春は花粉の飛散などでくしゃみをすることがよくあります。
くしゃみを1回すると、それなりのエネルギーを消費すると言われています。
と言ってもダイエットになる訳ではありません。
くしゃみは腹部や背筋を突発的に緊張させる運動なので、腰の弱い人はぎっくり腰になったり、骨粗鬆症の人はくしゃみをしただけで骨折する危険もあるのだそうです。
もし花粉症などでくしゃみが出そうになった時は、何かにつかまったり、座り込んで身体をなるべく固定して出した方がいいということです。
「休息万病」
さて、休息万病(くそくまんびょう)という言葉があります。
この言葉は、くしゃみをしたときにそれを鎮めるために唱えた言葉なのだそうです。
嘗て、くしゃみは、自分の意思とは無関係に生じるために不吉なものと考えられていて、その不吉を払うための呪文「クサンメ」がくしゃみの語源となったようです。
この「クサンメ」は「休息万命(くそくまんみょう)」「休息万病」と音写され、これを早口で何度も言うと「クサメ」と聞こえ、更にこれが転化して「くしゃみ」になったと言われています。
なお、音写(おんしゃ)とは、ある言語の語音を、他の言語の文字を用いて書きうつすことです。
「休息万病⇒クサンメ」
仏典によると、ある時、お釈迦様がくしゃみをしました。
すると弟子たちが一斉に「クサンメ」と唱えて師の健康を願ったということです。
「クサンメ」とは、古代インド語で「長寿」という意味で、インドではくしゃみをすると寿命が縮まると言われて、「クサンメ」と唱える風習があったと言います。
「くしゃみのスピード」
因みに、「ハクション」とくしゃみが出ると、唾が飛んで出ますが、その際、100万粒から200万粒もの唾の飛沫が1~3mの飛距離で飛び散るそうです。
しかも、その初速は時速300㎞以上と言われています。
もし風邪を引いていたなら、一瞬で大量のウィルスをばらまくことになります。
このような事から、風邪をひいたとき、或いは花粉が飛散している時期にはマスクが必須となります。
なお、風邪に端を発したくしゃみは重篤な病の前兆のこともあるそうです。
十分ご注意ください。