一向に収まる気配のないコロナウイルス。
一昨日には某旅行会社の主催する北海道へのGo To トラベルでクラスターが発生し、12人が感染したとの報道があり、大阪府では、某大学サークルで1人の感染が確認されて、同サークルの感染者は合わせて23人になったと報じられています。
新型コロナの感染に収束が見られない中、江戸時代末期に伝染病の流行を予言したという鳥「ヨゲンノトリ」がネットで話題になっているようです。
そこで今日は「ヨゲンノトリ」について調べました。
「ヨゲンノトリ(予言の鳥)」
ヨゲンノトリとは江戸時代末期の安政4年(1857年)12月、加賀国(現石川県)白山に現れた頭が2つある不思議な鳥で、翌年に流行するコレラを予言し、「私の姿を朝夕に拝めば難を逃れることができる」と言ったとされています。
「ヨゲンノトリ」は、山梨県立博物館が4月3日にTwitterで紹介した鳥のことで、同館が所蔵する文献「暴瀉病流行日記(ぼうしゃびょうりゅうこうにっき)」に描かれており、その姿はカラスのようなイメージで、1つの胴体に白と黒に分かれた2つの頭が付いているのだそうです。
・ヨゲンノトリです。(山梨県立博物館HPより)
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「暴瀉病流行日記」は、当時流行していたコレラの様子を、甲斐国(現在の山梨県)内の名主(役人)が記録していた日記です。
1858年長崎で発生したコレラは、7月に江戸に到達。7月後半には甲斐国でも感染が拡大していきます。
甲府で1日あたり30―40人もの人が伝染病で亡くなるようになった8月初頭、役人はヨゲンノトリの噂を耳にし、日記に記しました。
「伝承」
市川村(現山梨市)の名主、喜左衛門が記した「暴瀉病流行日記」の8月初頭の記事に、頭が2つある不思議な鳥の絵が描かれており、そこにつけられている説明は、以下のように記されています。
「如図なる烏、去年十二月、加賀国白山にあらわれ出て、申て云、今午年八・九月の比、世の人九分通死ル難有、依テ我等か姿ヲ朝夕共ニ仰、信心者ハかならず其難のがるべしと云々」
「是熊野七社大権現御神武の烏ニ候旨申伝、今年八・九月至テ人多死ル事、神辺不思議之御つけ成」
(現代語訳)
図のような烏が、去年の12月に加賀国(現在の石川県)に現れて言うことには、「来年の8月・9月のころ、世の中の人が9割方死ぬという難が起こる。それについて、我らの姿を朝夕に仰ぎ、信心するものは必ずその難を逃れることができるであろう」
「これは熊野七社大権現のすぐれた武徳をあらわす烏であると言われている。今年の8月・9月に至り、多くの人が死んだ。まさしく神の力、不思議なお告げである。」
これ以外に、この不思議な鳥についての情報は日記には書かれていないということです。
ネットには「早速今日から拝みます」とか「これで疫病退散」といった声もあるということで、第2のアマビエのような盛り上がりとなっているそうです。
「アマビエ」については4月17日の弊ブログ「「アマビエ」でコロナ撃退」をご参照ください。
なお、「ヨゲンノトリ」という名前は山梨県立博物館が付けたものだそうですが、命名の経緯は兎も角、コロナ感染が未だ収束しない今、アマビエと共に、ヨゲンノトリを朝夕拝んで早期の終息を祈願してみては如何でしょうか?