の~んびり タイランド 2

タイの風景、行事や趣味の陶磁器を写真を中心に気ままに紹介しています。

アンコール・ワット、天空の女神たち

2015年08月07日 | カンボジア

南階段から第二回廊の内側テラスへ上ります。第二回廊は連子格子窓と内側にたくさんのデヴァター(アプラサス)で取り囲まれます。





第二回廊内側のデヴァターや装飾模様は未完成がたくさんあります。
鼓のデヴァターは輪郭の線彫りで終わっています。

四人のデヴァターです。それぞれ仕上がりの段階が異なり、彫刻作業の手順がよく分かります。

デヴァターの彫刻は終わっていますが、壁面の上部は手つかずです。

アンコール・ワット全体で約1,700体の女神が浮彫されています。



こちらの四人のデヴァターは完成間近ですが、崩壊も進んでいます。

振り返って第三回廊を見上げます。





デヴァターの数だけ女官のモデルがいたそうです。一体一体豪華な衣装の柄、装身具、頭飾りや宝冠そして顔の表情や身振りが異なります。

ふくよかな乳房が魅惑的です。







右に見えるのが中央祠塔です。



破風の彫刻を拡大しました。

この一帯も彫刻の剥離が進んでいます。







中央祠塔の四方に建つ祠塔の一つです。

























中央祠堂をめざし急階段を上ります。



第三回廊で上る急階段から見る第二回廊塔門の破風彫刻です。

第三回廊です。









第三回廊の連子格子窓から見る下界です。
















アンコール・ワット(乳海撹拌)

2015年08月05日 | カンボジア
第一回廊の東壁面へまわります。壁面は50mに及ぶ天地創造神話の乳海撹拌です。

神々「デーヴァ」とアスラ(阿修羅)が不老不死の妙薬「アムリタ」を得るため、マンダラ山に大蛇「ヴァースキ」を巻き付け撹拌棒にし、左右から引っ張り大海を撹拌します。
1000年の間に大海は乳色に変わりますが、マンダラ山は地下界へ沈んでいきます。

左にはヴァースキの頭を引く91人の阿修羅です。



神々はヴィシュヌ神に助けを求め、マンダラ山を引き上げてもらいます。
ヴィシュヌ神の化身、大亀「クールマ」は甲羅でマンダラ山を支えます。


一番上はマンダラ山の頂をつまんで引き上げるヴィシュヌ神です。真中は阿修羅と神々の間に立って撹拌を手伝うヴィシュヌ神です。
そして、さらに1000年間撹拌すると乳海から太陽、月、ラクシュミー(吉祥天)、アプサラなどが現れ、最後にアムリタが出現します。
ヴィシュヌ神の右手にアムリタの容器があります。

ヴィシュヌ神が変身した大亀クールマです。

右側は渾身の力を込めてヴァースキの胴を引く88人の神々です。

天空では水の精「アプサラ」が舞います。海の中では驚いた魚や海獣が逃げ回ります。



天空で舞うアプサラです。

神々の間に助けに入った大身の神「デーヴァ」です。

アムリタは神々と阿修羅の奪い合いになりますが、神々が手中に収めます。
(別項でラフーの横取りを記載しています。)

いよいよ南参道から中央祠堂へ登っていきます。

アンコール・ワット(天国と地獄)

2015年08月02日 | カンボジア
第一回廊の南壁面の東側には死後の世界を表わした「天国と地獄」に彫刻です。これはアンコール・ワットが墳墓寺院だといわれる根拠になっています。
壁面彫刻は3段で構成されており、上段と中段は極楽浄土へ向かう王と王妃、それに王の家族、高官、従者たちが行列を作っています。下段は地獄を表わしています。

上部二段の道は、篤信する王侯、高官、女官たちが進んでいます。下は地獄への道です。





輿に乗って閻魔大王(ヤーマ天)の審判の場へ進む王妃です。



下段の地獄では獄卒に責めを受けているところです。

王妃とかしずく女官たちの別れです。これからみんな閻魔大王(ヤーマ天)の審判を受けます。

中段は審判へ足早に進む王と王妃の輿です。下段は地獄の獄卒に引き立てられ、象に踏みつけられる亡者たちです。

下段では首にひもをかけ、棍棒で殴られながら引き立てられます。

中段の王の輿です。

地獄図です。舌抜きの刑でしょうか。



首絞めの刑だそうです。

磔地獄、身体じゅうに釘を打ち込まれて、苦痛で顔がゆがみます。

この一帯の上段は雑な修復作業によって浮彫が剥がれてしまったそうです。

アンコール・ワット(王者の行進)

2015年08月01日 | カンボジア
南側回廊へ入ります。「スールヤヴァルマン2世の行軍」です。
玉座に坐り、下知を与えるスールヤヴァルマン2世の容貌は、ヴィシュヌ神やクリシュナ神と同じ顔に表現されています。偉大な王で現人神である王にかざされるたくさんの天蓋は神と同じ地位を示しています。
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■行軍は東へ進みます。西から回廊を進むと行軍の後ろから見ることになりますが、ここでは行軍の先頭から写真掲示します。
行軍の先頭は「シャーム人」、刻文では「コック川のシャム人」と解釈できるそうです。チェンセーンのタイ族です。東南アジアの歴史資料に登場する最古のタイ族です。

タイ族の戦装束で、腰にジャスミンの花房を腰蓑のようにぶら下げています。

次に「ラヴォ」(ロブリー)の軍団です。







象の上で剣を振り上げるのは、高官ナラバティンドラヴァルマン将軍です。

護衛兵たちは帽子に特別のエンブレムを付けています。





クメールの精鋭たちの行進です。





玉座に坐し、威厳を込めて指示するスールヤヴァルマン2世です。王の回りには天蓋、旗幟、団扇が林立します。



ガルーダに乗り矢を射るヴィシュヌ神です。


アンコール・ワット(マハーバーラタ)

2015年08月01日 | カンボジア
十字回廊を一巡りして第一回廊へ戻ります。西壁面の南側はインド古代叙事詩「マハーバーラタ」だ描かれています。
「マハーバータラ」は「バタラ族の物語」で全18巻、10万詩節からなる物語で、聖書の4倍の長さに相当する長編です。





天井の彫刻です。

クル国の王族であった、パーンダヴァ王家とカウラヴァ王家のクルクシェートラの戦いを描写しています。

左から進軍するのはカウラヴァ軍です。



戦馬の上で剣と盾を持ち檄を飛ばすカラヴァ軍の将軍です。この戦いでカラヴァ王家は全滅します。

前線が迫ってきました。兵卒は戦闘に備えています。



中央で右から進撃してくるパーンダヴァ軍と戦闘が始まります。





右から進軍するパーンダヴァ軍です。


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西南隅の塔門内へ入ります。



西南隅の塔門内の壁面彫刻です。