KOFUKUの家から

演劇的体質の自由人
大きな愛にいだかれて
チワワたち猫たち
南のちいさな森の家にて
芸術的田舎暮らし真っ最中

夏のおすすめ

2010-07-28 | KOFUKU日記
猛暑が続いてますね。皆さん、お変わりございませんか?

目の前に広がっていた緑の波のような線路脇の緑たち。
先日すっかり刈られてサバンナ状態。見てるだけで暑さ倍増です。
振り向けば我が家のミニライオン「ぴーちゃん」吠えてるし…(ーー;)
あづーーーーー!

見える景色をふと眺めていたら、あれ?いやにお子様が多い…?
あぁーーーーーー、夏休みねぇーーーー!って、気づくの、遅っ!!

で、最近、バイト先でご一緒のお母様に聞かれました。

「夏休みにファミリーで見られるお勧めミュージカルってありますかぁ?」

このご質問を投げかけてくださった方は全くのミュージカル初心者の方。
舞台も映画もこれといって観たことがないそうです。
ご希望は家族で見られるお勧めのDVD~。

ふむふむふむ、そうねぇ、いろいろあるわねぇ~。
今、上演中のサウンド・オブ・ミュージックとかぁ、
ライオンキングとかぁ、美女と野獣とかぁ~、
古典から新作までいろいろありますわな。

で、小・中・高校生のいらっしゃるミュー初心者ファミリーに
アタクシがお勧めしたのはこれ!

「ヘアスプレー」
まずは動画をご覧くださいな(^^)

The Nicest Kids In Town


ね、楽しそうでしょ?知ってますか???
7年くらい前にトニー賞を取って、2年位前には日本で公演もありました。
これ、もう数回目のリメイク映画なんですよねー。
でも、ダントツで出来がいいのは、2007年度の一番新しい映画。

底抜けに明るくて楽しくて、そして人間にとって大事な事を
しっかりと教えてくれるそんなミュージカルなのです。

舞台は60’sのアメリカ・ボルチモア。
主人公のトレーシーはキュートでちょっとビッグサイズのダンスと歌の上手な女の子。
ボルチモアのローカルテレビに出演して、憧れのリンクと一緒にダンスを踊る日を夢見ています。
そんな女の子の素敵なサクセスストーリー。

当時のボルチモアはブラックアメリカンの方が多く住んでいて
特に人種差別が多かったのだそうです。
この作品はアメリカ人なら避けて通れない「人種差別」と言う問題を
明るく、そしてしっかりと正面から描いています。
人種差別だけではない、いろいろな人間ならではの問題があちこちに。
きっと、笑顔で見ているうちに皆さんの中に何かを残してくれるはず。

この作品を見るたびに初めて黒人の方に出会った幼い日を思い出します。
小さい頃、父が時々、港の近くの小さなバラックの飲み屋さんに連れて行ってくれました。
綺麗なママさんのいる本当に5人くらいしか座れないお店でした。
そこで私は味塩(?)のふりかけてあるチーズを食べるのと
海外航路の船乗りさんと会うのがとても楽しみでした。

若い頃、海外航路の船乗りをやっていたことのある父は映画が趣味でそして英語が達者でした。
その店に行くと停泊中の船の船員さんが来るのです。
父は外国船の船乗りさんとすぐに打ち解けて、話したり歌ったりしていました。
まだ3~6歳位だったので、私は「Oh!Your Baby?So cute!」とか言われて
見知らぬ外人さんに抱っこされて膝の上を転々としました。
子どもの強みで言葉もなんとなく解り、意外と理解も出来ました。
おかげさまで英語はものすごく身近なものだったし、
海外の方に全く違和感を持たずに育ちました。

が、初めて出会った黒人のおじさん(お兄さんだったかも)はさすがに怖かった。
だって、特に肌が黒いアフリカンブラックの方だったのです。
薄暗い店だから、目が白く光って、歯が光って、舌が赤く見えて、
手のひらだけまッピンクですごいすごい不思議だった。
そのおじさんが私を「Lovely!」といって抱っこした。

一瞬にして固まった私を見て、おじさんは優しく言いました。
「Are you scary?」(こわい?)
うなずくとそのおじさんは笑って言ったのです。
「When I see the one doesn't know, even I am scared. 」
(おじさんも初めてのものを見たら怖いよ)
その笑い顔があまりに優しかったので、それから怖くなくなりました。
なんというか、それで安心したと言うかね。

差別って、そういうものなんじゃないかなって思ったりします。
別に誰にでも持ちえる感情で、それを持つことは別段おかしくない。
私が初めて触れた黒人の人が怖かったみたいに。
それは差別ではないと思うのですよ。
誰だって知らないものは怖いでしょう?
そこからだと思う。そこから生まれてくるマイナスの感覚。
それが生まれた時、どうしたらいいのか?
それは人種だけじゃなくて、家族関係や友達や色々な世界の中にある。
そんなことを教えてくれるミュージカルです。

えと、そういうシーンもありますが、あえて載せません。
実際に見て、歌詞を味わって欲しいから。
ぜひご家族でご覧下さることを願っています。

ちなみにもう一つのお勧めは「ハイスクールミュージカル」
ヘアスプレーにリンク役で出ているザック・エフロンの主演のディズニーミュージカルです。
これも若い方が居るご家族では楽しめると思いますよ(^^)

こういう映画やミュージカルを私がお勧めすると以外に思う人もいるでしょうね~(笑)
名作とか小難しいのとか、古典とかばっかり観てそうですもんね、アタシ。

ミュージカルっていろいろなジャンルがあります。
これぞエンタメって言う底抜けに明るくてハッピーなのから
本当に心をえぐるような作品まで様々です。

ただミュージカルのよさは、人間の本質である
歌、ダンス、言葉で成り立っていること。
そして人間が普段、素直に表現できない感情を
その本質的なものに乗せてここに直接感じさせてくれることです。

今回ご紹介した作品はストレートに「愛や友情」なんてのを言ってくれます。
ストレートにドカンと来るんで解りやすくていいんですよ。
夏ですからね。ダイナミックにね(笑)

あと、この作品の素晴らしさは、アメリカの若者のミュージカルレベルがいかに高いかってこと。
殆どが10代、20代前半のキャストさんですが、技術の高さには驚きます。
こういうのを子どもの時代から見て育つのだからそりゃ育ってくるものは違うよなぁ~。
日本じゃ、素人が即アイドルだもんね。それじゃあ、やっぱり本格的なものはなーーーー。
向こうのアイドルはちゃんときっちり歌って踊れるのよねー。
みーんな基礎があるんです。それが良くわかります。
そういうところも観ていただければ。。。。
見てない方、ぜひ機会があったらごらんくださいね。

さてさて、先ほど紹介したナンバーのメイキング画像です。
ローマは一日にして成らず、なんですよ。
ぜひこちらもあわせてどうぞ!

Hairspray Making of -Nicest Kids in Town