◆「姉は犬のような扱い」収容映像見た妹//号泣入管ウィシュマさん死亡
名古屋出入国在留管理局の収容施設でスリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさんが死亡した事件で、入管側は12日、ウィシュマさんの妹ら遺族に、収容施設でウィシュマさんの様子を撮っていた映像2週間分を2時間に編集したものを開示しました。法務省内で映像を見た後、妹のワヨミさんは「姉は助かることができたはずなのに病院に連れて行かれず、犬のような扱いをされていた。誰が見ても体調の悪化はわかる」と号泣しながら話しました。
ワヨミさんは「入管職員には心も人道的態度も感じられない。ビデオは都合の良いところだけで他はカットされている。他の部分も全部見たい」と強い口調で政府の姿勢を批判しました。
指宿(いぶすき)昭一弁護士は、遺族がビデオを見ている途中でワヨミさんの気分が悪くなり、開始から1時間10分ほどで見ることができなくなったと説明。ワヨミさんは法務省前での報道陣の取材に感想を述べましたが、この日午後の会見には参加しませんでした。
遺族と弁護団はこれに先立ち、入管が公表した最終報告書について、法務省内で説明を受けました。
ビデオ確認後の会見で指宿弁護士は、報告書の説明の前に急きょ、佐々木聖子入管庁長官と上川陽子法相から遺族に謝罪があったと説明。遺族からの質問に、佐々木長官は最終報告書にあるような返答を繰り返すだけだったといいます。
また指宿弁護士は「2週間分の映像データ全てを提出するよう遺族と弁護団で要請した」と強調。この日見られなかった映像の続きは来週以降に日程を調整し、開示を受けると語りました。
この日、遺族が映像を見る前の時点で、指宿弁護士は報道陣に「報告書からも、亡くなる2日前の映像はショッキングなものと推測される」と指摘していました。
「弁護団として立ち会い、場合によっては途中で中止の判断をする必要がある。同席を入管に強く求めたが、認められなかった。許せないこと。代理人として強く抗議する。誠意のない対応から見ても、入管は何も反省していない」と話しました。
ビデオの確認と会見にはウィシュマさんの妹のポールニマさん、幼なじみのマンジャリさんも参加しました。
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