北方領土の返還とロシアの極東開発への日本の協力。ロシア国民が歯舞色丹の返還に反対はクリミア問題でのナショナリズムの高まり。ロシア内に領土返還は漁業資源などで損失との論。経協でロ世論変化出来ない。幻想捨てるべし。
1:12月、プーチン大統領の訪日時、領土問題で大きく動く可能性は遠のいた。
すでに、プーチン大統領、及び、ラブロフ外務大臣がこれを明言している。
プーチン大統領は10月27日、北方領土問題を含む日本との平和条約交渉の見通しについて「期限を決めるのは不可能で、有害ですらある」と明言。「解決を望み、そのために努力するが、いつどのように行われるか、今は答えられない」とも述べた。
又、ラブロフ外相は、「プーチンは領土問題に領土問題の解決の用意がある、欲していると発言しているが同時に忍耐強い協力、細心の注意の作業を要す。ただし、早急な進展があるとの期待を高める路線はこの方向に合致しない」と述べた。
2;12月プーチン大統領の訪問時、「日ソ両国は北方領土の解決に向け真摯に努力を重ねていく」程度以上の発展は予想しがたい。
3:この中で日本国内に経済協力を推進することで、領土問題解決の好ましい環境を作りたいという考えがあるがこの幻想は止めたらいい。
4:まず国後、択捉が日本に帰ってくることは100%ない。
ここでは?日本はサンフランシスコ条約で千島を放棄している。そして吉田首相はこの会議で、国後・ 択捉は千島の一部としている、?他方米ソの間では米国はソ連が千島を領有とすることにルーズベルト、トルーマン両大統領が合意している。この中でソ連が国後・択捉を放棄することはありえない。
5:歯舞色丹は、1956年日ソ共同宣言で「ソヴィエト社会主義共和国連邦は,日本国の要請にこたえかつ日本国の利益を考慮して,歯舞諸島及び色丹島を日本国に引き渡すことに同意する。ただし,これらの諸島は,日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の平和条約が締結された後に現実に引き渡されるものとする」と約束しているので、この履行を求めればいい。
6:現時点でロシア国民が、歯舞色丹の返還に反対なのは、クリミア問題で西側が制裁を科し、これに国民が反発し、ナショナリズムが高揚している。プーチン支持はこのナショナリズムに支えられているので、経済協力をすれば消滅する類のものではない。
7ナショナリズムの高まりとともに、ロシア国内では、地下資源、漁業資源など
に着目し領土の返還はロシアに経済的に打撃を与えるという論が台頭している。
それを考えた時、領土問題に経済的利益を絡ませるのはマイナスに働く。
8:経済協力が日本の利益になるという判断ならそれはそれでいい。しかし、領土問題の解決のために経済協力するという発想は止めたらいい。
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