蒸し暑い日が続いています。
繁華街や商店街などでは、「氷」の吊り旗が涼しさを投げかけるかのように吊るされ、”中に入って食べてください”と、呼びかけているように感じる夏の風景が見られます。
「最近のかき氷」
最近のかき氷は昔と随分変わってきています。
口溶けの良いミックスジュースやバラのシロップをかけ花弁が入って高級感を演出しているかき氷、バーでは綿菓子を乗せて見た目も華やかなお酒のかき氷など、ユニークな味が次々登場しています。
そして、特に若い女性にはおしゃれなスイ―ツとしてかき氷が人気を集めているということです。
「名前の由来」
ところで、かき氷の「かき」はひらがなで書かれていますが、漢字ではどのように書くのでしょうか?
実は、漢字では「欠き氷」とかいて「かきごおり」と読みます。
昔、「削り氷(ひ)」と呼ばれていたものが「かき氷」になったのは、氷を砕いたものを示す「かき=欠き」からで、そこから「欠き氷」となったようです。
「かき氷の歴史」
かき氷の歴史は古く、平安時代、清少納言の『枕草子』に出てくる削り氷(けずりひ)が最初と言われています。
当時は現在とは違って氷は貴重な物でした。
その氷を刃物で削った削り氷は、貴族など高貴な人しか口にできなかったようです。
「日本初のかき氷店」
三河国出身の中川嘉兵衛は、横浜で英国公使・オールコックのもとでコックとして働いたのち、牛肉や牛乳を扱う店を開業しました。
そして、文久2年(1862年)の夏、箱館や諏訪湖から氷を運び、横浜の馬車道通りに日本で最初のかき氷屋「氷水屋(こおりすいや)」をオープンさせました。
店をはじめた当初は、「腹に悪い」という噂のせいでなかなか売れなかった氷水(こおりすい)でしたが、ひとたび安全だと分かると、夏の暑さもあって爆発的に売れました。
1杯2文で、2時間並ばないと買えないほどの人気だったそうです。
現在のような「かき氷」が店で販売されるようになったのは明治2年(1869年)6月のことです。
横浜の町田房造という人が、アメリカで学んできた氷の製法などを生かして開いた店で、「氷水」や「あいすくりん(アイスクリーム)」を発売しました。
これが日本のアイスクリームの第1号と言われていますが、最初のものはシャーベット風だったそうです。
現在、私たちは様々なかき氷を楽しむことができます。
老舗和菓子店のこだわりのかき氷、高級ホテルのラウンジで楽しむ高級かき氷など、子供の頃いちごシロップをかけて食べた「かき氷」は、いま新感覚のスイーツとして進化を続けています。
夏の暑さはまだまだ続きます。
最近では夏だけでなく、春、夏、秋、冬、オールシーズンかき氷が食べられています。
お腹をこわさない程度に美味しいかき氷をお楽しみください。