サワンカロークのスコータイ空港近くの畑から出土したシダ模様の合子です。
直径2、3cmの豆合子には内側に鉄釉を施したものを良く見かけますが、このサイズの内側は透明釉が一般的で、鉄釉を施したのは珍しいです。
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胴径:10.7cm、蓋をした時の全高:10.1cm、高台径:7.2cm、口径:5・9cmで胴回りに6本の突起をもたせて、それぞれの枠内に格子文と草文をあしらった蓋付小壺です。
チェンマイのコレクターが長年蒐集していたものを、息子が金欲しさに持ち出し、売りさばいた一品です。
突起が等間隔でないため、手抜きをしたような草文もあります。こんなおおらかさがタイの陶器の良さです。
高台には落書きのような、鉄絵の窯印があります。
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タイでは珍しい龍を描いた陶片2点です。1点は再登場です。
パ・ヤーン窯の青磁鉄絵龍文皿の陶片です。青磁釉の長石配合が少ないのか釉が流れて龍文が不鮮明となっています。また全体に薄く造られて、高温に耐えられず大きく反り返っています。
高台の銘は「マンコーン」で龍の意味です。
白化粧の上に面相筆のゆくりした筆致で器面を埋め尽くすように鉄絵で龍を描いています。
ただ、一部に白化粧の密着がわるく剥離が見られます。