庭草に 村雨降りて こほろぎの 鳴く声聞けば 秋づきにけり ー 詠み人知らず
(万葉集 第十巻 2160番歌)
にわか雨が過ぎた庭の草から虫の声、秋が深まってきたことを実感する。
(※「こほろぎ」は、コオロギ、松虫、キリギリスなど秋の虫の総称)
7世紀後半~8世紀後半にかけて編纂された日本最古の歌集---「万葉集」。
全20巻に収められた4500首あまりの歌は、バラエティ豊か。
作者は天皇から農民まで幅広い階層に及び、作地も東北から九州に至る。
その中の1つが、前述の一首。
平易な言葉を用いていることから察するに貴族階級の作ではないだろう。
だが、読み解き易く、親しみ易い。
それに、ちょうど今の時候に合致している。
9月に入ると、それまで喧しかった蝉は鳴りを潜め、
代わって日中も「こほろぎ」が主役を張るようになった。
また、散歩中も其処ここに実りの予兆が目立つ。
代表格は稲穂だろう。
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色づく籾(もみ)の中身は玄米。
たっぷり蓄えたデンプンで重くなり、頭(こうべ)を垂れる。
町内スーパーマーケット店頭には早場米の「新米」が並び出した。
嗚呼、秋なのである。
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栗の毬(いが)はまだ青いが、
洋種山牛蒡(ヨウシュヤマゴボウ)は、ずいぶん黒ずんできた。
こいつを潰すと出る赤紫色の汁は、強い染料。
子供のころ、遊んでいて制服や体操服、皮膚に付いてしまい、
なかなか落ちずに困った記憶がある。
ちなみに強い毒性があるから、口にしてはいけない。
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膨らんだアケビの房。
熟すと開裂し、中の白い果肉はとろりと柔らかく、ほんのり甘い。
果皮はほろ苦く、油で揚げたり焼いたりして山菜料理の食材になる。
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「清水(しょうず)の泉」近くに連なる「蓮(はす)」。
大きな花の見ごろは終盤である。
根本の泥の中では、地下茎が太り、収穫の時を待つ。
旬は、晩秋あたりだろうか。
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ハスの葉にできた美しい水滴。
触ると濡れていないところも湿っぽい。
鏡のように平らではなさそうだ。
葉っぱの表面に微小な無数の突起があり凹凸していて、
水玉がつぶれるのを防いでいる。
この高い撥水構造は、塗料、屋根材、布などに応用され、
生活に役立てられているのは、ご存じの通りだ。
では、ラストも万葉集から引用して締めくくろう。
久方の 雨も降らぬか 蓮葉に たまれる水の 玉に似たる見む - 詠み人知らず
(万葉集 第十六巻 3837番歌)
久々に雨が降って、蓮の葉に溜まった水玉を見たいものだ。
2021年の夏も一瞬で終わった気がします。
そして、秋です。
ともかく、時がすぎるのが、今までにも増して速い。
加齢のためかと言えば、それもあるかもしれませんが、やっぱりコロナで、個人的なイベントができないことが大きいと思います。
はっきり言って、人生の折り返し点をすぎている僕は、「僕に残された時間は少ないんです、どうかコロナさん、おとなしくなってください!」とお願いしたい気持ちです。
りくすけさんのブログから吹っ飛んだ、とりとめのないコメント、失礼いたしました。
では、また
コメントありがとうございます。
ワラビスタンも涼しい様ですね。
暑さがぶり返す事もあるでしょうが、
季節は秋ヘ。寒暖の差も出そうです。
お身体ご自愛くださいませ。
コロナによって計画が狂い、
人生が変化した人は大勢いるでしょうね。
Zhenさんと同じく人生の折り返しを過ぎた僕も
他人事ではありません。
しかし、ウイルスとの戦いは続き、
持久戦になりそうです。
では、また。