飛騨の山猿マーベリック新聞

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◆円安地獄でステーキ店の倒産が過去最多…安くて美味い牛肉が食べられる時代は終わった

2024年05月09日 08時37分00秒 | ●YAMACHANの雑記帳

手頃な値段で、お肉をお腹いっぱい――なんて過去の話になるのは近い。
 帝国データバンクによると、昨年度に判明したステーキ店の倒産は10件で、前年度の5倍にのぼり過去最多となった。背景には、輸入牛肉の仕入れ価格上昇と、円安の影響がある。
 米国では、ウクライナ紛争や異常気象の影響で家畜用飼料が高騰し、牛肉の生産コストが急騰。米国産牛肉の輸入価格は5年間で約1.4倍になり、米国産より安価な豪州産も、1.3倍に上昇した。
 追い打ちをかけるのが円安だ。歴史的な円安水準により、今後も輸入や輸送コストがステーキ店の経営を圧迫していくのは必至だ。
 そのため、ステーキ店では値上げが相次ぐ。全国チェーンの「いきなり!ステーキ」は、4月から主力商品の「ワイルドステーキ」を150円アップ。1390円になった。

 これだけ輸入牛肉が高騰すれば、他の飲食店も影響から逃れられない。帝国データバンク情報統括部の飯島大介氏はこう分析する。
「いくつかの牛肉を扱う店で、すでに影響が出ています。例えば牛丼チェーンはここ数年、値上げを繰り返しており、牛丼1杯を280円で食べられたのも遠い昔。今後も低価格路線を維持するには豚丼など、より低価格な商品にシフトしていかざるを得ません。また、ハンバーガーチェーンも100%ビーフパティをウリにしている企業が多いため、頭を抱えています。すでにマクドナルドが値上げに踏み切っているように、今後影響が拡大する可能性があります」

実際、牛丼チェーンすき家の「牛丼並盛」は、4月から430円に値上げ。マクドナルドの「ビッグマック」は2015年には370円だった単品価格が、今年1月から480円になった。9年で約3割アップだ。
 ハンバーガーも牛丼も、ボリュームのある肉を手頃な値段で楽しめることで、幅広く浸透した。しかし、こう値上げが続くと、いずれ「ぜいたく」となるのは時間の問題だ。「牛肉を安く食べられるビジネスモデルは成立しなくなってきている」とは、前出の飯島大介氏だ。実質賃金マイナス続きのサラリーマンは踏んだり蹴ったりである。
「うまい、やすい、はやい」の三拍子が揃った時代は終わるのか。円安はランチの楽しみまで奪う。


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