億劫
私は歳とともに出かけるのが億劫になりましたが、皆さんは如何でしょうか?
億劫とは、物事に手をつけるのに気が進まず、面倒くさいことを意味する言葉ですが、元々は、とてつもなく長い時間のことをいう言葉です。
そこで今日はこの「億劫」と言う言葉の語源を調べました。
「億劫」は仏教の言葉で「おくこう」と読みますが、それが促音化して「おっこう」となり、「おっくう」となったようです。
そして「億劫」とは、文字どおり「劫」が億もあるという意味です。
「劫」はサンスクリット語の「kalpa」の音写で、古代インドで最長の時間の単位だそうです。
「一劫」の長さは、四十里(約160㎞)立方もある巨大な岩石の上へ、百年に一度、天女が降りてきて衣の袖でその表面をなで、その摩擦でその岩が消滅するだけの時間であり、別の言い方をすれば、「一劫」は宇宙の一生の時間とも言われています。
その「一劫」が一億倍と言うことなので、とてつもなく長い年月で見当もつきませんが、永遠に近い長い時間のことです。
そこから「億劫」は「時間が長くかかるため、やりきれない」と言う意味や、計り知れない時間がかかることは容易ではなく、面倒に感じることから「面倒くさい」の意味で用いられるようになったそうです。