知命
詩人 茨木のり子
他のひとがやってきて
この小包の紐 どうしたら
ほどけるかしらと言う
他のひとがやってきては
こんがらがった糸の束
なんとかしてよ と言う
鋏(はさみ)で切れいと進言するが
肯(がえん)じない
仕方なく手伝う もそもそと
生きてるよしみに
こういうのが生きてるってことの
おおよそか それにしてもあんまりな
まきこまれ
ふりまわされて
くたびれはてて
ある日 卒然と悟らされる
もしかしたら たぶんそう
沢山のやさしい手が添えられたのだ
一人で処理してきたと思っている
わたくしの幾つかの結節点にも
今日までそれと気づかせぬほどのさりげなさで
「おんなのことば」 童話屋より
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
離れてみると より分かる
気づかないところの優しさ
気づかないうちの守りと祈り
別れてみて気づく
あなたの私の心の中にいる大きさを
たくさんの手と目と心
ありがとう
詩人 茨木のり子
他のひとがやってきて
この小包の紐 どうしたら
ほどけるかしらと言う
他のひとがやってきては
こんがらがった糸の束
なんとかしてよ と言う
鋏(はさみ)で切れいと進言するが
肯(がえん)じない
仕方なく手伝う もそもそと
生きてるよしみに
こういうのが生きてるってことの
おおよそか それにしてもあんまりな
まきこまれ
ふりまわされて
くたびれはてて
ある日 卒然と悟らされる
もしかしたら たぶんそう
沢山のやさしい手が添えられたのだ
一人で処理してきたと思っている
わたくしの幾つかの結節点にも
今日までそれと気づかせぬほどのさりげなさで
「おんなのことば」 童話屋より
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
離れてみると より分かる
気づかないところの優しさ
気づかないうちの守りと祈り
別れてみて気づく
あなたの私の心の中にいる大きさを
たくさんの手と目と心
ありがとう