<はじめに>
今の世は「憂い」が溢れている。
欧州の戦、東北の地震、半島のミサイル、新型コロナ、等々。
そんな様相の中で少々気後れするが、今回投稿は「競艇」のハナシである。
--- 考えてみれば、いつも「憂き世」に憂いは付き物。
どうか大目に見てもらえれば幸いだ。

<本 編>
今宵、長崎県・大村競艇場に於いて、今年初のSGレース優勝戦が行われる。
SGとは「Special Grade」の略。
365日、常に何処かで開かれているレースの中で、年間9回だけのビッグタイトルだ。
その1つ「ボートレース・クラシック」のスケジュールは、毎年3月後半。
競艇ファンに季節変わりを実感させてくれる。
---しかし、今年ばかりは、穏やかな“春うらら”とはいかない心境かもしれない。

5日間に亘る激戦を勝ち抜き、最後の6ピットへ舳先を進めたのは以下の通り。
1号艇:遠藤エミ(滋賀)
2号艇:秦 英悟(大阪)
3号艇:毒島 誠(群馬)
4号艇:上條暢嵩(福岡)
5号艇:中島考平(山口)
6号艇:前田将太(福岡)
この競技が産声を挙げて70年。
女子レーサーが初めてSGを制するかもしれないのだ。
しかも、その確率は極めて高い。
予選道中も、きのうの準優勝戦も、並み居る強豪をねじ伏せ、
彼女はポールポジションを掴み取った。
今節の機力(モーター)は、間違いなく最上位。
1号艇なら(女子選手の)軽量が活かせる。
優勝の最有力候補と言って差し障りないだろう。
「ついに、この日が来たか」
そう考えているファンは少なくない。
しかし、圧し掛かる重圧は相当だろう。
他のメンバーも指を咥えている者など誰もいない。
重い、重い扉はまだ閉まったまま。
快挙はまだ成し遂げられていない。
まだ何も終わってはいない。
ドラマの幕は、今宵、切って落とされる。
僕は、3号艇「毒島」へエールを送りつつ見届けたいと思う。
歴史が下す審判を。
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