが、帰ってきた答えは

「ケーブルの音は聞こえません」

しかし、念のために(笑)のぞいて見た潜望鏡で、
奇跡的に海面にぷかぷか浮かんでいる艦長を発見したのでした。

「ありがとうランドン。
グアムまで泳がなくてすんだよ」

 

そして無事グアムに帰還。
作戦は成功裏に終わりました。

「君がシーレイの艦長になるならわたしは次の艦と副長を探さないとな。
もちろん、わたしには最高の男が必要でもある。
これは極めて個人的なことだが、ドン」

「いい考えです、ケイス」

最後の二人の会話は、艦長と副長だった二人の男が、これからは
ファーストネームで呼び合う友人になることを示唆しているのですが、
日本語字幕では

「君が艦長になると後任を探す必要がある。
君に匹敵する副長はおらんだろう」

「おそれいります」

テキトーに雰囲気で翻訳してんじゃねーよ字幕翻訳者。 
だいたい、いくらランドンが優秀だったとしても、

「君に匹敵する人材は海軍にはいない」

って、海軍が全面協力した映画のセリフでこれはないわ〜。


これじゃ日本では駄作と言われても仕方ないかもなあ・・・。

 

終わり。

 

 

 


 


映画「勝利への潜行」 前半

2017-01-09 | 映画

新春第一弾にお送りする映画のご紹介は、ロナルド・レーガン主演
「勝利への潜行」。

何かを検索していて知ったので取り敢えずCDを買ってみて、
もし面白かったらここでお話しする、 と予告しておいた、
レーガンとナンシー夫人の共演映画です。

 

年末、コーレルの絵画ソフトをアップデートしたので
初めてこれで冒頭の絵を製作してみました。


もっと言うと、本当は陸自降下始めに行く予定をしていたのが、
前日の雨の予報と、同行者が病に倒れたため参加を取りやめて、
その日一日が暇になったということもあります。

今年はグリーンベレーが参戦すると聞いていたので、
直前までは行くつもりしてたんですけどね。

 

さて、この映画、わたしにとっては最近見学したこともあり、
潜水艦の艦内シーンが見られて面白かったのですが、巷には

 
「潜水艦映画にハズレなしというジンクスを打ち破った」

(つまり面白くない)という評価すらあるようです。

 

 


もしそうだとしたらおそらくですが、それは俳優のせいだと思います。

たまたまこの顔がいいだけで、あまり表情筋の動かない主人公役と、
その俳優と5年前に結婚した比較的花のない女優が、
アメリカ大統領とファーストレディになるという未来がなければ、
おそらくこの映画も今以上に有名になることはなかったでしょう。

しかも、あのチェスター・ニミッツ本人が登場しているというのに、
「レーガン夫妻の共演映画」としてしか
映画史に名前を残していないというあたりが、
この映画の実際の評価と言えないこともありません。

 

さて、とっとと始めましょう。

驚いたことに、これがこの映画の冒頭シーンです。
ニミッツがカリフォルニアに住んでいたのは知っていましたが、
なぜかそのポストを映し出すという謎演出。

そしてポストに続き、予想に違わずご本人が出てきて、

「1944年にまだ日本列島が強固な要塞であったころ、わたしが指揮した作戦
(機雷で守られた日本海に侵入し、日本への物資の輸送を断ち
戦意を喪失させる)
には優秀な潜水艦長たちがいた。アボット艦長もその一人である」

てなことを言います。

元帥位には引退がないので、このころのニミッツはすでに72歳ですが、
郵便ポストにもある通り(笑)フリートアドミラルであり、軍服を着用しています。

その時にニミッツの口から紹介される潜水艦隊司令、ロックウッド中将。
この映画は、中将が1955年に著したノンフィクション、

「HELLCATS OF THE SEA」(海の暴れん坊)

をベースにしていて、映画には海軍が深く関与しています。

舞台はケイシー・アボット(レーガン)中佐が艦長を務める潜水艦、
「スターフィッシュ」。 

実際にありそうな名前ですが、仮名の潜水艦です。
イギリス海軍にはS級潜水艦にこの名前のものがあったそうですが。

まず登場するのはドン・ランドン副長
真面目で一途な軍人として描かれていますが、

「(本州に入ったら)ゲイシャガールでも拾いましょうや」

という部下の冗談に、

「ツノの生えたゲイシャ(機雷のこと)をな」 

と答えるような男(つまり面白くないギャグを真面目にいうような)
でもあります。 

「スターフィッシュ」は潜水隊を使って日本の機雷を採取しようとしていました。



時間になっても起きてこない潜水隊員、ウェスを副長が起こしに行くと、
女性の写真を抱いてまだ寝ていました。

その写真というのが・・いやいやいやいや(笑)

レーガン夫人、じゃなくって、この映画の上でもレーガンの彼女、
ヘレン・ブレア中尉。
実はウェス、艦長の彼女と知った上で ヘレンを好きになり、
彼女とデートまでしておったのです。
しかもウェス本人によると、

「She practically sat down in my lap and demanded attention.」
( 彼女俺の膝の上に座って気を引いたんだぜ。ちなみに字幕は
『デートするように俺に命令したんだぜ』となっていて間違い) 

二股かける魔性の女、ヘレン。恐ろしい子・・・!

・・・・にしては、いやなんでもない。

 

そう、この映画をつまらないものにしている原因の一つは、
ヒロインのイメージと女優のそれが一致しないこと。
後のレーガン夫人、ナンシー・デイビスはそこそこ評価された女優でしたが、
そのイメージ通り、役どころは大体良妻賢母的な人物がほとんど。

とても彼氏の部下の膝に乗って誘惑するような女には見えません。 

後の大統領夫人ナンシーは小綺麗で洗練され、若々しく、
絵になるファーストレディに見えましたが、この頃の彼女は
どういうわけか、36歳にして既に姥桜の風格すら出ております。

まあ要するに、俳優としては夫婦共々大したことなかった、
ということなんだろうと思います。 

ちなみに彼女が政治家に転身した夫がカリフォルニア州知事になり、
初めて「ファーストレディ」となったのはこの10年も後のことです。



出撃前、自慢げに「足ヒレ(フリッパー)だけで日本軍と戦った話」
を披露するウェス。 
仲間から途端に

「ヘイ、シンデレラ、お前の魔法のスリッパー(ガラスの靴のこと)だぜ!」

と足ヒレが投げつけられます。
字幕には全くこういうのが翻訳されていないので、面白くないともいえます。
(つまり評価が低いのは日本限定かも)

潜水艦から潜航中水中処分員を出すときのやり方。
人が内側ハッチの外に出たら、中から紐で引っ張って扉を引き下げ、
海中に出る者は二重扉の外側のハッチから出ます。

あ、そういえばこの間見学した潜水艦も二重ハッチになってたっけ。

ところが、機雷採取の任務中浮上していて敵駆逐艦に発見されてしまいます。
しかも、まだウェスが戻ってきていません。

彼が海上に浮かんでいるにもかかわらず、一刻を争う事態と判断し、
潜行を命じるレーガン艦長。

ちなみに日本で「潜航!」というところを、アメリカでは

「Clear the bridge!」

と言っています。 

エンジンを止めて彼を助けようという副長の進言も拒否されます。

容赦無く魚雷戦を命じる艦長。
ちなみにこの時の命令は

艦長「ベアリング」「マーク」

副長「ベアリング2−5−0」

艦長「ファイア セブン(7番発射筒)

で発射、です。

「ファイア ワン」「ファイア ツー」

というたびに金属がはじかれたような発射音が聞こえるのが
「ライオンフィッシュ」を見学してきたわたしにはツボでした。

「スターフィッシュ」は駆逐艦に魚雷を当てることはできましたが、
高速艇は狙いを外し、逆襲されて命からがら逃げます。

戦い済んで日が暮れて。
副長が死んだウェスのベッドに残されたナンシーの写真を見ながら
しんみりしていると、レーガン艦長がやってきます。

「 一人のために85人の命を犠牲にするわけにはいかない。
君もいずれその選択を迫られる立場になればわかる」

とレーガンは言うのですが、副長はついついナンシーの写真を手に

「その時、その男があなたの彼女とワルツを踊ったということが
ベースにあったのではないですか」

と女性ネタで責めてしまいます。
恋敵だったから見捨てたんだろう、と暗に言っておるわけです。

艦内にも微妙な空気が流れます。
19歳になったばかりの多感な青年、フレディは、
艦長が乗組員を見捨てたことが許せません。

 

さて、「スターフィッシュ」はグアムに帰還しました。
ここで艦隊司令のロックウッド中将と会ったレーガン艦長は、

「日本の輸送船を追跡して安全な航路を発見する」

という作戦を具申します。 

そこでガールフレンド、ヘレン中尉(ナンシー)と再会する艦長。
この時すでに彼らは結婚して5年経っていました。
そのせいか二人のシーンは熟年夫婦のそれみたいです。

この時に彼女が説明したところによると、ヘレンは

●バツイチであり、前の結婚は「最悪」だった

●まだ離婚していない時に二人は知り合った

●戦争中ということであなた(レーガン)は踏み込んできてくれない

●あなたが出撃中、自分が現役であることを確かめたかった 

そこでレーガンが

「だからそれをバートン大尉(ウェス)で証明したかったのか」

と問いかけると、

「彼は女の子にモテモテで今まで見た中で一番イケてる男だったけど、
あれは愛ではなかったの。
お互い、どうしてもこの人でなければダメってわけじゃなかったわ」

と浮気がバレた奥さんのようなことを言います。
要は、

「愛してるのはあなただけ。あれは遊びだったの」

というわけですねわかります。
しかし二人にとっての目下の問題は、ウェスが死んだことで
ランドン副長が二人を責めていることかもしれません。

次の任務は済州島の日本軍基地を爆破することでした。

「爆発性危険物」という怪しげな横書きの看板を倉庫にかけた
日本軍基地に「スターフィッシュ」は上陸部隊を送り、
金網を乗り越えているのに音に気づきもしない間抜けな日本軍歩哨のおかげで
基地に忍び込んで爆破に成功しました。

ところがここで日本の商船を見つけたアボット艦長、
先ほどの日本軍の反撃で魚雷発射室が浸水しているというのに、

「機雷のない安全な航路を突き止めるためについていく」

と言いだし、案の定浮上したところを日本の潜水艦に見つかります。

何度リピートしても何を言っているのかさっぱりわからない
帝国海軍潜水艦艦長の命令のお言葉。

ていうかこれどう見ても日本人の顔じゃないだろう。

とにかく、この潜水艦の魚雷が命中し、「スターフィッシュ」は
あっさりと沈没してしまいます。 

これってやっぱり艦長の判断が悪かったってことなんじゃ・・・。

85人のうち艦を脱出できたのは60名、そのうち助かったのは
艦長と副長の乗った救命ボート一隻だけ。

ほとんどの部下を自分の采配ミスで失った艦長は、

「60名も死んだのにわたしは脳震盪か。
こいつはとんだ勲章ものだ」

と自嘲するのでした。

「彼らの家族も、彼らの人生設計も知っていたのに・・・
わかるか」

という問いかけに

「わかるわ。
わたしもあなたが任務中はもう二度と帰ってこないんじゃないかと
毎分毎秒そればかり考えているの」 

って、なんかこの答えピントが合ってなくね?

さて、命令に反して勝手なことをした結果、今度は艦と
貴重な60名の部下の命を失った艦長の運命(処分)やいかに。

 

後半に続く。