日本には、女性の美しい黒髪をたたえる表現がたくさんあります。
その中の一つに「髪はカラスの濡れ羽色」の表現があり、ほかにも「みどりの黒髪」という言い方もあります。
これらはいずれも、日本女性の黒髪を褒めたたえた素敵な言葉ですが、誠に残念なことに、現代日本からそんな素敵な輝きを持った黒髪の日本女性は、ほぼ完全に消滅してしまいました。
若い女の子達ばかりではなく、ご年配の女性たちもおしゃれ染めと称して、黒髪を茶髪や赤色に染め始めて、ずいぶん久しくなります。
カラスの濡羽色(ぬればいろ)とは、カラスの羽のような艶のある黒色のことを言い、別名「濡烏(ヌレガラス)「烏羽色(カラスバイロ」とも言われます。
これらの言葉は、万葉の時代より「髪は、烏の濡れ羽色」といわれて、黒く艷やかな女性の髪の毛を形容する言葉として用いられてきました。
ところで、烏 といえば真っ黒というイメージですが、よく見るとその羽は青や紫、緑などの光沢を帯びて見えます。
先日、アライグマの檻の中にカラスが入っていたので近くで見ましたが、光沢のある黒色に干渉色(シャボン玉やCDなどに見られる虹色のような僅かな色)があり、とてもきれいな色でした。
調べてみると、これは羽毛の表面にわずかに構造色を持つためだそうです。
・捕獲したカラスです。濡れてはいませんが、とてもきれいな光沢のある黒い色をしていました。
カラスの羽が雨などで濡れると表面の羽毛が水を含んで寝た状態になり表面が滑らかになることで、乱反射が減って一層黒味が増し、加えて、光沢とのコントラストでその黒がより映えて見えるのだそうです。
日本女性の表面が傷んでいない健康的な髪もまた同様に水や髪油などを含むことでわずかな干渉色を浮かべた「烏の濡羽色」の美しい黒になるということです。
この様な黒髪は日本人女性の理想の黒髪なのです。
女性の方は髪の手入れが大変だと思いますが、いつまでも美しい黒髪を保ってほしいと願う者です。
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「みどりの黒髪」の例えは知ってましたが、こちらは知らなかったです。
カラスの黒は、たしか嫌われ者の独特な色彩かもしれません。
そんなカラスをiinaも目にして、ブログしていました。
https://blog.goo.ne.jp/iinna/e/7be240d5130220d05a9dcb7f1ffaa7e1
レディ ファーストしたら、のぞき穴が低すぎて目のやり場に困ったボクちゃんの戸惑い笑撃でした。