らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

石鹸の代用「エゴノキ」

2021-05-14 | 

「エゴノキ」ってご存じでしょうか?
実は、私が知ったのも先日のことです。
その経緯は、NHKの関西の天気予報を報じる前にスポット的な話題を取り上げているコーナーがあって、そこで気象予報士の方が紹介していたことからです。
その時に、このエゴノキの果皮は石鹸の代用として利用されていたとのことでした。

”エゴノキの果皮が石鹸の代用?”
意外だったので、この木について調べてみることにしました。
すると、何と!この木が我が家にあったのです。
家内がいうには、鉢植えで庭の隅に置いてあり、既に花の最盛期は過ぎているとのことでした。

「エゴノキ」
エゴノキはエゴノキ科の落葉小高木で高さは7m~15mになります。
北海道から沖縄まで、日本全国の雑木林に多く見られる落葉樹です。
5月から6月にかけて小枝の先に短い総状花序を出し、釣り鐘状の白い花を下向きにつけ、秋には卵形の果実が熟します。

「花」
エゴノキはまず春に若葉が芽吹き、それから花が咲きます。
花は長い葉柄を持ち、枝の先にぶら下がるように咲きます。
エゴノキの花色は白花が主流ですが、ピンク色の花を咲かせる品種もあります。
初夏に枝いっぱいに雪のように白い花を吊り下げることから、英国では「スノーベル(雪の鐘)」と名付けられています。



「名前の由来」
名前の由来は、果皮には10%ものものエゴサポニンが含まれており、果実をかじると「エゴイ、エグ味」を感じることが名前の由来と言われています。
また、枝にたわわに垂れ下がった実を動物の乳房に例えて「乳成り」から「チシャ」に転訛し、別名「チシャノキ」とも呼ばれています。
万葉集には「ちさ」の名で登場していますが、他に、セッケンノキ、コヤスノキ、ロクロギなど、地方によって名前が多いのもこの木の特徴です。



「石鹸の代用」
果皮のエゴサポニンは界面活性作用(浸透作用、乳化作用、分散作用など)があり、泡立ちがよく、その果皮をすりつぶして水に入れて振ると白濁して泡立ち、石鹸水になるということです。
嘗ては、実際に石鹸の代わりに使われたことから、別名セッケンノキ(福井、大分、鹿児島)、シャボンノキ(福島)、シャボンダマ(茨城、千葉)、サボン(石川)などと呼ばれています。

また、果皮をつぶして川に流すと水が白濁し、そこにいる小魚類が酔って浮いてくるといいます。
奄美大島では干潮時に、エゴノキの実をすり潰した汁をサンゴ礁の水たまりに流すと、魚が麻痺して浮き上がってきたものを捕獲すると言われています。
そして、その捕獲した魚を新しい水に放してやると、たちまち息を吹き返したということです。